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売られたケンカは“音”で買う。 (改訂版) 

        SOME GIRLS  THE ROLLING STONES

         

          Miss You
          When The Whip Comes Down
          Just My Imagination (Running Away With Me)
          Some Girls
          Lies
          Far Away Eyes
          Respectable
          Before They Make Me Run
          Beast Of Burden
          Shattered


 少々間を開けましたが、遅きの“マイ・ストーンズ・ムーブメント”中ゆえ、続けて参ります。

 先日届きました。  シングル・ボックス1971~2006。

 凝ったイラストを施した、重厚なパッケージングの中には、45枚の紙ジャケ化したシングル
 がギッシリ。  「おお、これだぜ・・。」  この“作り”に、この私も久々ご満悦。
 この45枚ってのは、シングル盤(ドーナツ盤)の回転数とも掛けてんですな。 芸が細かい。

          

 ただ・・。 100点満点はつけられないなぁ。  75点。  それでも甘めですが。

 1枚目の“Brown Sugar”のピクチャー・スリーブの復刻は見事なんだけど、基本的には、
 当時の英米のシングルのジャケットのフォーマットに忠実に再現している形になってるんで、
 次の“Wild Horses”から、9枚目の“Hot Stuff”まで、あのベロのイラストのスリーブなのだ。
 この辺、何とかなんなかったかなぁ・・。 惜しい。  確かに当時の英米のシングル盤では、
 ピクチャー・スリーブはあまりなかったけど(日本盤では有り得ない)、この辺のシングルは
 日本盤も独自のスリーブで発売しているし、ヨーロッパの各国ではセンスのいいジャケットが
 沢山あったのに・・と。 (日本盤の“Wild Horses”や“It's Only Rock'n Roll”なんか見事な
 センスだったし、フランス盤の“Fools To Cry”は、別アングルの写真で、なかなかのモノでした)
 でも、作り的には問題なし。 さすがは“Made In Japan”。 日本製です。

 では肝心の音源はというと・・。 皆さん思われてる通り、“ここまでやるんなら”感強し。
 企画当初は、全てオリジナル・シングル音源を採用して復刻する予定だったのに、なぜか、
 (この“文句”でオーダーしたというマニアも多いでしょう。 私もその一人です)
 発売が近づいてくると、初期のMONOミックスは、どんどん“通常テイク”に変更されていき、
 (シングル盤発売当時は、4枚目の“Happy”までがMONOミックスでした) 残念ながら、
 結局MONOミックスは“All Down The Line”の1曲のみの収録となってしまった。 ただ、
 この曲のMONOミックスは、別ミックスでは特に際立っていたので、これは大いに評価したい。
 (“Sway”は、当時のシングル盤に合わせて、リマスター音源を当時のエディットに加工してる)
 
 そんなボックスの中でも70年代後半に突入すると、12インチ・シングルなるものがシーンを席巻
 し始めることになり、7インチ・シングルのエディット・バージョンとは逆になる形で、リミックス
 やダブなどを多用したエクステンテンデット・バージョン(ロング・バージョン)が出現してくる。

             

 その12インチになるが、“Too Much Blood”は入れるべきだった。 これは大きなマイナス。
 ストーンズの12インチ・リミックスだと、“Undercover Of The Night”の出来が秀逸だけど、
 “Too Much Blood”のアーサー・ベーカーが施した、過激で大胆なダブ・ミックスは凄かった。
 何で“Too Tough”なんか入れたの?  これがシングルカットされてるの知らなかったし。
 枚数合わせなのか、7インチにこだわるのか。 でも12インチ・シングルも45回転なのにね。

 マニアの端くれの私ゆえ、重箱の隅をつつくような“モノ申す口調”で申し分けありません。
 言い出したら、キリがありませんし、真のマニアは、当時のアナログ盤で既にゲット済みのはず。
 (私は、貴重なアナログ盤は、かなり昔に売却してしまい、今はほとんど手元にはありません)
 しかし、これは言いたい。 「よくぞ出してくれました。 ユニバーサル、あんたはエラい!」
 ユニバーサルのアーカイブ企画の本気度が良く分かる、極上のブツであることには違いありません。

 ただ喜んでるのは、コアなストーンズ・マニアだけだろうなんだろうなぁ・・とも。  
 
 今宵は、このブログで2005年9月に書いてる「SOME GIRLS」の話がしたくなりました。
 一度取り上げている78年の傑作ですが、加筆改筆した改訂版にて、よろしくお付き合いを。

      

 77年3月、カナダのエル・モカンボでのギグ(ライブ盤「LOVE YOU LIVE」のC面でお馴染み)
 に向かったトロントで、キースがヘロイン所持のために税関に引っ掛かり、逮捕されてしまう。
 エル・モカンボのギグは無事に終えたものの、キースは1ヶ月近くカナダを出国できず、
 出国後も裁判処理やドラッグ治療に取り掛かり、ストーンズどころじゃなくなってしまう。
 (保釈の条件のひとつに、目の不自由な人のためのチャリティ・コンサートを行う約束をされた)
 キースは心身ボロボロ。 この一件で、ストーンズは危機を迎えてしまっていた。 
 
 対して、当時の音楽シーンは、パンク・ムーブメントが主流に躍り出て、ニュー・ウェイブの
 嵐が吹き荒れた頃。  ZEPやフロイドと並んで、ストーンズも“ロートル”の筆頭と揶揄され、
 「もう古い。 お前らはもう要らない」と、奴ら(パンク勢)の格好の攻撃材料とされていた。

 当時ミックとキースは、丁度ニューヨーカーになってた頃。 当然こんな雑音は耳に入ります。
 黙ってられるワケがありません。  生意気なガキどもには、キッチリ“おとしまい”を
 つけなきゃいけない。  ましてや“流行りモノ”好きな彼ら(特にミック)ですし。
 キースは保釈中の身であり、状態も芳しくなく緊迫した中でも、己の存在感と真の“パンク・
 スピリッツ”を突き付け、奴らに対する“意地”と“返答”する必要があったワケです。

 69年から長年連れ添ってきたビリー・プレストン(Key)やニッキー・ホプキンス(key)に、
 あまりにダラダラした曲調に嫌気がさして、スタジオを去った“6人目のストーンズ”である
 イアン・ステュワート(p)など、このレコーディングには参加せず、新たに呼んだのは、
 元フェイセズのイアン・マクレガン(Key)と、シカゴで発掘したブルース・ハープの名手
 シュガー・ブルーに、元キング・クリムゾンのメル・コリンズがサックスで加わった。
 
 過去にあった独特のグルーヴ感が後退してしまうも、音像に隙間ができたスペースを
 キースとロニーに、ミックも積極的にカッティングしてギター・アンサンブルで絡ませる
 “トリプル・ギター”で、荒削りでラウドなギター・オリエンテッドなサウンドに仕上げ、
 シンプルでスピーディーなパンク要素も取り込んだエネルギッシュなアルバムになった。

 ゲイになった事をバカにした奴らには、「運命のムチが振り落とされる」と警告する
 “When The Whip Comes Down”に、「嘘」を攻め、騙され、嘆き、陥ることを叫ぶ“Lies”に、
 当時、浮気疑惑の渦中だったミック夫人のビアンカに「尊敬すべき女だが、不愉快な奴」と
 キレまくる“Respectable”と、3本のギターの絡み具合が今までとは違ったグルーヴ感を
 生みつつ、突っ走っていくロックンロール・スタイルは、3コードで一夜漬けの“ポッと出”
 の野郎どもには、到底真似出来ない緻密な音なのだ。

