少年の鋭い視線の先に映るものとは。
WAR(闘) U2

Sunday Bloody Sunday
Seconds
New Year's Day
Like a Song...
Drowning Man
The Refugee
Two Hearts Beat as One
Red Light
Surrender
40
新年、一発目はコレで参ります。 U2の「少年」3部作の最終章である、「WAR」。
この時期寒くなってくると、初期のU2の冷めて乾きつつも鋭く切れ込むビートと、
ボノのアツい“魂の叫び”が恋しくなるんですよ。
初期U2サウンドの集大成であり、同時に80年代初期のロックシーンが生んだ傑作。
このアルバムのクオリティの高さは、そのジャケットの少年の鋭い視線が物語る。
(ボノの親友の弟である現在俳優のピーター・ローウェン君)

U2はボノ(vo)、エッジ(g)、アダム・クレイトン(b)ラリー・マレン・Jr(dr)
という結成以来変わらない鉄壁の4ピース・バンドで、現在もロックシーンのトップに
君臨し、影響を与え続ける“現在”最強のロックバンドといっても過言じゃない。
76年にアイルランドはダブリンで結成し、80年「BOY」で華々しくデビュー。
当時のパンク/ニュー・ウェイヴの息吹を十分に吸い込みつつ、
スリリングでかつ、荒削りでエッジの利いたサウンドと熱い政治的メッセージは、
聴くものの心を揺さぶり起こした。 そんな彼らの初期のサウンドの魅力は、
“冷たさ”と“熱さ”のコントラストの両立にある。
直線的で複雑かつ空間を切り裂くギター音、腰で弾く強靭なベース音の巧みで
正確なラインと、爆撃機のように連打されるドラムビートが織りなすアンサンブル。
4ピース・バンドの特徴である楽器間の隙間だらけの空間をうまく生かした
心地よい音の残響と、“ディレイ”を多様し、かつシャープで切れ味鋭い質感は
実に鮮烈なんだけど、劇的にストイックなまでに繊細だ。

こんなU2独自の音作りを手掛けたのは、XTCやピーター・ガブリエル、
そしてデビュー以来から、彼らをプロデュースしてきたスティーブ・リリーホワイト。
彼の手腕、エフェクト技術は素晴らしい。 ソリッドで荒削りなロックを録らせたら
ピカイチだ。 それにメンバーの演奏力も相まって、一つの完成形を見ている。
『 ここで、“ディレイ”について、簡単に解説しておきます。
ディレイとは、原音と同じ音が、一定の時間、間を置いて聞こえてくる効果。
「音の遅れ」のことです。 エフェクター(出力音を変化させる機器)から、
リバーブ(残響)やエコー(山びこみたいに繰り返し遠ざかる音)のような
残響系の録音技術も、総称して“ディレイ系”と呼ぶこともある。
でも実際、1つの原音に対して、エフェクト音がだんだん小さくなりながら、
繰り返して出力されています。 この繰り返しを“フィードバック”といい
これを機器で、時間差や繰り返す回数なんかを調整して、空間演出してる。
初期のディレイ・マシンはもちろんテープ式の物でした。まず、磁気テープに
原音を録音して、録音ヘッドと離れた異なるヘッドで、録音された音を再生して
やれば、ディレイ音が出来る。
レコーディングで取り入れられた歴史は案外古くて、50年代後半のプレスリーの
ロックンロール・ヴォーカルもエコーとして、フィードバック・ディレイ
が使われ、彼独特のヴォーカル・スタイルが確立した。
(ジョンがロックン・ロール・ナンバーの中でフィードバック・ディレイを使う
のも、この頃のエルビスの影響であるんじゃないかなぁ)
60年代に入ってディレイ・マシンの使い方も様々になってきて、
ビートルズの「イエロー・サブマリン」のサントラ盤は実は当時その
最先端だった。
ジョージ・マーティンは最新の録音機材に精通してて、そのサントラ盤の中で
実験的にクラシック・パーカッションをディレイでフィードバックさせたり、
テープを逆回転を使ったりしてより効果的な作品に仕上がっていました。
70年代からは、ロックが目覚ましい発展を遂げる中、フィードバック・ディレイを
うまく利用して、独自のスタイルを築き上げるアーチストが増えてきて、
ピンク・フロイドのデイブ・ギルモアや、クイーンのブライアン・メイなんか
マシンとテクニックを駆使した印象的な曲やフレーズを編み出していった。
それ以降ディレイ・マシンはめざましい発展を遂げていくことになる。

80年代以降、“ディレイの達人”と言っていいのは、このエッジだろう。
何て言うかなぁ・・。 不思議な奴ですよ。 オンリーワンな。
そんなギタリストだ。 でも、彼は取り立ててテクニックで魅せる
タイプのギタリストじゃないと思うんだけど、
(案外、その不足分をディレイでごまかしてたなんていう奴もいるけど、
私しゃ、そうは思わない。 4ピースはヘタクソじゃ成り立たないんですから。)
ディレイの音色を変幻自在に使い分け、彼が確立したギターサウンドは、
限りなくギターの可能性を広げたことは間違いない。 』
だがここで最も成長著しいのは、やはりボーカリストとしてのボノだ。
まさに倒れんばかりに情熱を爆発させて。それが残響と空間を切り裂くエッジの
ギターと重なって、凄まじいばかりの緊張感を醸し出している。 さらに歌の内容も、
政治的なもの、暴動や戦争を意味したものなど、疑問と問題提起がリアルな形で
結晶化される。 「音楽で世界は変えられるんだ」という旗の下に。
しかし、ただ声高に大声だけ張り上げて、反戦や平和を叫ぶんじゃない。
ピュアなラブ・ソングのようにして、もう一つ意味を持たせるような形で心に
訴えかける。 そこら辺が実にしたたか。 実に冷静なのだ。

