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土に撒かれた起死回生の花。 

       FLOWERS IN THE DIRT     PAUL McCARTNEY

                     amazonへ

                    My Brave Face
                    Rough Ride
                    You Want Her Too
                    Distractions
                    We Got Married
                    Put It There
                    Figure Of Eight
                    This One
                    Don't Be Careless Love
                    That Day Is Done
                    How Many People
                    Motor Of Love 

 今宵は、久し振りにポールのネタでお付き合いを。

 なんか、ポールがあのスタバが新しく設立するレーベルと契約して、
 過去の作品も含めて、今年発売予定の新作も発売されるというニュース。
 なんかヤダ。 
 コーヒーのメニューと一緒に、ポールのアルバムが店頭に並べられるのかなぁ。
 ますますヤダ。
 前作「CHAOS ~ BACKYARD」と、昨年のビートルズの「LOVE」に対する、
 EMIのプローモーションを含めた仕事のやり方に不満を持ったみたいだけど。
 なんか寂しいなぁ。 
 ポールには、あの“Parlophone”レーベルの称号が一番相応しいと思うんだけど、
 これはどうなるの。 まぁ、EMIを離れるのなら、なくなるんだろうなぁ。
 でも、ポールが決めたことなんだし、 仕方ないんだけど・・。

 さてあなたなら、 ポールのアルバムを3枚選んでと聞かれたらどれにします?

 私としては、デビュー作と「RAM」は、もう永遠不滅の作品なんで、
 あと一枚を何にするかなんだけど・・・。 (たぶんこの意見の人多いかも)
 ウィングス時代の最高傑作「BAND ON THE RUN」も素晴らしい出来だったし、
 ジョンの死後、自らの音楽に真摯に向き合い、S.ワンダーとの出会いも功を奏し、
 ジョージ・マーティンと再び取り組んだ会心作「TUG OF WAR」も捨てがたいし、
 近作としては、アンソロジー・プロジェクトで信頼を勝ち得たジェフ・リンの力も得て、
 完成した“枯れた名作”「FLAMING PIE」も悪くない。
 でも、“生まれるべくして生まれた”、’89年のこの奇跡の大傑作を迷わず選ぶ。

 前にも書いたけど、ポールという20世紀が生んだ奇蹟のメロディーメイカーは、
 過去に珠玉の名曲を数多く生み出してきたんだけど、その人間性もあってか、
 波もあって、時には目も当てられない駄作も作ってしまう。
 (それも、なんか人間臭くて、憎めないんだよなぁ・・。)
 だから、“良い曲”がどれだけそのアルバムに詰められたかで、
 ポール本人も含め、評価されてきたと思う。

 「RAM」は、ほぼ捨て曲なし。 ビートルズ以降の彼の音楽スタイルの、
 プロトタイプともいえる基本の曲群で固められている。
 逆に「McCARYNEY」は、どうでもいい曲が散りばめられている中でも、
 その穴を埋めて余る珠玉の名曲3曲がその存在感を決定づけている。
 そして、この奇跡の大傑作「FLOWERS IN THE DIRT」は、
 エルヴィス・コステロとの“化学反応”の凄まじさが顕著だけども、
 ポール単独の作品も、甘さ控えめで、レヴェルの高い曲がズラリと並び、
 複数のプロデューサーを使い分けるも、バラつきがなく統一感があるのは、
 とにもかくにも、すべて“良い曲”で埋め尽くされているからだ。

 ポールにとって、80年代は不遇の時代だと世には言われているけれど、
 私は、“ビートルズへの回帰”のための試行錯誤の時代だと思ってる。
 やっぱ、この人には真のパートナーがいないとダメ。
 キチンとモノが言える人がいないと。 ジョンみたいな。
 そんな意味でも、エルヴィス・コステロとの出会いは本当に大きかった。
 (おまけに、2人ともリヴァプール出身だし)
 互いに顔を突き合わせて、意見しアイデアを出し合い、そして笑い、
 又は衝突したり、そして盗んだりと。
 このセッションで生まれた11曲は(その内4曲がこのアルバムに)、
 その後の2人のアルバムにそれぞれ収められることになるけど、
 “仮想ジョン・レノン”という言葉は、コステロには失礼なくらいに、
 ポールに刺激を与えてくれたことが、この大成功に繋がった。