     

 とはいえ。 ただの“ストーンズ流パンク・アルバム”に成り下がらないのが、
 彼らの“したたかな”ところ。

 当時隆盛を極めていたディスコ・ビートに迎合してしまったと一部では批判された、
 彼らの代表曲でもある“Miss You”だが、これはストーンズなりの“時代への目配せ”と
 捉えた方がいいだろう。 何度も書くが、彼らは“流行りモノ”が好きなのだ。
 悪い曲じゃない。 むしろちゃんと聴くと、ビルのベースはいつになくブンブン刻んでるし、
 チャーリーのハイハットさばきは絶妙。 ミックのファルセット・コーラスもセクシャルだ。
 しかし、スカスカな音の隙間をギター・カッティングが瞬間を切り裂くタイミングや、
 シュガー・ブルーのハーブとメル・コリンズのサックスの絡ませ方なんて、ジャズっぽい。
 完全なディスコ曲になるなど、彼らのプライドが許すはずがないのだ。

 シングル・エディット・バージョンと12インチ・リミックス・バージョンを担当したのは
 当時は新人だったボブ・クリアマウンテン。 この曲で初めて彼らの曲を手掛けることになる。
 この凹凸度とメリハリの効いたミックスは実に刺激的に仕上げられている。
 アルバム・バージョンがショボく聴こえてしまうほどだ。 ぜひ聴き比べていただきたい。

    

 その“Miss You”の裏にカップリングされたのが、カントリー・ホンクな“Far Away Eyes”。
 ディスコ調のシングルの裏がカントリー曲という、振り幅の広さが彼らの真骨頂だろう。
 ワザと南部訛りに似せたミックも、ロニーのペダル・スティールもいい雰囲気を醸し出す。
 ベイカーフィールドへの思いに乗せた詞も、亡きグラム・パーソンズへのオマージュだろう。

 ミディアム・ナンバーも実に味わい深い。  この懐の深さは、さすがだ。
 シュガー・ブルーのハーブをフューチャーしたモダン・ブルース“Some Girls”に、
 (歌詞がヤバくて・・。 女性を何だと思ってんだか。) それと、カーティス・メイフィールド
 の影がちらつく、キース主導で書かれたミディアム・スローの傑作“Beast Of Burden”だ。
 ミックのファルセットを使い分けたシンコベートとキースとロニーの粘っこいカッティングが、
 チャーリーのスネアとビルのベースに上手くフィットした、哀愁漂うストーンズ流R&Bに。
 (この左下ジャケットは、アメリカ盤初回プレスですが、女性蔑視の疑いで発禁になったもの。
  やはり今回のシングル・ボックスでも残念ながら、これは実現されませんでした。)
 
    

 “Shattered”は、何だろう・・。  何か変な曲っていうか・・。  やっぱ変。
 「この街には、欲望と汚れた夢とセックスばかり。 もう心は粉々に砕けちまった。」と、
 どうしようもないニューヨークの荒廃したアンダーグラウンドな部分をさらけ出した佳曲だが、
 疾走する変速16ビートに、ロニー自身が弾くベースの上に乗っかってるけど、曲の骨格となる
 クネクネしたクセのある歪んだロニーのリフが曲をリードして、ミックの声もストリートを
 意識したラップ気味のボーカルが混沌度を増して、曲をより複雑にして進んでいく。
 (B面にカップリングされた“Everything Is Turning To Gold”は、「SOME GIRLS」の
  アウトテイクだが、何故外されたか疑問を抱くほど、実に良く出来たルーズなロックンロール。
  チャーリーのやたら音数の多いハイハットでリードして、メル・コリンズとシュガー・ブルーと
  いったセッションメンのプレイが印象的だ)
 
 先に書いたキースの逮捕劇からの再出発宣言ともいうべき、“Happy”と並ぶ、
 ライブでのキース・タイムの定番になった“Before They Make Me Run”にも触れておこう。
 二日酔いやドラッグの覚醒から目を覚ますような5弦ギターのキックからスタート。
 ドラッグ治療のせいで、声変わりする前の、か細いボーカルが今では懐かしい感じがするが、
 「人に走らされる前に、俺から歩き出すのさ」と再出発を誓う姿が頼もしい。
 キースは、ジャンキーなのだ。  しかしドラッグはもう足を洗った。 
 “ロックンロール・ジャンキー”なのだ。  ロックンロールに侵されきった男。
 そうあるべき。  これこそ、キース・リチャーズであるべき姿。
 キースの精神力と頑張りが、どれだけ、このアルバムのテンションを高めてることか。

         

 この曲は、アメリカでプロモーション・シングル盤が制作されている。
 やたらベースがブンブン唸って、メリハリがあるなぁと思ってたら、ミックスは
 ボブ・クリアマウンテンが担当していた。 歌詞も途中で違うし、ギター間奏部分も
 フレーズが変えてあるという、とても興味深いリミックス・バージョンだった。
 今では、なかなか聴くことはできないかと思うが、私はこのバージョンが好きで、
 アルバムに差し替えて聴いていたくらいだ。

 このように。
 「金と女とシャンパンに溺れ切った空虚なロックスター」と血気盛んなパンクスに罵倒されるも、
 この「SOME GIRLS」でのキレのある鋭い一撃が、奴らの頬を張り倒して、黙らせることができ、
 成熟や貫禄にドップリ浸かることなく、来るべき80年代に臨戦態勢を整えることができたのだろう。

 とは言うものの。
 そんなパブリック・イメージを逆手に取ったような(茶化したような)派手でゴージャスな
 ジャケットや、(やはり肖像権の問題でモメて、2ndプレスから著名人がカットされてしまう)
 グルーピーとの“交遊録”ともいえるタイトルから、悦楽と酒池肉林のデカダンスの匂いを
 プンプンと漂わせる、マガマガしさと言ったら・・。

 ストーンズほど、図々しいバンドはいないだろう。  もちろん、最高の褒め言葉であるが。
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2011/05/03 Tue. 19:36 [edit]

Category: ローリング・ストーンズ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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冒険心と死の香りにイキリ“勃つ”、「右曲がりのダンディ」。 

      STICKY FINGERS    THE ROLLING STONES

         

            Brown Sugar
            Sway
            Wild Horses
            Can't You Hear Me Knocking
            You Gotta Move
            Bitch
            I Got The Blues
            Sister Morphine
            Dead Flowers
            Moonlight Mile


 1970年7月に英デッカとの契約が切れて、兼ねてから構想中だった自身のレーベル設立を
 実現すべく、(レーベル立ち上げのきっかけは、「BEGGARS BANQUET」のジャケット問題
 だと思われる。 デッカが、あの“トイレの落書き”にケチをつけ、白地の無地で発売するのだ)
 経済学に長けたミックは知恵を働かせ、悪徳敏腕マネージャーのアラン・クラインを切り、
 ビートルズの「APPLE」に続けとばかりに、ビジネス面をマーシャル・チェスに任せて、
 (チェス・レコードの設立者の息子)、レーベル・ロゴは、ポップ・アートの奇才である
 アンディ・ウォーホルのアート・デザインによる、あの“舌のロゴ・マーク”で、
 1971年4月6日に、自身のレーベル「ROLLING STONES RECORD」をスタートさせた。