“Sunday Bloody Sunday”は、72年1月30日の北アイルランドのロンドンデリーで
起きたデモに対して英国軍が発砲し、14人の無抵抗な市民が殺害された「
血の日曜日事件」を題材にした曲。 そのあまりに悲しく空しい無念さを、
ビートと歌声は怒りに満ちた感情を爆発させる。 荒々しいバイオリンも
入っていて効果的だが、カッティングやストロークの直線的ラインのカッコよさが
名曲を決定づけた。 U2しか歌えない永遠の曲だ。
“Seconds”は、行進曲のようなビートで独特の重圧と冷たさが印象的な曲。
核戦争について考えさせる歌詞からそう思えるのかも知れない。
死の灰が降り注ぐ荒野なのか、それを予期しても防げなかった空しさなのか、
感じ方は人それぞれだが・・。
そして、“New Year's Day”だ。「1月1日(新年の日)」と名付けられた歌詞の
内容は、当時、社会主義だったポーランドからの民主化運動(連帯)の労働闘争
への苦悩を歌い、それでも応援するという側面を併せ持つ曲。
サウンドは疾走感抜群。 流れるようなリズム隊のビートに、印象的なピアノの
フレーズも絡んで、ギターのラインも滑走するような独特な奏法でスピード感を
増している。 これも、U2永遠の名曲。
こうやって見ると、頭3曲で、こんなに政治的でかつ宗教的問題も絡み、
やはり我々には重すぎる。
しかし、“Red Light”での女性コーラスと、ボノのファルセットヴォイスから
幾度も叫ばれる「Love」の歌詞。 怒りの中にも、「Love」が刻むことができるか
どうか・・。 「WAR」の肝心要のメッセージの本質は「そこ」にある。
「愛」なのだ。 すべてに「愛」が必要なのだ。
アルバムの最後、初期のコンサートでは必ず最後に演奏されていた“40”でこう歌う。
「僕らはいつまで、歌い続ければいい・・」
このアイリッシュ・メロディの温かさが、最後に「闘い」の癒しと安堵感を包んで
くれるが、 それは、幼かった少年がやがて大人になって現実と直面し、
打ちのめされながらも、真剣にこの現実と向き合おうと精一杯抵抗を試みる、
“悪あがき”の言葉なのかもしれない・・。
けれど、今何かしなければ、誰かが叫ばなきゃ、何も変わらないのだ。
デビュー作「BOY」から3年、まだあどけなかった少年が、
今や射すくめるような厳しい視線でこちらを見ている。
恐る恐る世界に歩き出した「少年」は、そこに厳然と存在する矛盾や怒りに対し、
「音楽」という“武器”で「闘い」に果敢に挑んでいったのだ。

Sunday Bloody Sunday
Seconds
New Year's Day
Like a Song...
Drowning Man
The Refugee
Two Hearts Beat as One
Red Light
Surrender
40
新年、一発目はコレで参ります。 U2の「少年」3部作の最終章である、「WAR」。
この時期寒くなってくると、初期のU2の冷めて乾きつつも鋭く切れ込むビートと、
ボノのアツい“魂の叫び”が恋しくなるんですよ。
初期U2サウンドの集大成であり、同時に80年代初期のロックシーンが生んだ傑作。
このアルバムのクオリティの高さは、そのジャケットの少年の鋭い視線が物語る。
(ボノの親友の弟である現在俳優のピーター・ローウェン君)

U2はボノ(vo)、エッジ(g)、アダム・クレイトン(b)ラリー・マレン・Jr(dr)
という結成以来変わらない鉄壁の4ピース・バンドで、現在もロックシーンのトップに
君臨し、影響を与え続ける“現在”最強のロックバンドといっても過言じゃない。
76年にアイルランドはダブリンで結成し、80年「BOY」で華々しくデビュー。
当時のパンク/ニュー・ウェイヴの息吹を十分に吸い込みつつ、
スリリングでかつ、荒削りでエッジの利いたサウンドと熱い政治的メッセージは、
聴くものの心を揺さぶり起こした。 そんな彼らの初期のサウンドの魅力は、
“冷たさ”と“熱さ”のコントラストの両立にある。
直線的で複雑かつ空間を切り裂くギター音、腰で弾く強靭なベース音の巧みで
正確なラインと、爆撃機のように連打されるドラムビートが織りなすアンサンブル。
4ピース・バンドの特徴である楽器間の隙間だらけの空間をうまく生かした
心地よい音の残響と、“ディレイ”を多様し、かつシャープで切れ味鋭い質感は
実に鮮烈なんだけど、劇的にストイックなまでに繊細だ。