 復調の兆しを感じたのは、87年のシングル“Once Upon A Long Ago”の、
 B面になった“Back Of My Feet”を聴いた時だった。 
 コステロとの共作が初めて世にお披露目した曲でもある。
 おまけに、なんとプロデュースはあのビリーを手掛けたフィル・ラモーン。
 “Once Upon A Long Ago”なんかベストに入れないで、
 こっちをベストに入れるかA面にしたら良かったのにと思うくらいに、
 躍動感いっぱいの元気が出てくるような良い曲だった。
 (現在は、このアルバムのボーナストラックで聴けますぞ)

 第1弾シングルの「マァ~ブレ~・マァ~ブレ~♪」のかけ声一発、
 コステロに進言されて再び握ったヘフナーのベースがグイグイ引っ張る、
 “My Brave Face”を聴くたび、曲展開もアレンジもだけど、
 ミドルエイトでのマイナー進行の部分なんか、「これビートルズじゃん」と、
 思わずニンマリしてしまうし、(おまけにギターもリッケンバッカーだ)
 “You Want Her Too”なんて、コステロとの立位型ヴォーカルなんて、
 まるで現代版“She's Leaving Home”みたいだし、
 (最後にビッグバンド風で終わるとこなんて、もろコステロのアイデアだろうなぁ)
 “Don't Be Careless Love”みたいな屈折ポップやニッキー・ホプキンスが、
 ピアノで参加した“That Day Is Done”のクラウディな雰囲気など、
 化学反応の凄まじさを感じさせられる。
  
 ポール主導で共同プロデュースしたトレヴァー・ホーンやミッチェル・フルーム、
 デヴィッド・フォスターらを曲ごとにうまく使い分けたことも成功。
 特に、うまくまとめたエンジニアのニール・ドフツマンの技量は大きい。
 (フォスターとやった“We Got Maried”は素晴らしい出来。
  スパニッシュ風からシンセ展開、そして、デイヴ・ギルモアのギターが、
  曲全体の空間を覆う構成なんか見事。)

 そして何といっても、ポールにとって一番大きかったことは、
 ロビン・マッキントッシュ(g)やヘイミッシュ・ステュアート(g、b、vo)らといった、
 信頼できるバック・メンバーと出会えたことだと思う。
 このワールド・ツアーの大成功(やっと、初来日公演も)は当然だった。
 (第3弾シングルの“Figure Of Eight”は、トレヴァー・ホーンとやった、
  やや無機質なアレンジよりも、このバックらと録り直して、
  ボブ・クリアマウンテンがリミックスを手掛けた、
  シングル・ヴァージョンの方が、数倍カッコイイ。)
 
 なんか全曲解説みたいになってきてしまったんだけど、
 こういった様々な要素がプラスとなって、ポールは、
 「いいアルバムを作り、いいバンドを組んだ。」
 この意義は大きい。
 私は、このアルバムがなければ、現在も意欲的に新作を発表し、
 ツアーに出て、70年代には、あれほどためらっていたビートルズの曲を、
 惜しげもなく披露する姿などなかったのではと思っている。

 あれほどの才能を持ちながら、これほどアップダウンのある人もいない。
 しかし、栄光と挫折を繰り返しながらも、己の才能だけで切り抜けてきた、
 とてつもないモンスターでもある。

 ビートルズへの回帰の下、生まれるべくして生まれた大傑作。
 モンスター伝説は、今も現在進行形だ。  
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2007/04/13 Fri. 05:51 [edit]

Category: ビートルズ・ソロ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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