 あれこれうるさい規制や注文してくるABKCOの束縛から離れ、ストーンズはこの作品から、
 とうとう創作上の自由と権利を手にしたのだ。

      

 まさに、ストーンズというバンドの歴史や性格、音楽性を反映し、ミック・ジャガーの
 口元の“タラコ”具合や舌の特徴も見事に表現した、もう今では見慣れてしまったものの
 素晴らしいアート・ワークの大傑作だ。

 あれから丁度40年経った今。  
 さて今年に入っても、ユニヴァーサル・レーベルでのストーンズ・アーカイブ祭りは
 止まることはありません。  遂にというか、まさか“マジ”で出してくるとは・・。

 実は待ってたんです。 「こんなん出たらなぁ・・」って。  ずっと思ってました。
 それは・・。
 商魂たくましいABKCO(デッカ/ロンドン時代)は、シングル・コレクションやシングル盤
 をボックスにまとめたセット(全3巻)を過去に発売してました。  が。 
 「ローリング・ストーンズ・レコード」設立40周年を記念してか、ベロ・マーク以降の
 最新シングルまでのシングル盤、合計45枚をセットにしたシングル・ボックスが、
 遂に4月20日に日本発売されるのだ。

    

 基本的にストーンズってバンドは、レコード会社ってのを信用してないんだろうと思ってる
 んですが(巨額の移籍金の魅力もあるでしょう)、 EMI、ソニー、Virgin、そして現在は
 ユニヴァーサルと、配給元をジプシーの如く転々としているから、移籍するたびに、
 過去のアルバム・カタログが再発される。 レコード会社が一番欲しい“ドル箱”だからだ。
 しかし、過去のシングル盤ってのは、言ってみれば、レコード会社にしたら「時のモノ」。 
 “出し捨て”の存在。 売れたら“もうけもの”。 悲しいけど、シングルってそんなモノ。
 なので、過去の配給元は、こんな企画すら頭になかったと思います。

 ただ今回のユニヴァーサル移籍後のアーカイブ・プロジェクトの“本気度”は本物。
 だって、ストーンズ・マニアが望んでる音源や映像を確実に順を追いつつ、丁寧に
 オフィシャル化していってる。 過去の配給元とは、“気持ちの入れ方”が違うから、
 ミックもキースも当然OKするワケだ。 だから今後も、“アッと驚く”音源や映像などが
 どんどんオフィシャル化されるのではないかと期待してしまう。

        

 1971年4月16日。  今から丁度40年前のことだ。
 新しく立ち上げた「ローリング・ストーンズ・レコード」からの第一弾シングルとして、
 “Brown Sugar”が英国で発売された。 この曲は、当時裁判で係争中だったアラン・クライン
 にも版権を押さえられていたため(“Wild Horses”もそう)、以前のABKCOレーベルからも
 編集盤に収められるという微妙な立場にある曲にも思うが、やはり“ニュー・ストーンズ”の
 実り多き70年代への華々しい船出として、新たに、“(I Can't Get No)Satisfaction”や、
 “Jumpin’Jack Flash”に続くパブリック・イメージを決定づけた超重要曲になった。

 1969年の全米ツアー中に、マッスル・ショールズで録音された。(“You Got A Move”と共に)
 キースの5弦ギターによる歯切れのいいオープンGとミック・テイラーの骨太いカッティングで
 始まるイントロがあまりにカッコ良過ぎて、ノッケから“ロックの王道”を突き付けられ、
 グイグイと引っ張られてしまう。

 ストーンズの南部志向は顕著で、当時南部でまだ残っていた黒人奴隷制度の事を揶揄して、
 黒人女性(奴隷)を夜な夜な乱暴する、極めて悪趣味で猥褻な詩だが、ライブ演奏では、
 スピード感とストレートなロックンロールに圧倒されっぱなしで、痛快な気分になる。
 ただスタジオ・テイクの方は、実に混沌とした独特のバンド・グルーヴで熱気ムンムンだ。
 (たぶんスタジオはマリファナの煙が立ち込め、ヘロインでハイになったまま録音してたのだろう)
 ミック・テイラーの陰で、キースのアコギや故イアン・ステュワートのピアノが更に泥臭さ
 に拍車をかけ、間奏をギターにせず、ボビー・キーズの目の覚めるようなサックス・ソロに
 したことが面白く、マラカスやカウベルも交えて“乱交騒ぎ”如く、ラストまで盛り上がっていく。  
 あまりの自信作だ。 この曲で、70年代のストーンズの“成功”は決まったも同然だった。
 (とはいえ、案外、波乱万丈だった70年代ではあったが)
 
 しかしココにきて、このボックスの最も“肝”であった目玉が白紙になってしまった。
 このボックスでは、その当時発売されたカップリングでオリジナル盤のモノラル・バージョン
 での待望の復刻が予定されていたが、残念ながら見送られてしまったのだ。 ショック・・。
 (“Wild Horses”、“Tumbling Dice”、“Happy”も通常バージョンにされてしまっていた)
 唯一オリジナル盤“Happy”のB面に収められた“All Down The Line”だけは、ミックス違いの
 ド派手なモノラル別バージョンで収録されているようだ)

 その“Brown Sugar”発売から一週間後の4月23日に、自らのレーベル初のアルバムである
 「STICKY FINGERS」を発表する。 プロデュースはジミー・ミラー。 「BEGGARS BANQUET」
 から「GOATS HEAD SOUP」までのストーンズ史上最重要期のアルバムは、彼が手掛けたものだ。
 エンジニアはグリン・ジョンズと弟のアンディ・ジョンズ。 “南部魂”炸裂の傑作に仕上げる。

  

 そしてジャケット・デザインは、先に紹介したポップ・アートの奇才アンディ・ウォーホル。
 Gパンの股間部分をアップにしただけのシンプルかつ卑猥なインパクトは、一度見たら忘れない。
 (実際Gパンのジッパーのついたジャケで、それを開くと、“モッコリ”ブリーフがお目見え)
 ストーンズというバンドのイメージにぴったりのデザインとセンスに、素晴らしいアイデアが
 結集した、ロックの歴史を代表するアルバム・ジャケット・アートである。

 しかし、マニアの方はご承知でしょうし、既にコレクトされている方も多いと思いますが、
 上の右写真が、ジッパー・ジャケが“猥褻”だという理由で、スペイン盤のみ差し替えて、
 発売されたジャケット。 でも、私はこっちのジャケの方が問題あると思うんだけど・・。
 中味も歌詞がアブナイ理由で“Sister Morphine”に変えて、シングル“Brown Sugar”の
 カップリング収録された71年3月のリーズ大学にてライブ録音されたチャック・ベリーのカバー
 である“Let It Rock”が、なんとリアル・ステレオ・バージョン(!)で収録された。 
 (欧州向け輸出仕様の2ndプレスは割に見つかるけど、初回盤はかなり貴重だ)