こんなU2独自の音作りを手掛けたのは、XTCやピーター・ガブリエル、
そしてデビュー以来から、彼らをプロデュースしてきたスティーブ・リリーホワイト。
彼の手腕、エフェクト技術は素晴らしい。 ソリッドで荒削りなロックを録らせたら
ピカイチだ。 それにメンバーの演奏力も相まって、一つの完成形を見ている。
『 ここで、“ディレイ”について、簡単に解説しておきます。
ディレイとは、原音と同じ音が、一定の時間、間を置いて聞こえてくる効果。
「音の遅れ」のことです。 エフェクター(出力音を変化させる機器)から、
リバーブ(残響)やエコー(山びこみたいに繰り返し遠ざかる音)のような
残響系の録音技術も、総称して“ディレイ系”と呼ぶこともある。
でも実際、1つの原音に対して、エフェクト音がだんだん小さくなりながら、
繰り返して出力されています。 この繰り返しを“フィードバック”といい
これを機器で、時間差や繰り返す回数なんかを調整して、空間演出してる。
初期のディレイ・マシンはもちろんテープ式の物でした。まず、磁気テープに
原音を録音して、録音ヘッドと離れた異なるヘッドで、録音された音を再生して
やれば、ディレイ音が出来る。
レコーディングで取り入れられた歴史は案外古くて、50年代後半のプレスリーの
ロックンロール・ヴォーカルもエコーとして、フィードバック・ディレイ
が使われ、彼独特のヴォーカル・スタイルが確立した。
(ジョンがロックン・ロール・ナンバーの中でフィードバック・ディレイを使う
のも、この頃のエルビスの影響であるんじゃないかなぁ)
60年代に入ってディレイ・マシンの使い方も様々になってきて、
ビートルズの「イエロー・サブマリン」のサントラ盤は実は当時その
最先端だった。
ジョージ・マーティンは最新の録音機材に精通してて、そのサントラ盤の中で
実験的にクラシック・パーカッションをディレイでフィードバックさせたり、
テープを逆回転を使ったりしてより効果的な作品に仕上がっていました。
70年代からは、ロックが目覚ましい発展を遂げる中、フィードバック・ディレイを
うまく利用して、独自のスタイルを築き上げるアーチストが増えてきて、
ピンク・フロイドのデイブ・ギルモアや、クイーンのブライアン・メイなんか
マシンとテクニックを駆使した印象的な曲やフレーズを編み出していった。
それ以降ディレイ・マシンはめざましい発展を遂げていくことになる。

80年代以降、“ディレイの達人”と言っていいのは、このエッジだろう。
何て言うかなぁ・・。 不思議な奴ですよ。 オンリーワンな。
そんなギタリストだ。 でも、彼は取り立ててテクニックで魅せる
タイプのギタリストじゃないと思うんだけど、
(案外、その不足分をディレイでごまかしてたなんていう奴もいるけど、
私しゃ、そうは思わない。 4ピースはヘタクソじゃ成り立たないんですから。)
ディレイの音色を変幻自在に使い分け、彼が確立したギターサウンドは、
限りなくギターの可能性を広げたことは間違いない。 』
だがここで最も成長著しいのは、やはりボーカリストとしてのボノだ。
まさに倒れんばかりに情熱を爆発させて。それが残響と空間を切り裂くエッジの
ギターと重なって、凄まじいばかりの緊張感を醸し出している。 さらに歌の内容も、
政治的なもの、暴動や戦争を意味したものなど、疑問と問題提起がリアルな形で
結晶化される。 「音楽で世界は変えられるんだ」という旗の下に。
しかし、ただ声高に大声だけ張り上げて、反戦や平和を叫ぶんじゃない。
ピュアなラブ・ソングのようにして、もう一つ意味を持たせるような形で心に
訴えかける。 そこら辺が実にしたたか。 実に冷静なのだ。

“Sunday Bloody Sunday”は、72年1月30日の北アイルランドのロンドンデリーで
起きたデモに対して英国軍が発砲し、14人の無抵抗な市民が殺害された「
血の日曜日事件」を題材にした曲。 そのあまりに悲しく空しい無念さを、
ビートと歌声は怒りに満ちた感情を爆発させる。 荒々しいバイオリンも
入っていて効果的だが、カッティングやストロークの直線的ラインのカッコよさが
名曲を決定づけた。 U2しか歌えない永遠の曲だ。
“Seconds”は、行進曲のようなビートで独特の重圧と冷たさが印象的な曲。
核戦争について考えさせる歌詞からそう思えるのかも知れない。
死の灰が降り注ぐ荒野なのか、それを予期しても防げなかった空しさなのか、
感じ方は人それぞれだが・・。
そして、“New Year's Day”だ。「1月1日(新年の日)」と名付けられた歌詞の
内容は、当時、社会主義だったポーランドからの民主化運動(連帯)の労働闘争
への苦悩を歌い、それでも応援するという側面を併せ持つ曲。
サウンドは疾走感抜群。 流れるようなリズム隊のビートに、印象的なピアノの
フレーズも絡んで、ギターのラインも滑走するような独特な奏法でスピード感を
増している。 これも、U2永遠の名曲。
こうやって見ると、頭3曲で、こんなに政治的でかつ宗教的問題も絡み、
やはり我々には重すぎる。
しかし、“Red Light”での女性コーラスと、ボノのファルセットヴォイスから
幾度も叫ばれる「Love」の歌詞。 怒りの中にも、「Love」が刻むことができるか
どうか・・。 「WAR」の肝心要のメッセージの本質は「そこ」にある。
「愛」なのだ。 すべてに「愛」が必要なのだ。
アルバムの最後、初期のコンサートでは必ず最後に演奏されていた“40”でこう歌う。
「僕らはいつまで、歌い続ければいい・・」
このアイリッシュ・メロディの温かさが、最後に「闘い」の癒しと安堵感を包んで
くれるが、 それは、幼かった少年がやがて大人になって現実と直面し、
打ちのめされながらも、真剣にこの現実と向き合おうと精一杯抵抗を試みる、
“悪あがき”の言葉なのかもしれない・・。
けれど、今何かしなければ、誰かが叫ばなきゃ、何も変わらないのだ。
デビュー作「BOY」から3年、まだあどけなかった少年が、
今や射すくめるような厳しい視線でこちらを見ている。
恐る恐る世界に歩き出した「少年」は、そこに厳然と存在する矛盾や怒りに対し、
「音楽」という“武器”で「闘い」に果敢に挑んでいったのだ。
なんやかんやゆうてもベスト盤。
18 SINGLES
U2

