デザイン仕掛けの擬似ビートルズ。
CLOUD NINE
GEORGE HARRISON

Cloud Nine (クラウド・ナイン)
That's What It Takes (ザッツ・ホワット・イット・テイクス)
Fish On The Sand (フィッシュ・オン・ザ・サンド)
Just For Today (ジャスト・フォー・トゥディ)
This Is Love (ディス・イズ・ラヴ)
When We Was FAB (FAB)
Devil's Radio (デヴィルズ・レィディオ)
Someplace Else (サムプレイス・エルス)
Wreck Of The Hesperus (金星の崩壊)
Breath Away From Heaven (ブレス・アウェイ・フロム・ヘヴン)
Got My Mind Set On You (セット・オン・ユー)
命日の今日は、「ALL THINGS MUST PASS」を書くべきなんだろうなぁ・・。
ジョージの象徴的アルバムであるし、70年代を代表するロックの名盤でもあるし。
しかし、私が最も聴いたジョージのアルバムといえば、
圧倒的に、この「クラウド・ナイン」なのだ。
(「ALL THINGS MUST PASS」も、とても深い思い入れがあるんで、必ず書きます)
なんでか? 単純に、ジョージで一番ビートルズっぽかったから。
要は、ビートルズが大好きなんですよ、私。
あれだけ、“脱ビートルズ”を望んで「ALL THINGS MUST PASS」でいち早く、
それを成し遂げた彼が、初期のビートルズを意識したような、
アルバムを出してくれたことが嬉しかったのだ。
(あの当時のポールは、大スランプ状態だったんで、手放しで歓迎したものです)
「ジョージのアルバムをジェフ・リンがプロデュースする」って、ニュースを聞いて、
「えっ!? ジョージとELOが合体?」
水と油というか、全く相反した肌触りにピンとこなかったのです。
ところが、見事にスパーク! これこそ化学反応です。
これが、ハマりにハマった。
ジェフの創り出すメリハリとキックフックの効いた音像と、
ジョージの自然体とがピタリとハマったのだ。
それは、彼の弱点でもあるボーカルの線の細さをカバーするばかりか、
逆に、コントラストを際立たせる効果を発揮したのだ。
ジェフ・リンのプロデュースの特色は、
ズバリ。 “空間の創り方と音の歪み”だ。
ギター・カッティングを荒めにして、スネアの音にも圧力を加えた
リズム・パターンを基本に、エコーで意匠した箱庭的空間の中に、
音全体を密閉させてしまう感じ。
だから、音が“ぬけず”に、歪んで聴こえるのだ。
ある意味、自分の音像の中に、そのアーチストを詰め込んでしまう
やり方は、フィル・スペクターと同じなのだ。
キーワードは、“ロックンローラーとしての復活”。
(ジェフも、もともとロックンロール志向の強いアーチストなだけに)
大のビートルズ・フリークのジェフは、ポールにも、ジョンにもなって、
ジョージを引き立てたし、クラプトンやリンゴ、エルトン・ジョンなど、
気の知れてる友達も集まってくれて、
さぞかしレコーディングも楽しかったんでしょうな。
ジム・ケルトナーの力強いドラムが印象的なルディ・クラーク作の
カバー曲“セット・オン・ユー”を、一枚目のシングルにするところなんか、
前向きな姿勢とやる気マンマンの証だし、
それと、擬似ビートルズそのまんまの、“FAB”を、オマージュと、
パロディのすれすれの線で笑い飛ばせるだけの気持ちにまで、
なれたってことなのかな。
しかし、言っちゃ悪いけど、 やっぱ、ジョージは第三の男。
控えめで、脇役がよく似合います。
そんな彼は、強力なリーダーが近くにいてこそ、キラリと光る。
ジョンとポール。 そして、ジョージ・マーティン。
ソロになって、フィル・スペクターと、
彼の名曲、名盤には、必ず信頼しうるリーダーがいた。
ジェフ・リンは、最後の信頼しうるリーダーだったんでしょう。
ポールを押し切ってまで、“ビートルズ”の仕事を任せたくらいですからね。
今年も、弔いの曲は、“Free As A Bird”にするつもりです。
それは、ジョージの数あるスライドの名演の中でも、最も力強く、
悲しいスライド・ソロであると思うから。