 ジミー・ミラーとのコラボレートした名作群の中でも、自身のレーベルの“売り出し”も
 意識してなのか、キャッチーでバラエティに富んだ曲が次々と飛び出してきて、最も
 コマーシャリズムな方向でまとめられているアルバムだ。
 よくストーンズは、黒人音楽のコピーからスタートしたと言われているが、ルーツである地で、
 (マッスル・ショールズは、サザン・ソウルのメッカでもある)様々なジャムを繰り返す中で
 ようやく血肉化し、黒人への憧れや“パクり”から抜け出し、ビートやリズムなど感覚的部分
 まで肉体に宿すことができたことが大きい。 もちろん敬意と懐の深さも兼ね揃えて。
 今後、ストーンズの音楽は、その“肉体”から生み出されていくことになる。

 特にミック・テイラーが、完全にストーンズに馴染んでハマってるとこが一番の肝。
 テイラーのヘヴィーなリフに縦横無尽に弾き倒すブルージーなギターと、キースのカッティング
 が対照的なギタリストが織り成すルーズなバンド・グルーヴこそ、ストーンズ最大の武器だ。

   taylor jpg

 シングル“Brown Sugar”のB面に、派手なブラスホーン隊をバックにするようなスタックス系の
 ファンキーな音にテイラーのリフとキースの絶妙なカッティングでヘヴィーに展開する“Bitch”や
 このアルバムで、最もテイラーのギターに注目すべき曲は“Can't You Hear Me Knocking”。
 右のスピーカーから、テイラーのメイン・リフを鋭角なカッティングでグイグイ曲をリードして、
 左のキースのカッティングも絡めながら、スリリングに曲が進んでいく7分強の大作だ。
 中盤以降はラテンやカリブ風に展開して、コンガやチャーリーのドラム・アンサンブルに乗って、
 テイラーのサンタナを意識したようなアドリブ満点の湿ったトーンが冴え渡るギター・ソロに、
 ボビー・キーズのサックス・ソロが見事にプラス。 緊張感あふれるジャム・セッションだ。

 そんな派手さの中にも、「死」の匂いが、所々に漂っているアルバムでもある。

 “Brown Sugar”の第一弾に続いて、ストーンズ流カントリー・ロックの名バラードである
 “Wild Horses”がシングル・カットされた。 この曲は、カントリー・ロックの先駆者で
 あったグラム・パースンズとの交流によって導かれた、あまりに悲しい友情の曲だ。
 
 「 命が果てた時。 あの世で一緒に暮らそう。  野生の馬に、ふたりで乗ろうな 」

         

 この曲の誕生については、色々と諸説あるが、やはりキースがグラムとの親密な関係が密接
 に関わっているに違いない。  グラムは、カントリー界の新鋭として期待されたが、
 ドラッグ過多によって、26歳の若さで生涯を終えてしまう。  グラムがバーズ加入後
 すぐに、ロンドンでミックとキースに出会ってから、彼はストーンズとの交流を深めていく。
 当時のストーンズには“ドラッグ”は必需品だ。 グラムも彼らと“つるんでる”うちに、
 ドンドン堕ちて行ってしまったのだろう・・。  キースは、今でも嘆いているのだ。
 「奴(グラム)と一緒に座って、この曲を演ったのを覚えてる。 いろんな事を思い出すよ。
  悲しい曲だしね。  あの時は本当に大変な時期だったんだ・・。 」
 キースとテイラーの2本のアコギのコードを縫うように、オーヴァーダブした2本のエレキと
 ジム・デッキンソンのピアノが浮遊する。(彼はFBBのプロデューサーでもあった)
 ミックの表現力豊かなヴォーカルも絡んで、ルーズさと美しさが醸し出すコントラストは見事だ。

 グラムの死にまつわる曲として“Dead Flowers”も、彼に捧げられた曲だ。
 グラムがバーズ脱退後の68年に結成したフライング・ブリトー・バンド(FBB)のファンが、
 彼らに薔薇を贈ったのだが、それが飛行機で輸送中に凍って枯れてしまったことを歌った。
 
 「 毎朝、死んだ花を贈り届けておくれよ。 俺はおまえの墓に薔薇を置いておくからさ。」
          
 “死の香り”は、悪魔(ドラッグを意味してるのか)に左右された生活の苦痛を歌う“Sway”
 や、ミックの当時の恋人だったマリアンヌ・フェイスフルが“モルヒネ狂いの嬢”と、自ら
 の麻薬の禁断症状の様子を詞に書いた、ミックとキースとの共作の“Sister Morphine”と
 (ライ・クーダーのスライドがむせび泣く・・)、プンプン匂わせて繰り返される。

 当時のストーンズには、やたらと“死の香り”が漂っていたのもそのまま反映されたのだろう。

 ドラッグ中毒に陥ったため、バンドの創設者でリーダーだったのに、クビにされて、あげくに
 廃人になったブライアン・ジョーンズは、その後間もなく、自宅のプールで変死してしまうし、 
 イーストコースト(東海岸)で多大な影響とムーブメントを起こした「ウッドストック」に対抗して、
 西海岸でも、大規模なフリー・コンサートを演ろうと立ち上げたら、暴力沙汰になり、遂には、
 殺人事件にまで発展してしまったりする(“オルタモントの悲劇”と言われる)。

 何かやるたび。 何か動くたびに。 犠牲者が出てきてしまうのだ。 さすがに“へこむ”。
 (“オルタモントの悲劇”は、映画「ギミー・シェルター」でドキュメントされているが、
  この事件での、ストーンズのへこみ方や沈痛な表情がはっきりと映像で残されている)
 当時のストーンズには、彼らの野心や冒険心とは裏腹に、混沌と“死の香り”が渦巻いていたのだ。
 彼らが野心や冒険心に忠実であろうとすればするほど、混沌と“死色”は色濃くなっていった。

   

 しかし彼らは、そうした逆境に打ち勝って、キャリアにおいて最高ともいえるアルバムを完成
 させるのだ。  何たる強固な意志だろう。  何たる勇気の持ち主なのだろう。

 見習わなければならない。   素晴らしい魂と冒険心だ。

 「手癖の悪い指」という意味深なタイトルは、あまりに的を得た見事なタイトルだが、
 この“絵”を見るなら、「右曲がりのダンディ」とでも勝手に題していいかな。

 40年前に書かれた、少々下品で泥臭いが、こんなに“深読み”が出来るロックの教科書であり、
 ブリーフの中に押し込められた“イキリ勃つ”、ロックの芸術の境地がコレだ。

2011/04/09 Sat. 19:56 [edit]

Category: ローリング・ストーンズ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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ガタガタぬかすんじゃねぇ、男は背中でモノを語れ。 

       VINTAGE VINOS   KEITH RICHARDS

         keith best

           Take It So Hard
           Big Enough
           You Don't Move Me
           Struggle
           Make No Mistake
           Too Rude
           Time Is On My Side
           Happy
           Connection
           Wicked As It Seems
           Eileen
           Hate It When You Leave
           Locked Away
           Hurricane

 テレビで“けたたましく”流れてますねぇ。 
 「♪Everybody Getting High! High! High! Ah~ High! High!」
 ミックの4枚目になる2001年の目下のとこ最新ソロ作「GODDESS IN THE DOOR WAY」
 からのこの曲。 いや~、この曲なんかシングル曲でも何でもないし、私など
 記憶の片隅に「おお~、なんか“Underconer”みたいなのやってんじゃん」くらいしか
 残ってなかったこの曲をCFに採用したスタッフのセンスにゃ、脱帽しますわ。
 
 2010年も早いものであと2ヶ月弱となりました。
 今年は、ストーンズとしての新譜やツアーなんか全くなかったにも関わらず、
 ストーンズ・マニアの方にとっては、実り多き1年になったのではないでしょうか?