Beautiful Day
I Still Haven't Found What I'm Looking For
Pride (in The Name Of Love)
With Or Without You
Vertigo
New Year's Day
Mysterious Ways
Stuck In A Moment You Can't Get Out Of
Where The Streets Have No Name
Sweetest Thing [Single Mix]
Sunday Bloody Sunday
One
Desire
Walk On
Elevation
Sometimes You Can’t Make It On Your Own
Saints Are Coming [New Song with GREEN DAY]
Window In The Skies [New Song]
I Will Follow [Bonus Track]
※通常盤のみ収録。 その際は1曲目。
しばらく、このページも空けたままだったんで、(マジですいません・・)
言える口じゃないんですけど、もうそろそろ年末に近づいてきてしまってます。
早いっすね。 ほんと。
先日、久々に大型CDショップに出向いて、“最近のシーンはどないやねん”と、
視聴しまくってやろ(買いなさい!)と、勇んでまいったんですが、
年末商戦真っ只中、ベスト盤の多いことなんの。 ラッシュラッシュ。
いつものこととはいえ、皆さん商魂のたくましいですこと、なによりです。
前もって言っときますが、私はベスト盤が大好きだし、よく買います。
やっぱ、ベスト盤は、人によっては、そのアーチストの入門書にもなるし、
歴史のダイジェストでもあるし、キャリアの総まとめでもあるんで、
愛聴盤として親しまれる場合が多い。
しかしそれだけに、逆に批判も多いのも、このベスト盤の性格でもある。
今年のベスト盤市場は、大物のリリースが目立ってますな。
エアロ (おいおい、またかよ。 ちょっと多すぎない?)に、
オアシス (えらい偏った選曲やなぁ。 1,2枚目から多いのは分かるけど、
日本では人気の高い3rdから1曲もない、だから“Stand By Me”や、
“All Around The World”はボツ。 それに、“Whatever”もボツ!!
また、シングルのカップリングが多かったりと、
こりゃ、ノエルのわがまま選曲なんかなぁ)に、
ジョージ・マイケルのWHAM!時代からのコンプリート・ベストに、ジャミロクワイなどなど。
とまぁ、ベスト盤でも、その性格上、制作意図やアーチストの意向によって、
選曲も随分異なってくるんで、“あ~だこ~だ”言いたくなってしまうのは仕方ない。
だけど、このU2のシングル曲のオールタイム・ベストは、“ん・・?”と言ってしまう。
まず、“なんで今、出すの?”という素朴な疑問。
最初は来日記念の日本独自の企画盤(ありがちな)と思ったんだけど、
そうじゃないみたい。 彼らのベスト盤は、もう年代を区切って、
2枚リリースしてある。それからアルバム2枚の発表だから、
別におかしくはないけど、今出す必然性はないのでは。
ワールド・ツアーに合わせて発売するなら、もっと早くリリースするべきだと思うし、
(そんな必要がないくらい、今回のツアーの内容は素晴らしい出来だ)
制作意図がわからないし、意味があるんかいなと思う。
だったら、内容が良ければ納得いくんだけど・・。
それも、なんか微妙なんだなぁ~、これが。
まぁ、彼等を初めて聴きだそうという、末有望なロック・リスナーについての、
ダイジェスト盤としては、いいのかもしれないけど、
元来彼らのファンが納得するシングル集かといえば、
“コレ、誰が選曲したの?”やら、“コレ、メンバーがほんとにOKだしたの?”と、
そんな声が聞こえてきそうな、中途半端なベスト盤になってしまったのが残念。
デビューからの“少年”3部作から3曲、
(1曲はボーナス扱いだし、相変わらず2ndからはボツのまま)
80年後期アメリカ進出、制覇、巡礼の3作から6曲。(ベスト盤から1曲収録)
90年代の“電脳ロック”3部作から、2曲。(「ZOOROPA」、「POP」からはボツ)
「ALL THAT~BEHIND」から4曲と「HOW~ATOMIC BOMB」から2曲に、
新曲2曲の計19(ボーナス込み)の内容。
この選曲は、ワールド・ツアーのセット・リストにも関連してる感じだけど、
これは、いかがなものかと。
基本的に、25年のキャリアの彼らのシングル集を18曲(新曲抜いたら16曲)に、
まとめること自体、無理なこと。(やるなら2枚組でなきゃ)
歴史をダイジェストにするなら、大胆に変貌を遂げた90年代も、
近作を削っても、もう少しフォローすべきだし、“Sweetest Thing”をいれるくらいなら、
(この曲は、もともと“Where~No Name”のB面だった曲をベスト用にMixし直した)
もっと他に良い曲があるのに、と思うんだけど。
GREEN DAYとやった新曲は、(意識してか)初期のパンクっぽい出来で、
いいんだけど、もう1曲のバラードは、中の下くらいの出来。
こんなの入れるくらいなら、“All I Want Is You”や“Stay(Farway,So Close!)”、
“40”で締めるのもいいなぁ。
それに、シングル集と名打つなら、全部シングル・バージョンで収録するのが、
筋だと思うんだけど、これも中途半端にアルバム・バージョンそのまんまの曲もある。
(“Elevation”は映画「トゥームレイダー」用のシングル・ミックスを入れて欲しかったし、
“Walk On”はPVバージョンのミックスの方がかっこよかったのに)
それより、こんなベスト盤出すより、オリジナル・アルバムのリマスターは、
どうなってるのかなぁ?
この前、何年か振りにCDで「THE JOSHUA TREE」を聴いてみたんだけど、
最近の録音技術やリマスター音源で、耳が肥えてしまってるのか、
当時は、エコー処理やエフェクトに優れた奥行きのある音に仕上がって聴こえたけど、
なんか、音が平ぺったくて、脆弱に聴こえてしまった。
(初期の作品は、荒削りでソリッドなミックスだから、それほどでもないんだけど)
ついでに、彼らはB面やカップリングにもいい曲が沢山あるんで、
ボーナス・トラックで収録して、更に紙ジャケ化も実現して、
早くリリース願いたいとこです。
しかし、このジャケの20代そこそこの彼らの凛々しいこと。
(ボノのサングラスしてなかった頃の、かっこいいこと!)
私は、80年代にデビューしたバンドの中で最も成功し、そして今後、
ロックの歴史上、“伝説”になっていく存在になるのは、彼らだと思ってる。
だから、今後もベスト盤なり、企画盤の制作も出てくるでしょう。
だとしたら、こんなベストは、とっとと廃盤にして、もっと意義と意味のある
作品をリリースしてほしい。
もうすぐ、U2が来日する。
ライブには行けないけど、なぜかワクワクするんですよ。
そんな中、12月1日のMステに生出演するらしい。
え、マジ!?