いつまでも、私の心にむせび泣きます。

Cloud Nine (クラウド・ナイン)
That's What It Takes (ザッツ・ホワット・イット・テイクス)
Fish On The Sand (フィッシュ・オン・ザ・サンド)
Just For Today (ジャスト・フォー・トゥディ)
This Is Love (ディス・イズ・ラヴ)
When We Was FAB (FAB)
Devil's Radio (デヴィルズ・レィディオ)
Someplace Else (サムプレイス・エルス)
Wreck Of The Hesperus (金星の崩壊)
Breath Away From Heaven (ブレス・アウェイ・フロム・ヘヴン)
Got My Mind Set On You (セット・オン・ユー)
命日の今日は、「ALL THINGS MUST PASS」を書くべきなんだろうなぁ・・。
ジョージの象徴的アルバムであるし、70年代を代表するロックの名盤でもあるし。
しかし、私が最も聴いたジョージのアルバムといえば、
圧倒的に、この「クラウド・ナイン」なのだ。
(「ALL THINGS MUST PASS」も、とても深い思い入れがあるんで、必ず書きます)
なんでか? 単純に、ジョージで一番ビートルズっぽかったから。
要は、ビートルズが大好きなんですよ、私。
あれだけ、“脱ビートルズ”を望んで「ALL THINGS MUST PASS」でいち早く、
それを成し遂げた彼が、初期のビートルズを意識したような、
アルバムを出してくれたことが嬉しかったのだ。
(あの当時のポールは、大スランプ状態だったんで、手放しで歓迎したものです)
「ジョージのアルバムをジェフ・リンがプロデュースする」って、ニュースを聞いて、
「えっ!? ジョージとELOが合体?」
水と油というか、全く相反した肌触りにピンとこなかったのです。
ところが、見事にスパーク! これこそ化学反応です。
これが、ハマりにハマった。
ジェフの創り出すメリハリとキックフックの効いた音像と、
ジョージの自然体とがピタリとハマったのだ。
それは、彼の弱点でもあるボーカルの線の細さをカバーするばかりか、
逆に、コントラストを際立たせる効果を発揮したのだ。
ジェフ・リンのプロデュースの特色は、
ズバリ。 “空間の創り方と音の歪み”だ。
ギター・カッティングを荒めにして、スネアの音にも圧力を加えた
リズム・パターンを基本に、エコーで意匠した箱庭的空間の中に、
音全体を密閉させてしまう感じ。
だから、音が“ぬけず”に、歪んで聴こえるのだ。
ある意味、自分の音像の中に、そのアーチストを詰め込んでしまう
やり方は、フィル・スペクターと同じなのだ。
キーワードは、“ロックンローラーとしての復活”。
(ジェフも、もともとロックンロール志向の強いアーチストなだけに)
大のビートルズ・フリークのジェフは、ポールにも、ジョンにもなって、
ジョージを引き立てたし、クラプトンやリンゴ、エルトン・ジョンなど、
気の知れてる友達も集まってくれて、
さぞかしレコーディングも楽しかったんでしょうな。
ジム・ケルトナーの力強いドラムが印象的なルディ・クラーク作の
カバー曲“セット・オン・ユー”を、一枚目のシングルにするところなんか、
前向きな姿勢とやる気マンマンの証だし、
それと、擬似ビートルズそのまんまの、“FAB”を、オマージュと、
パロディのすれすれの線で笑い飛ばせるだけの気持ちにまで、
なれたってことなのかな。
しかし、言っちゃ悪いけど、 やっぱ、ジョージは第三の男。
控えめで、脇役がよく似合います。
そんな彼は、強力なリーダーが近くにいてこそ、キラリと光る。
ジョンとポール。 そして、ジョージ・マーティン。
ソロになって、フィル・スペクターと、
彼の名曲、名盤には、必ず信頼しうるリーダーがいた。
ジェフ・リンは、最後の信頼しうるリーダーだったんでしょう。
ポールを押し切ってまで、“ビートルズ”の仕事を任せたくらいですからね。
今年も、弔いの曲は、“Free As A Bird”にするつもりです。
それは、ジョージの数あるスライドの名演の中でも、最も力強く、
悲しいスライド・ソロであると思うから。
いつまでも、私の心にむせび泣きます。