 昨年のストーンズ(ベロマーク)レーベルのユニバーサルへの移籍によって、
 ABKCOレーベルだったデビューからオールタイムでのレーベル統一されてから、
 再々リマスターによる過去のカタログが再発されてきた。 その“真打ち”であった
 「EXILE ON MAIN ST.(メインストリートのならず者)」リニューアル・プロジェクトに
 伴う拡張盤と映像版「STONES IN EXILE」、70年代以降のスタジオ・アルバムすべてが
 SHM-CD/紙ジャケ化と相成ったボックス・セット第2弾に、一部ながら公式化された
 1976年ネブワース・ライヴ映像などを“つるべ打ち”的にリリース。
 ストーンズ・マニアを極度の金欠に陥れたと思いきや。 更に追い打ちが・・。

 秋口からも、噂されてた72年絶頂期ライブの最高峰「LADIES AND GENTLEMEN」の
 オフィシャル映像化に、(輸入盤デラックス・エディションもあった!)、
 1969~2005年のオリジナル・アルバムのアナログLPをまとめた2種類のボックス・セット
 に、更にはロニー・ウッドの9年ぶりのソロ・アルバムなどと、 
 「一体コレ全部ゲットした超ツワモノはいるんかいなぁ・・?」と思わせるほど、
 怒涛の歴史的アーカイブ・リリースの狂騒的ラッシュが続く中で、
 いよいよ大トリである、キース御大のベスト盤の登場であります!

 それにしても、昨年のビートルズ・リマスター然り、(ついこの間の「赤青」も)
 最近でも、ディランのMONOボックスなんかもそうです。
 過去の歴史的名盤の紙ジャケ化やデラックス仕様での再発など、大変喜ばしいけど、
 いかに“ROCK”を中心としたヴィンテージ復刻市場が、良くも悪くもその本筋とは
 全く別なところで強力な“磁場”となって、マニアのみ惹きつけコントロールしているか。
 CDというソフトでは商売ができなくなってきた現在、“踊らされてる”のはマニアだけ
 なのかなとも思う。

 ただストーンズに限っては、彼らがいまだ現役バリバリであることを考えれば、
 こうした“遺跡発掘”による「ミッシング・リンク」の穴埋め作業っていうのは、
 ファンの娯楽や研究の対象以上に、それこそ本人たちのこの先向かわんとする
 活動指針に多大な影響力をもたらしていることは事実だろう。 

 それだけ今年は“意味がある”と思わせる慎重で丁寧なアーカイヴ・リリースが続いた
 ことは高く評価していいと思う。

 私としては、今年ストーンズについては、春先に書いたっきりで、あれこれと
 モノが言える立場じゃないんですが、今宵はキース御大の話によろしくお付き合いを。

  

 とはいえ、このキースのベスト盤は、コレを書いてる現在発売前です。(11月30日発売)
 が。 聴かなくても内容はわかる。  正直書くと、「今頃なに?」って感じ。
 こんなの10年以上前にリリースしててもいいのに。 でも、めでたしめでたし。
 88年の初ソロ・アルバム「TALK IS CHEAP」、同年の1stソロ・ツアーの模様を収めた
 「LIVE AT THE HOLLYWOOD PALLADIUM, December 15, 1988」(91年発表)に、
 92年の2ndソロ「MAIN OFFENDER」といった3枚のソロ・アルバムから厳選された13曲が、
 何と、初のリマスター音源にて収録される。 (コレも“やっとかよ”って感じ)
 ワイノウズ始動から20余年、今まで全く手つかずで放置されていたキースの作品が、
 初のリマスタリングがされたことを考えると、それだけでもマニアには大変価値の
 あるものになるんじゃないかと思う。 

 ここで、キースのソロのキャリアをフラッシュバックしときましょう。

 86年「DIRTY WORK」発表後、(これも主にキース主導で制作されたアルバムだった)
 ツアーも行われないまま、ミックはさっさと2枚目のソロの準備に入ってしまった。
 ツアーに出たくて仕方がなかったキースは、このミックの勝手な行動に対して、
 「ヤツ(ミック)が、ストーンズ以外でツアーなんかに出たら、喉を掻き切ってやる!」
 と苛立ちながらも、「オレ自身のために“何か”しなくちゃ、気が狂いそうだった」
 と、ストーンズへの絶対的忠誠心と、アーチストとしての活動欲の狭間で複雑な心境
 だったという。

 そのきっかけは、86年1月にロックの殿堂のディナー・パーティに出席したことからだ。
 その年に殿堂入りしたチャック・ベリーを称えるスピーチをキースが任されたり、
 オールスター・バンドのジャム・セッションでもプレイした流れを受けて、
 チャックの60歳の誕生日を祝うライブとドキュメンタリー映画である「ヘイル・ヘイル・
 ロックンロール」の音楽監督も担当することになった。

 当初は、このプロジェクトにドラマーとしてチャーリー・ワッツを誘おうと考えたが、
 チャーリー悲願のジャズ・アルバムの着手も重なって、「俺はお前のドラマーじゃない」
 とあっさり断られる。 そこで、「あの殿堂ライブで叩いてた男、良かったよなぁ」
 と、スティーヴ・ジョーダン(ds、b)の名が浮上してくるのだ。

     

 スティーヴと意気投合したキースは、彼のセッション仲間や交流があった幅広いジャンル
 からメンバーを集め出す。 ドラムも出来るチャーリー・ドレイトン(b)や、
 LA中心に活動していた元RONINでスティーヴィー・ニックスのバックでも有名な
 ワディ・ワクエル(g)に(彼は70年代からロニーのソロでも参加してたりして、
 既に顔なじみだったが)、アーロン・ネヴィルの息子のアイヴァンがキーボードで参加
 して、「X-PENSIVE WINOS(オレたち金のかかる酔いどれ仲間)」と名乗って、
 キースのキャリア初のソロ・アルバムのプランが練り上げられていく。

  「 オレはさ、黒人とツルんでるのが大好きなんだ。
    どのみち、あっちだって同類と思ってるだろうし。
    実際、人生の半分は舞台裏で黒人と付き合ってきたわけだし、
    ストレートに受け入れてもらってる。  理屈なんてないさ。
    白人といるとなんとなくストレスを感じるけど、オレにしちゃ、
    奴らといると、気が休まるんだ。               」

 実際は、87年からレコーディングはスタートしてたが、ミックがソロ・ツアーを開始
 したことで、「もはやこれまで」とばかりに、一気に制作が本格化して、88年に待望の
 ソロ・アルバム「TALK IS CHEAP」を発表。 それは、気の合う仲間たちと有意義な
 セッションの中で、音楽を純粋に愉しめる悦びに溢れた傑作に仕上がった。

       

 基本、変えられない人です。 ストーンズの代替えみたいな音なら予想はついたが、
 決してストーンズのコピーになってなかった。 
 何より、今まではストーンズじゃ1曲か2曲しか聴けなかったキースの曲が、
 アルバム丸ごと聴けるわけです。  これは嬉しかったなぁ。
 1stシングルの“Take It So Hard”のイントロのオープンGのカッティングを聴いて、
 まるで“水を得た魚”みたいに、活き活きとラフでしかもルーズにプレイする姿に、
 “キース様のご帰還なり”と、小躍りしてガッツポーズしてしまった私でした。