Beautiful Day
I Still Haven't Found What I'm Looking For
Pride (in The Name Of Love)
With Or Without You
Vertigo
New Year's Day
Mysterious Ways
Stuck In A Moment You Can't Get Out Of
Where The Streets Have No Name
Sweetest Thing [Single Mix]
Sunday Bloody Sunday
One
Desire
Walk On
Elevation
Sometimes You Can’t Make It On Your Own
Saints Are Coming [New Song with GREEN DAY]
Window In The Skies [New Song]
I Will Follow [Bonus Track]
※通常盤のみ収録。 その際は1曲目。
しばらく、このページも空けたままだったんで、(マジですいません・・)
言える口じゃないんですけど、もうそろそろ年末に近づいてきてしまってます。
早いっすね。 ほんと。
先日、久々に大型CDショップに出向いて、“最近のシーンはどないやねん”と、
視聴しまくってやろ(買いなさい!)と、勇んでまいったんですが、
年末商戦真っ只中、ベスト盤の多いことなんの。 ラッシュラッシュ。
いつものこととはいえ、皆さん商魂のたくましいですこと、なによりです。
前もって言っときますが、私はベスト盤が大好きだし、よく買います。
やっぱ、ベスト盤は、人によっては、そのアーチストの入門書にもなるし、
歴史のダイジェストでもあるし、キャリアの総まとめでもあるんで、
愛聴盤として親しまれる場合が多い。
しかしそれだけに、逆に批判も多いのも、このベスト盤の性格でもある。
今年のベスト盤市場は、大物のリリースが目立ってますな。
エアロ (おいおい、またかよ。 ちょっと多すぎない?)に、
オアシス (えらい偏った選曲やなぁ。 1,2枚目から多いのは分かるけど、
日本では人気の高い3rdから1曲もない、だから“Stand By Me”や、
“All Around The World”はボツ。 それに、“Whatever”もボツ!!
また、シングルのカップリングが多かったりと、
こりゃ、ノエルのわがまま選曲なんかなぁ)に、
ジョージ・マイケルのWHAM!時代からのコンプリート・ベストに、ジャミロクワイなどなど。
とまぁ、ベスト盤でも、その性格上、制作意図やアーチストの意向によって、
選曲も随分異なってくるんで、“あ~だこ~だ”言いたくなってしまうのは仕方ない。
だけど、このU2のシングル曲のオールタイム・ベストは、“ん・・?”と言ってしまう。
まず、“なんで今、出すの?”という素朴な疑問。
最初は来日記念の日本独自の企画盤(ありがちな)と思ったんだけど、
そうじゃないみたい。 彼らのベスト盤は、もう年代を区切って、
2枚リリースしてある。それからアルバム2枚の発表だから、
別におかしくはないけど、今出す必然性はないのでは。
ワールド・ツアーに合わせて発売するなら、もっと早くリリースするべきだと思うし、
(そんな必要がないくらい、今回のツアーの内容は素晴らしい出来だ)
制作意図がわからないし、意味があるんかいなと思う。
だったら、内容が良ければ納得いくんだけど・・。
それも、なんか微妙なんだなぁ~、これが。
まぁ、彼等を初めて聴きだそうという、末有望なロック・リスナーについての、
ダイジェスト盤としては、いいのかもしれないけど、
元来彼らのファンが納得するシングル集かといえば、
“コレ、誰が選曲したの?”やら、“コレ、メンバーがほんとにOKだしたの?”と、
そんな声が聞こえてきそうな、中途半端なベスト盤になってしまったのが残念。
デビューからの“少年”3部作から3曲、
(1曲はボーナス扱いだし、相変わらず2ndからはボツのまま)
80年後期アメリカ進出、制覇、巡礼の3作から6曲。(ベスト盤から1曲収録)
90年代の“電脳ロック”3部作から、2曲。(「ZOOROPA」、「POP」からはボツ)
「ALL THAT~BEHIND」から4曲と「HOW~ATOMIC BOMB」から2曲に、
新曲2曲の計19(ボーナス込み)の内容。
この選曲は、ワールド・ツアーのセット・リストにも関連してる感じだけど、
これは、いかがなものかと。
基本的に、25年のキャリアの彼らのシングル集を18曲(新曲抜いたら16曲)に、
まとめること自体、無理なこと。(やるなら2枚組でなきゃ)
歴史をダイジェストにするなら、大胆に変貌を遂げた90年代も、
近作を削っても、もう少しフォローすべきだし、“Sweetest Thing”をいれるくらいなら、
(この曲は、もともと“Where~No Name”のB面だった曲をベスト用にMixし直した)
もっと他に良い曲があるのに、と思うんだけど。
GREEN DAYとやった新曲は、(意識してか)初期のパンクっぽい出来で、
いいんだけど、もう1曲のバラードは、中の下くらいの出来。
こんなの入れるくらいなら、“All I Want Is You”や“Stay(Farway,So Close!)”、
“40”で締めるのもいいなぁ。
それに、シングル集と名打つなら、全部シングル・バージョンで収録するのが、
筋だと思うんだけど、これも中途半端にアルバム・バージョンそのまんまの曲もある。
(“Elevation”は映画「トゥームレイダー」用のシングル・ミックスを入れて欲しかったし、
“Walk On”はPVバージョンのミックスの方がかっこよかったのに)
それより、こんなベスト盤出すより、オリジナル・アルバムのリマスターは、
どうなってるのかなぁ?
この前、何年か振りにCDで「THE JOSHUA TREE」を聴いてみたんだけど、
最近の録音技術やリマスター音源で、耳が肥えてしまってるのか、
当時は、エコー処理やエフェクトに優れた奥行きのある音に仕上がって聴こえたけど、
なんか、音が平ぺったくて、脆弱に聴こえてしまった。
(初期の作品は、荒削りでソリッドなミックスだから、それほどでもないんだけど)
ついでに、彼らはB面やカップリングにもいい曲が沢山あるんで、
ボーナス・トラックで収録して、更に紙ジャケ化も実現して、
早くリリース願いたいとこです。
しかし、このジャケの20代そこそこの彼らの凛々しいこと。
(ボノのサングラスしてなかった頃の、かっこいいこと!)
私は、80年代にデビューしたバンドの中で最も成功し、そして今後、
ロックの歴史上、“伝説”になっていく存在になるのは、彼らだと思ってる。
だから、今後もベスト盤なり、企画盤の制作も出てくるでしょう。
だとしたら、こんなベストは、とっとと廃盤にして、もっと意義と意味のある
作品をリリースしてほしい。
もうすぐ、U2が来日する。
ライブには行けないけど、なぜかワクワクするんですよ。
そんな中、12月1日のMステに生出演するらしい。
え、マジ!?
ロックの子守唄に乗せて。
HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB
U2

