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美貌は危険への入り口。 

            THE DREAMING       KATE BUSH

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        Sat In Your Rap (サット・イン・ユア・ラップ)
        There Goes A Tenner (10ポンド紙幣が一枚)
        Pull Out The Pin (ピンを引き抜け)
        Suspended In Gaffa (ガッファにて)
        Leave It Open (リーブ・イット・オープン)
        Dreaming (ドリーミング)
        Night Of The Swallow (夜舞うつばめ)
        All The Love (オール・ザ・ラヴ)
        Houdini (ハウディニ)
        Get Out Of My House (狂気の館)
       
 コワいジャケです。  目がイっちゃってる。
 瞳孔が開ききってるし、焦点も合ってない。
 一体、ドコ見てんでしょ。
 でも、ほとんど、ジャケ買いでした。
 コワイもの見たさというか、引き込まれる魅力というか・・。
 
 彼女の幻想的で神秘的なイメージを、雰囲気では知ってたものの、
 針を落として、まぁ、ビックリしたもんです。
 当時の私では、到底、理解不能。
 感性を研ぎ澄ましすぎると、マジでヤバくなってしまうのかな。

 ボーカルの表現力において、ここまで偏執にこだわった作品はないと思う。
 24トラックの卓を×3にシンクロさせて、72トラック録音。
 そのうち、彼女のボーカルのみに、36トラック使用したとのこと。
 
 それは、赤ちゃんの声から、老婆に至り、
 時には囁くように、時に悲鳴の如くヒステリックに、
 驚異のリズム感と交差しあい、
 フェアライトによるサンプリングで、効果音や男性の声まで
 織り交ぜながら、 メインからコーラスまで、
 “異常”な世界へ引きずり込む。

 オープニングの“Sat In Your Rap”からキレまくり、
 ベトナム兵士の壮絶なドキュメンタリー“ピンを引き抜け”へと
 まるで、情念、怨念まる出しのようなコワーい曲が、
 次から次へと展開される。
 ケルト風な“夜舞うつばめ”、“All The Love”あたり、
 ホッと、リラックスできるけど、
 ラストの“狂気の館”は、あのスティーヴン・キングの
 「シャイニング」にインスパイアされたというオゾマしい曲。
 まるで、斧を持ったジャック・ニコルソンに追っかけられてる錯覚に。 
 お~コワ。
  
 でも、ここでやれること、実験すべきこと、すべてやったのかな。
 次作「HOUNDS OF LOVE」や「THE SENSUAL WORLD」
 やたら豪華ゲストいっぱいの「THE RED SHOES」へと、
 分かりやすくて、優しくなっていくもんな。
 いい意味で、POPになっていくからね。
 
 そんな彼女も、一人の息子の母となって、なんと12年振りに
 新作を発表してくれました。
 二枚組の大作とのことで、じっくり構えねば。

 ポップ・ミュージックでは、特に女性のキレイドコは、
 中味関係なく受け入れてしまう(私もそのクチですけど・・)
 場合が多いと思うけど、
 このアルバムで、そんな奴らは、きっとエライ目に合いますぞ。
  
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2005/10/27 Thu. 16:11 [edit]

Category: 80年代ROCK、POPS

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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