 続く“Big Enough”は、メイシオ・パーカー(as)、ブーツィ・コリンズ(b)に、
 バーニー・ウォーレル(key)といったJBズ~Pファンク総家の“親玉”連中を迎えて、
 奥ゆかしきお膳立てもあいまって、極上のファンク・グルーヴでアルバムをスタート。
 当時私しゃ、コレでKOされました。

 パティ・ラベルのヴォーカリストであるサラ・ダッシュとキースのド渋い低音ヴォイスの
 コントラストが素晴らしい、ニュー・ソウル系メンフィス・サウンドを想起させる名曲
 “Make No Mistake”にはゾクゾクされ、ルーズなノリで“動かねぇアイツ”と皮肉った
 “You Don't Move Me”に、キースらしいリフが煽動する“Struggle”がここでは
 選曲されてる。  しかし、このアルバムからなら、どれを選んでも問題なし。
 (後半にメロディが美しすぎるメランコリックな“Locked Away”を持ってくるとこは
  心憎い演出だなぁ)

 ベストの中盤には、「TALK IS CHEAP」リリース後に行なった13ヵ所の中規模全米ツアー
 から、88年12月15日のL.A.のハリウッド・パラディアムでのギグを収録したライヴ盤から
 4曲が収録。 しかも全部ストーンズでやったカバーとオリジナル曲を選んでる。

         

 思えば、このライブ盤のオフィシャル発表は、やや唐突な印象を受けたんだけど、
 同公演から3年が経過しようとしていた1991年に、同音源の大量のブートレグ流出の
 事実を偶然知ったワイノウズのメンバーが、「オフィシャル化を検討したほうがいいぞ」
 と発案したことにより、急遽その年の暮れに公式リリースに踏み切られた経緯がある。

 初めてのソロ・ツアーということで、この時期は何しろキースをはじめワイノウズ全員
 (担当楽器を持ち替えたりも)のモチベーション、テンションが異常に高くて、
 ショウ自体の素晴らしさはもとより、セットリストにおいてもマニアならば“勃起”モノ
 のスペシャルなステージが用意されていたことは御承知の通り。
 今回収録されているお馴染み“Happy”や本格ストーンズ・レゲエ“Too Rude”に、
 サラが復唱した、まさかの“Time Is On My Side”に、マニアを狂喜させたキース最古の
 リード・ヴォーカル曲“Connection”まで披露。 コレは想定外のサプライズだった。

 アルバムには未収録だったが、“Before They Make Me Run”、“Little T&A”もセット
 されてて、おまけにこの日はビートルズに提供した“I Wanna Be Your Man”までも、
 飛び出すはじけっぷり。 キース御満悦。 そぞかし楽しかったことでしょう。

    

  「 ストーンズじゃ、オレがプレイを止めたら全ての音が止まっちまう。
    けど、ワイノウズの連中は、オレにけしかけるのさ。
    「ちゃんとしろよ、キース!」ってさ。   ・・・。
    でも、たまにはいいもんだぜ。 尻に蹴りをいれられるのも。    」    

 そんな充実した音楽三昧のツアーを経て、リフレッシュしたキースは、ミックと和解。
 89年いよいよストーンズ本隊が再始動。 ハイテンションのままレコーディングに突入。
 劇的集中力によって短期間で「STEEL WHEELS」を完成させて発表。 初来日を含んだ
 大規模なワールド・ツアーも展開して、大大成功を収めたのは御承知の通り。

 そんな多忙を極める中においてもキースは、暇を見つけてはジョーダンやドレイトンらと
 フラリとスタジオに入ったり、バーニー・ウォーレルのレコーディング・セッションなど
 に顔を出したりしていたという。“生家”であるストーンズとしての活動が活発化するのに
 比例して、“第2の故郷”であるワイノウズを想う気持ちはますます強くなっていき、
 バンドとしての絆がさらに強まる気配をみせた時期だった。

 ストーンズが欧州での「アーバン・ジャングル・ツアー」の千秋楽を迎えた90年8月25日
 以降も、束の間のオフに入ったメンバーを尻目に、キースはワイノウズらと“ツルみ”ながら
 、ジョン・リー・フッカーやジョニー・ジョンスンのレコーディング・セッションなどに
 参加しながら(“Key To The Highway”のカヴァーはここが初出)またしても
 音楽三昧の日々を送っていた。

        

 よりソリッドで結束力が強固となったワイノウズのグルーヴは、キース+ジョーダンに
 ワディが半数以上の曲でプロデュースに加わった形で発揮され、92年の2ndアルバム
 「MAIN OFFENDER(主犯)」を発表。 前作のような派手なゲスト陣の参加はないものの、
 あくまでバンド・グルーヴを重視しただけの音で勝負したといえる1枚。
 思わず唸らされるキース節がワイノウズの生み出す音のウネリに乗りながら疾駆し、
 闊歩し、遊泳し、潜水する。 変幻自在のキース節は、ただの“ワル”乗りじゃないのだ。

 ここでは3曲がエントリーされてるが、いかにもキースらしい”間”の連続にいつしか
 顔が綻んでしまう。 来たるストーンズの“Love Is Strong”のプロトタイプ(原型)
 となった“Wicked As It Seems”に、ジョーダンの抜けのよいスネアとキースのリフの
 コンビネーションがこの時点で確固たる世界を作り出したと言える“Eileen”、
 サザン・ソウル風味のミディアム・バラード“Hate It When Love Leave”をセレクト。

 そして、ベスト盤の企画によくある新曲がプラスされることは残念ながらないけれど、
 その代わりにセットされたボーナス・トラックが目玉商品。
 2005年当時、赤十字に「ハリケーン・カトリーナのための災害救助金」を寄付した人
 だけが、ストーンズのコンサート会場でフリーCDにて入手できた“Hurricane”だ。
 ギターを爪弾きながら、ディラン風に一語一語を噛み締めながら歌うキースと、
 ロニーのスライドのみによる温かくフォーキーなバラード。 1分半ほどの楽曲だが、
 万感の思いを込めたキース版“Heart Of Gold”的歌詞に胸を締めつけられてしまう。

 また長ったらしく書き込んでしまった・・。  何ぬかしてんだろ。

 現在のところ、このベスト盤はキースの自主レーベルであるMindless Recordsからの
 輸入盤リリースのみになる。 なんで、日本盤の発売は未定だが、機会があればゲット
 していただきたいブツだ。

    

 「 ギターってのは、積荷を運ぶ牛や馬みたいなものさ(Beast Of Burden)。」

 つまり弾くために飼われている家畜(モノ)であると言い切る。
 ギターなんぞ使ってナンボ、弾いてナンボ。  所詮、プレイしてこそ宝。
 いいギターってのは、丁寧に奏でれば名器になる。 コレクションなんかクソだ。
 いかに可愛がるか、どう使いこなすかが、大事なんだと。
 人それぞれだけど、これは、キースなりのギターに対する愛情表現なのだろう。

 ハード・ロックの爆音とスピーディーでメロディアスなリフこそ、ギター・サウンドの
 最大の魅力なんだと、感化しまくっていた若いころの私だったが、
 黒人音楽に触れて、“ロックン・ロール”の魅力に引き込まれてしまってからは、
 ストーンズでの独特なフィーリングとタッチでリフを決めまくるキースのギターに
 対するプレイ・スタイルに感化され、いまだに憧れのままだ。

 「ロックン・ロールって、ギターを弾きまくらない方がカッコいいんだ。」
 キースは、そう教えてくれた。

 エラそうにガタガタとぬかしてしまいました。 
 男は黙って、背中で語れってか。    私にゃ、ムリですわ・・。

2010/11/14 Sun. 20:53 [edit]

Category: ローリング・ストーンズ

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このヒップな味わいがたまらないんだろ? 