Vertigo
Miracle Drug
Sometimes You Can't Make It On Your Own
Love And Peace Or Else
City Of Blinding Lights
All Because Of You
A Man And A Woman
Crumbs From Your Table
One Step Closer
Original Of The Species
Yahweh
第48回グラミー賞の主役になった彼らと、このアルバム。
その壇上で、ボノはこうスピーチした。
「俺達はロック・バンドではないんだ。
世界一騒々しいフォーク・バンドなんだよ。」
なるほど。 うまいこと言うなぁ。
自分達のことをここまで冷静に捉えているからこそ、
アルバム出すごとにドンドン巨大化していっても、
けっして見失うことなどないんだな。
ご挨拶がわりの、ファースト・シングル“Vertigo”を初めて聴いた時には、
ミサイルを発射せんばかりの、ドエラい勢いとスピードと疾走感に、
“めまい”するほど、クラクラしてしまったもんです。
これだけ“速い”U2の曲は久々じゃないんかな。
「そしたら、新作はデビュー当時みたいな若さを取り戻したような、
ロック・アルバムになるのかな。」と、勘繰らせるには十分な“つかみ”だった。
しかし、蓋を開けてみたら、荒々しい曲はこれだけ。
デビュー当時の若さどころか、その“少年”など、もうここにはいなく、
成熟した、等身大の大人になった彼らがいたのだった。
それは、個人的でもあり、普遍的でもあり、大いなる愛を伝える。
まるで、ロックの子守唄を聞かせるようだ。
とはいえ、今回はプロデュースをスティーヴ・リリィホワイトに任せた為、
特にエッジのギターのディレイやカッティングがソリッドになり、
「WAR」以来のギター・アルバムに仕上がった。
やはり、エッジのギター・プレイはU2の大きな魅力の一つだから、
世のギター小僧よ。 真似たり、コピるのもいいけど、
この“空間”とタイミングを盗んで、勉強するといいと思う。
タイトルは「核爆弾の解体方法」たるもの。
これは、「再び反戦、平和のメッセージ・アルバムなのかいな」と、
これも勘繰ってしまったが、またまた大ハズレ。
核爆弾とは、ボノの父親のことを指したものらしい。
2001年に亡くなってしまった父への想いを歌った楽曲を含んだ、
これは、大いなる愛を綴った作品集なのだ。
しかし、伝え聞くところでは、若くして家を出て孤児のような境遇を経験し、
父とは疎遠だったボノは、父親とはうまくいってなかったらしく、
いつも、ケンカや争いばかりだったという。
その父との“和解の仕方”=“解体方法”という、ボノなりのジョークなんだろうな。
その父のことを歌った“One Step Closer”(あと一歩近づけたら)と、
最優秀楽曲賞を授賞した“Sometimes You Can't Make It On Your Own”
(時には、一人で無理をしなくてもいいんだよ)だ。
この2曲には、伝えられなかった父へ語りかけるボノの感情が昇華されていくようだ。
かつての“BOY(少年)”も、子を持つ父親となり、亡くなる頃には、
初めて父と子の対話と和解ができるまでになれたという。
そこでの体験が、さらなる成長と真摯な心で向かい合える自分になれたのだろう。
ボノは、ますます“カリスマ”を身に付けた。
果たして、これからどこまで極められるのだろう。
父親の大きさと真の愛情ってのは、
亡くなって、初めてわかるものなんだよな・・。

Vertigo
Miracle Drug
Sometimes You Can't Make It On Your Own
Love And Peace Or Else
City Of Blinding Lights
All Because Of You
A Man And A Woman
Crumbs From Your Table
One Step Closer
Original Of The Species
Yahweh
第48回グラミー賞の主役になった彼らと、このアルバム。
その壇上で、ボノはこうスピーチした。
「俺達はロック・バンドではないんだ。
世界一騒々しいフォーク・バンドなんだよ。」
なるほど。 うまいこと言うなぁ。
自分達のことをここまで冷静に捉えているからこそ、
アルバム出すごとにドンドン巨大化していっても、
けっして見失うことなどないんだな。
ご挨拶がわりの、ファースト・シングル“Vertigo”を初めて聴いた時には、
ミサイルを発射せんばかりの、ドエラい勢いとスピードと疾走感に、
“めまい”するほど、クラクラしてしまったもんです。
これだけ“速い”U2の曲は久々じゃないんかな。
「そしたら、新作はデビュー当時みたいな若さを取り戻したような、
ロック・アルバムになるのかな。」と、勘繰らせるには十分な“つかみ”だった。
しかし、蓋を開けてみたら、荒々しい曲はこれだけ。
デビュー当時の若さどころか、その“少年”など、もうここにはいなく、
成熟した、等身大の大人になった彼らがいたのだった。
それは、個人的でもあり、普遍的でもあり、大いなる愛を伝える。
まるで、ロックの子守唄を聞かせるようだ。
とはいえ、今回はプロデュースをスティーヴ・リリィホワイトに任せた為、
特にエッジのギターのディレイやカッティングがソリッドになり、
「WAR」以来のギター・アルバムに仕上がった。
やはり、エッジのギター・プレイはU2の大きな魅力の一つだから、
世のギター小僧よ。 真似たり、コピるのもいいけど、
この“空間”とタイミングを盗んで、勉強するといいと思う。
タイトルは「核爆弾の解体方法」たるもの。
これは、「再び反戦、平和のメッセージ・アルバムなのかいな」と、
これも勘繰ってしまったが、またまた大ハズレ。
核爆弾とは、ボノの父親のことを指したものらしい。
2001年に亡くなってしまった父への想いを歌った楽曲を含んだ、
これは、大いなる愛を綴った作品集なのだ。
しかし、伝え聞くところでは、若くして家を出て孤児のような境遇を経験し、
父とは疎遠だったボノは、父親とはうまくいってなかったらしく、
いつも、ケンカや争いばかりだったという。
その父との“和解の仕方”=“解体方法”という、ボノなりのジョークなんだろうな。
その父のことを歌った“One Step Closer”(あと一歩近づけたら)と、
最優秀楽曲賞を授賞した“Sometimes You Can't Make It On Your Own”
(時には、一人で無理をしなくてもいいんだよ)だ。
この2曲には、伝えられなかった父へ語りかけるボノの感情が昇華されていくようだ。
かつての“BOY(少年)”も、子を持つ父親となり、亡くなる頃には、
初めて父と子の対話と和解ができるまでになれたという。
そこでの体験が、さらなる成長と真摯な心で向かい合える自分になれたのだろう。
ボノは、ますます“カリスマ”を身に付けた。
果たして、これからどこまで極められるのだろう。
父親の大きさと真の愛情ってのは、
亡くなって、初めてわかるものなんだよな・・。
果て無き想いはアメリカへ。
THE UNFORGETTABLE FIRE
U2

A Sort Of Homecoming (ソート・オブ・ホームカミング)
Pride (In The Name Of Love) (プライド)
Wire (ワイアー)
The Unforgettable Fire (焔 ほのお )
Promenade (プロムナード)
4th Of July (7月4日)
Bad (バッド)
Indian Summer Sky (インディアン・サマー・スカイ)
Elvis Presley And America (プレスリーとアメリカ)
MLK (MLK~マーティン・ルーサー・キング牧師に捧ぐ)
新年に入っても、寒い日が続きます。
記録的大雪で、ダメージを被っている方も多いかと。 (お察し致します)
こんな時最も聴きたくなるのが、初期から中期のU2だ。
アイルランドはダブリン出身の若きの4人組。
ディレイを駆使して、ハードなのに冷血でクールにカットするエッジ(g)と、
熱く激しいメッセージを、世界に向けて訴え叫ぶボノ(vo)を中心に、
初期から中期のU2は、冷たく、激しく、そしてとてつもなく熱い奴らだった。
「焔(ほのお)」というタイトル。
“炎”と“焔”との違いって何? (なんかのクイズ番組みたいやな)
調べてみた。
炎 (火の燃焼する様子、形状。 火の先。)
焔 (怒り、憎しみ、憤りの情を表す) とあった。
なるほど。 いい邦題だ。
彼らを、漢字一文字で表すとしたら、実に的を得ている。
「THE UNFORGGETABLE FIRE」を直訳すると、
「忘れられぬ炎(焔)」となるが・・、
83年6月デンバーでの野外ライブ終了後、そのステージセットを、
シカゴの平和記念館に寄付したそうだ。 そして訪れた際に、
展示されていた広島と長崎の原爆の絵画を見て、大きく心を揺れ動かされ、
それが曲となり、アルバムのタイトルにもなった。
また、その記念館には、黒人の公民権運動の指導者でもあり、
ベトナム戦争にも強く反対し活動を起こし、暗殺されてしまった
マーティン・ルーサー・キング牧師をも称えていた。
ここでの体験が、このアルバムの“核”となって、聴く者に強く訴える。
幻想的なジャケットは、アイルランドにあるスローン城にて撮影。
そして、ここにスタジオを設備してレコーディングされた。
プロデュースは、ブライアン・イーノと彼の右腕のダニエル・ラノワ。
「WAR」で確立した“冷”と“熱”を両立させたアイリッシュ魂を残しつつ、
成熟した繊細さと、空間を使った世界観をプラスすることに成功し、
彼らの起用は、来たる90年代へ、大きく影響することになる。
初期なら、ハードなカッティングで斬り込んでいたであろう、
“ソート・オブ・ホームカミング”も、イーノの創り出す意匠によって、
リズム感に余裕が加わり、心地よいビートに変化している。
キーワードは、“アメリカ(USA)”。
それは、地域から世界への脱却でもあった。
ロックンロールが誕生した国。 その象徴であるプレスリーについて歌ったり、
インディアンの風景を描いたり、深刻な麻薬問題を説いた“Bad”、
“愛という名の下”にキング牧師を賛辞する“プライド”、“MLK”と、
彼らの目は、自国(アイルランド)からアメリカに向けられることになる。
その世界観は、次作「ヨシュア・トゥリー」で頂点を極め、ライブ、セールス共に、
“制覇”して、アメリカ文化、ルーツ巡礼(「魂の叫び」)へと旅立っていった。
彼らの永遠のテーマは、“愛と平和”。
その姿勢は、時代を経て、どんどん姿を変化しつつも、
存在感も影響力も、ますます巨大化していき、
今もなお、平和を世界に叫ぶ象徴たるバンドとして君臨する。
バンド名を、アメリカの軍事爆撃機から取ったらしいが、
(You Too(君も)と引っ掛けたとも・・)
だとしたら、痛烈すぎるよなぁ。
戦争の兵器をバンド名にして、反戦、平和を叫ぶんだから。
ひょっとしたら、将来ボノは、ノーベル平和賞もらってしまうかも・・。