       BLACK AND BLUE    THE ROLLING STONES

            

               Hot Stuff
               Hand Of Fate
               Cherry Oh Baby
               Memory Motel
               Hey, Negrita
               Melody
               Fool To Cry
               Crazy Mama

 おかしい。  どうも、おかしい。  どうかしてるぜ、今年の春。
 最近になって、ようやく春めいてきたかなと思うけど、
 少し前は、ポカポカと思えば、次の日にゃ、冬へ逆戻り。  
 こういう、クレイジーな春には、ストーンズが似合う。

 強引かなぁ・・。  久々にストーンズ書きます。
 世間のマニアは、完全に「ならず者」モードに入って、熱が入りまくってるでしょうが、
 ひねくれ者の私は、あえて、その熱をグッと抑えて参ります。
 私にとって、「ストーンズに春」と言ったら、コレ。  
 今宵は、ストーンズ史上最も都会的でクールなんだけど、とてつもなくドス黒い。
 「BLACK AND BLUE」の巻です。 よろしくお付き合いを。

 ストーンズの歴史上、黄金期を縁の下で支えたミック・テイラーが突然脱退した74年。
 (彼は、このセッションに呼ばれていたにも関わらず、電話での誘いを受けて、
  ジャック・ブルースとのバンドを選んで、そのままストーンズを辞めてしまう)
 リード・ギタリスト不在。 いわばピンチの時期。 そんな状況下で制作される。
 キース曰く「いろんな奴ら(ギタリスト)を試しながら、レコーディングした」と
 本音をもらしたように、セッションには、ジャンルや国籍を超えて、凄腕のギタリスト
 達が名を連ねる。 ジェフ・ベック、ロリー・ギャラガー、ピーター・フランプトン、
 などなど・・、その「グレイト・ギタリスト・ハント」と呼ばれた“狩り”の真っ最中。
 その座を射止めたのは、フェイセズのギタリストだったロン・ウッドだった。

     

 キースとロニーは、まるで双子みたいなギタリストだ。  そっくりさん同志。
 顔じゃありません。  同じスタイルなんです。  プレイスタイルが。
 普通バンドに複数のギタリストがいれば、それぞれ異なるタッチ、個性があって当然。
 (そのコンビネーションの違いが、バンド・グルーヴの生命線にもなるんだけど)
 でもキースとロニーは、ほんと良く似てる。 ルーズさもピッキングも。 性格まで。
 なんと「コレ、俺が弾いてるんだっけ?」と、キース本人でも迷うことがあるほど。
 クソ真面目でメロディアスかつブルージーなテクニシャンだったミック・テイラーに、
 リードを任せていた時とは、全然違う。 

 対照的な性格のギタリストが互いに補いあって混ざり合うグルーヴの小宇宙から、
 気の合うギタリスト同志が織り成すルーズかつラフでワイルドなグルーヴへ。
 
 “南部絵巻”だった「ならず者」の、グチャグチャにした音の密度が異常に濃くて、
 ドロっとした混血性から、コレは音は隙間だらけでスッカスカながら、都会的で
 洗練された、サラサラな混血性へ。

 「ならず者」から3年。  こんなに変わってしまうんです。

 「BLACK AND BLUE」。  「黒人音楽と青い目の白人」ってことか。
 (殴られるとできる“青タン(青アザ)”のスラングの意味もあってか、
  こんなポスターでプロモーションしてたことがあったみたいだけど。 
  いいのかなぁ、コレ・・。
  ここでの画像アップは自粛しますが、興味ある男性の方はどうぞ。)

 しかし、どれもイントロがいい。  全部いい。 どれもカッコいい。
 それだけでノック・アウト。 全8曲41分。 鋼のようなテンションと完成度だ。
 (このセッションではボツになったけど、“Slave”と“Worried About You”は、
  後に「TATTOO YOU」で大胆に加工されて収録される)

    

 まずノッケから、“Hot Stuff”の強靭なピッキングから弾き出されるイントロからして、
 「おおっ、これだぜ」てな具合に体が反応してしまう。
 このキースのグルーヴ・リフとビリー・プレストンのピアノの絶妙なアンサンブル。 
 (キャンド・ヒートのハーヴィー・マンデルが、ここじゃリード・ギタリスト)
 JBともスライともPファンクとも違う。 ストーンズ・ファンクの真髄がこれだ。 
 それにしても何という消化力なんだろう。
 あらゆるタイプの音楽を、あたかも自分達のものとしてすぐに取り込んでしまえる。 
 まるで若者のエキスを吸い取るかのような、貪欲なその手腕、能力こそが、
 “妖怪ストーンズ”の長寿の秘訣なワケです。

 このアルバムで、シンセにオルガン、そしてバック・コーラスと縦横無尽に活躍する
 ビリー・プレストンは、ゲストどころか、ここでは“6番目のストーンズ”。 
 曲へのインスピレーションどころか、クレジット以上の貢献、働きだ。

 あまり注目されてない“Hand Of Fate”も、なかなかの曲。
 キースお得意の5弦オープンGのチューニングがひずんだ音でリズムを刻み始め、
 遅れてチャーリーとビルの何とも重いリズムセクションが入る。
 叫ぶようなミックのヴォーカルがかぶさってくると、その時のストーンズにしかない
 モノクロームの世界が広がる。
 ミックが唾を吐きかけそうにシャウトし、無名のセッション・ギタリスト、
 ウエイン・パーキンスのエモーショナルなリードギターが強烈なエネルギーを励起する。

 そして、ストーンズが本格的にレゲエに挑戦する“Cherry Oh Baby”だ。
 前々作「山羊の頭のスープ」が、初のジャマイカ録音だったにも関わらず、
 アルバムには、レゲエの要素は、ほとんど反映されなかったが、
 (多くのミュージシャンと交流するも、ただドラッグがやりたかっただけじゃないの?)
 エリック・ドナルドソンのオリジナルを、ストーンズ風“亜流レゲエ”に料理する。
 1拍目を抜いたベース・ラインに、3拍目にアクセントをつける“ワン・ドロップ”で
 空間の多いドラミング。 それに、チープなオルガンをプラスするという、
 “いかにもレゲエ”。 努力賞もの。 そんなにレゲエに詳しいわけではないけど、
 この“素人くささ”がいいんですよ。 
 
 でも、ロニーのインスパイアから生まれた“Hey, Negrita”の、絡みつくような粘っこい
 ビートは、ヘヴィー・ファンクを彷彿させるが、実はリズム・パターンはレゲエ。
 ストーンズって、いつも刺激的で、猥褻で、危険な香りがプンプンしてるんだ。