A Sort Of Homecoming (ソート・オブ・ホームカミング)
Pride (In The Name Of Love) (プライド)
Wire (ワイアー)
The Unforgettable Fire (焔 ほのお )
Promenade (プロムナード)
4th Of July (7月4日)
Bad (バッド)
Indian Summer Sky (インディアン・サマー・スカイ)
Elvis Presley And America (プレスリーとアメリカ)
MLK (MLK~マーティン・ルーサー・キング牧師に捧ぐ)
新年に入っても、寒い日が続きます。
記録的大雪で、ダメージを被っている方も多いかと。 (お察し致します)
こんな時最も聴きたくなるのが、初期から中期のU2だ。
アイルランドはダブリン出身の若きの4人組。
ディレイを駆使して、ハードなのに冷血でクールにカットするエッジ(g)と、
熱く激しいメッセージを、世界に向けて訴え叫ぶボノ(vo)を中心に、
初期から中期のU2は、冷たく、激しく、そしてとてつもなく熱い奴らだった。
「焔(ほのお)」というタイトル。
“炎”と“焔”との違いって何? (なんかのクイズ番組みたいやな)
調べてみた。
炎 (火の燃焼する様子、形状。 火の先。)
焔 (怒り、憎しみ、憤りの情を表す) とあった。
なるほど。 いい邦題だ。
彼らを、漢字一文字で表すとしたら、実に的を得ている。
「THE UNFORGGETABLE FIRE」を直訳すると、
「忘れられぬ炎(焔)」となるが・・、
83年6月デンバーでの野外ライブ終了後、そのステージセットを、
シカゴの平和記念館に寄付したそうだ。 そして訪れた際に、
展示されていた広島と長崎の原爆の絵画を見て、大きく心を揺れ動かされ、
それが曲となり、アルバムのタイトルにもなった。
また、その記念館には、黒人の公民権運動の指導者でもあり、
ベトナム戦争にも強く反対し活動を起こし、暗殺されてしまった
マーティン・ルーサー・キング牧師をも称えていた。
ここでの体験が、このアルバムの“核”となって、聴く者に強く訴える。
幻想的なジャケットは、アイルランドにあるスローン城にて撮影。
そして、ここにスタジオを設備してレコーディングされた。
プロデュースは、ブライアン・イーノと彼の右腕のダニエル・ラノワ。
「WAR」で確立した“冷”と“熱”を両立させたアイリッシュ魂を残しつつ、
成熟した繊細さと、空間を使った世界観をプラスすることに成功し、
彼らの起用は、来たる90年代へ、大きく影響することになる。
初期なら、ハードなカッティングで斬り込んでいたであろう、
“ソート・オブ・ホームカミング”も、イーノの創り出す意匠によって、
リズム感に余裕が加わり、心地よいビートに変化している。
キーワードは、“アメリカ(USA)”。
それは、地域から世界への脱却でもあった。
ロックンロールが誕生した国。 その象徴であるプレスリーについて歌ったり、
インディアンの風景を描いたり、深刻な麻薬問題を説いた“Bad”、
“愛という名の下”にキング牧師を賛辞する“プライド”、“MLK”と、
彼らの目は、自国(アイルランド)からアメリカに向けられることになる。
その世界観は、次作「ヨシュア・トゥリー」で頂点を極め、ライブ、セールス共に、
“制覇”して、アメリカ文化、ルーツ巡礼(「魂の叫び」)へと旅立っていった。
彼らの永遠のテーマは、“愛と平和”。
その姿勢は、時代を経て、どんどん姿を変化しつつも、
存在感も影響力も、ますます巨大化していき、
今もなお、平和を世界に叫ぶ象徴たるバンドとして君臨する。
バンド名を、アメリカの軍事爆撃機から取ったらしいが、
(You Too(君も)と引っ掛けたとも・・)
だとしたら、痛烈すぎるよなぁ。
戦争の兵器をバンド名にして、反戦、平和を叫ぶんだから。
ひょっとしたら、将来ボノは、ノーベル平和賞もらってしまうかも・・。
| h o m e |