 ただ、この強烈なグルーヴの間には、あまりに美しく切ない“Memory Motel”がいる。
 ミックのピアノの旋律に、寄り添うようにキースのエレピが入ってきて、
 プレストンのストリング・シンセで装飾する、まるでボビー・ウーマックみたいに
 ソウルフルで、あまりに哀愁がただよう、ストーンズ流“ブルー・アイド・ソウル”
 の珠玉の美曲だ。 

 この時期は、アーバン・サウンドやシティ・ロック(AOR)が台頭し始めた時期。 
 ストーンズは“流行りもの好き”。(特にミックだけど)  すぐに影響受けちゃう。
 このアルバムが、刺激的なビート・アルバムにならず、都会的で洗練された空気感で
 覆われているのは、そんな“流行りもの”をストーンズ風に取り入れた証拠。
 “Memory Motel”から、ミックのファルセットが印象的な名バラード“Fool To Cry”に、
 “Melody”では、シャッフルっぽい、“なんちゃってジャズ”をやってるくらいだ。

 しかし最後は、ロニーが解散させたばかりのフェイセズみたいなヘヴィー・ミディアム
 “Crazy Mama”で、ビシッと決めてくれるとこなんて、さすがです。
 
   

 でもさ・・。
 ロックン・ロールしてないストーンズなんて。 ブルースしてないストーンズなんて。

 初めは、そう思った。  でも、黒い。  瞳は青いが、中身は真っ黒。
 とてつもなく、ドス黒い。 独特のコクがあるんだけど、洗練されてるんだ。 
 このヒップな味わいがたまらなくいい。 こんなディープなストーンズも格別だ。

 聞き込むほどに惹かれていく、不思議な魅力を持つ。
 なんか春のうららかな時にドライヴしながら、よく聴いてるのがコレだったりする。

2010/04/20 Tue. 23:32 [edit]

Category: ローリング・ストーンズ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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顔に艶あり、音はクリアなり。 

       TATTOO YOU       THE ROLLING STONES

              
                     
                Start Me Up
                Hang Fire
                Slave
                Little T&A
                Black Limousine
                Neighbours
                Worried About You
                Tops
                Heaven
                No Use In Crying
                Waiting On A Friend

 ビートルズのリマスターのネタで引っ張りすぎてしまいましたが、
 ほぼ同時期に、ストーンズのストーンズ・レーベル(あのベロマークね)も、
 デジタル・リマスターされるニュースがあった。

 この手の再発やリマスターのニュースには敏感な方なんだけど、
 昨年7月に、ストーンズ・レーベルのユニバーサル・ミュージックへの移籍が
 発表されてたんで、そのうちこうなるんだろうなぁとは思ってたし、
 重なってしまったってのもあったけど、ビートルズで小躍りしてしまった割には、
 このストーンズの方は「ふ~ん」くらいで、受け流してしまった。
  (ボーナス・トラックとか、なーんもなかったし・・。どうせなら、おまけで、
   プロモ・クリップ付けるとか。 「ビデオREWIND」も廃盤になって随分経つし。)

 ストーンズってのは、ベロ・レーベルからは、ほんとにレコード会社が変わってきた。
 始めは日本発売元でワーナー・パイオニア、そして、東芝EMIから、CBSソニー。 
 そしてVIRGINに行って(東芝EMI)、今度はユニバーサルへと移籍。
 ただ、ユニバーサルに来たということは、アブコ時代と同じ会社へ移ったんで、
 オールタイムで配給元が統一されることになるんで、これはいいことだ。

 しかし、「またなの。」っていうか・・。
 ストーンズのリマスターっていえば、2002年のアブコ(DECCA/LONDON)時代の、
 デジタル・リマスターの飛躍的音質向上は、目に見張るものがあったけど、
 ストーンズ・レーベルがVIRGINに1993年移籍した際の、ボブ・ラドウィッグによる、
 リマスター音源の出来が非常にいいんで、またやる必要があるのかなと。
  (「FORTY LICKS」の際にも、そのままこのマスターを使ったくらいなんで、
   ストーンズのメンバーも満足していることなんだと思ってた。
   てことは、「FORTY LICKS」って廃盤になるの?)

 とかなんとか言っても、押さえるとは思うんですが・・。

 新リマスターになって、まず聴いてみたいと思うのは81年のこの傑作だ。
 しかし、ご承知の通り、このアルバムは、ツアーを決行するため、やっつけ作業で、
 過去にボツにした曲を洗い直して、寄せ集めたリサイクル・アルバムだ。
 とはいえ、どの曲もクォリティが高くて、とても捨てられてた曲とは思えない。

 この“再生工場”を請け負ったのは、「GOATS HEAD SOUP」あたりまで遡り、
 過去のマテリアルの発掘を担当した、エンジニアのクリス・キムゼイと、
 曲を大胆に加工、ミックスを担当したボブ・クリアマウンテンの二人だ。
 特に、ボブ。 スゲぇよ、あんた。 やっぱ只者じゃないね。
   
 ここでも、“ストーンズA面1曲目至上主義”全開で、キースのオープンGで点火!
 “Start Me Up”のこの“間”と言うか、タメの効いた不思議なウネりは何なんだ。
 上手いよなぁ~。 この曲で決まったも同然。 ノックアウト。 お陀仏です。
  (この曲はライブの定番で、やらない日はないくらいだけど、景気づけの曲だし、
   ライブではテンポアップさせてるが、このグルーブ感は出し切れていない。
   私は、このスタジオ・テイクを超えるものはないと思ってる。)

 まるでチアダンサーが踊って出てきそうなポップな“Hang Fire”から、
 スネアとパーカッションを強調させ、ギターとベースがユニゾンで引っ張っていく
 アレンジが面白い“Slave”、(長いサックス・ソロはボビー・キーズ(?))
 キースの小粋なロックン・ロール、 ミックのハープが渋いアップ・ブルースに、
 “Neighbours”ではチャーリーのハイハットとシンバルを消してしまう荒技をし、
 スネアにエフェクトを掛けて歪ませて、曲をグイグイ推進させる。
 アナログでいうA面は、アップ&ロールっていうか、ドライヴィン・サイド。
 聴き始めだったガキの頃は、このA面ばっか繰り返して聴いてたが、
 あっという間に走りすぎちゃう。

 でも聴き込んでくるうちに、B面からのスロー・サイドにはまりこんでしまい、
 このサイドは、ほぼ全曲ミックのファルセット・ヴォーカルが堪能できる。 
 “Worried About You”の「♪ベィべェ~」や“Tops”の「♪カモ~ン」のとこや、
 “Waiting On A Friend”のスキャット・コーラスなんか、
  (巨匠ソニー・ロリンズのテナー・ソロとラストの絡みなんて絶妙なんだ、コレ。
   でもよくこのロック小僧達のレコーディングに参加したもんです。
   「女にゃ用はない。 俺はただ友達を待ってるんだ。」 男はこれで泣け。)
 なんて官能的なんだろう。
   
 しかし、どうも最近のストーンズのジャケは、グッとくるものがない。 ダメだ。
 (「SHINE A LIGHT」は、久々にセンスあって、激シブな出来だったけど)
   
 一度見たら、忘れんもん。 このジャケ。
 これぞ男の色気ってもんなのかなぁ。
                     

2009/05/09 Sat. 09:44 [edit]

Category: ローリング・ストーンズ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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