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もう、“あいつ”が消えちまった・・。 

        OFF THE WALL        MICHAEL JACKSON

              
                   
           Don't Stop 'Til You Get Enough
                 (今夜はドント・ストップ)
           Rock With You (ロック・ウィズ・ユー)
           Workin' Day And Night
                (ワーキング・デイ・アンド・ナイト)
           Get On The Floor
                 (ゲット・オン・ザ・フロア)
           Off The Wall (オフ・ザ・ウォール)
           Girlfriend (ガールフレンド)
           She's Out Of My Life (あの娘が消えた)
           I Can't Help It
                 (アイ・キャント・ヘルプ・イット)
           It's The Falling In Love (それが恋だから)
           Burn Out Disco Out (ディスコで燃えて)

 マイケルが死んだ。 ほんとに、マイケルがいなくなっちまった・・。
 自宅で倒れて、心配停止状態で病院へ搬送、必死の蘇生措置もむなしく・・。
 50歳だった。 早すぎるよ、全く。  6月25日現在、死因は不明だけど、 
 ムリしてたんじゃないのかなぁ・・。 いっぱい薬とかも飲んでただろうし。
    
 ただ昨今のマイケルの報道には、いい加減、飽き飽きしてたとこなんで、
 正直、12年ぶりに来月始まるというロンドンでの大規模なコンサートにも、
 「おいおい、ほんとに大丈夫なん?」と、少々疑念を持っていた。
 (どう見たって、LIVEができる体じゃなかったし、カラ元気にしか見えんかった。
 きっと誰かに“やらされてる”匂いがしてならなかったし。 お金かなぁ・・。)

 というのも、彼には悪いけど、私の中ではもう“マイケルは終わっていた”から。
 彼に対して、もう新しい曲や音楽活動なんかには、もう諦めてたとこがあって。
 やはりアーチストたるもの、現役でどれだけ作品を創作できるか、活動できるか、
 さもなくば、夢を与え続けられるかで評価されるもの。 
 残念だけど、今のマイケルにはそのカケラもない。 見出せない。
 いくらカリスマ性があるなどとはいえ、本質とは違うはず。
 文句なく、彼は世界的スーパースター。 「KING OF POP」だ。

 いや、“だった”だ。   だけど・・。

 昨今のやれ金銭トラブルだ、整形疑惑だの、やれ裁判の醜い争いの数々。
 過去には性的虐待で逮捕されたこともあったっけ。
 そんな「KING OF POP」じゃなく、「KING OF GOSSIP」よろしく、
 ゴシップまみれの、芸能ネタの宝庫となったマイケルなんてもう見たくなかった。
    
 私のマイケルとの出会いは、「OFF THE WALL」が大ヒットしてるくらいで、
 ス○キのスクーターのCMでの、マイケルのキレのいいダンスと笑顔は鮮明に、
 今も目に焼き付いている。 カッコよかったなぁ・・。 輝いてました。
    
 「THRILLER」(’82)のとんでもなさ、もの凄さなんか、誰だって認めてる。
 だけど、私の中のマイケルは、“モンスター化”する前のコレで決まり。

 エグゼクティヴ・プロデューサーのクインシー・ジョーンズと初めて手を組んだ
 超セレブかつ、完璧たるグレイト・ブラック・コンテンポラリー・アルバム。
 これが「OFF THE WALL」(’79)だ。 これこそ、マイケルの最高傑作だ。

 現在のアルバム・カバーは、足元のソックスがキラリのカバーになってるけど、
 (アナログ当時の裏ジャケットが表に)  隠すのはいかんぞ、マイケル。
 私の中のマイケルは、アフロにダンゴっ鼻でニッコリのオリジナル・カバーだ。
 彼の意に反して、あえて、こっちをアップします。(こっちの方がイカすよ。)
 今では、もう整形しすぎて面影もないし、“色”まで違うもんなぁ・・。

         
     
 マイケルがクインシーと組んだことが、更なる飛躍になっていくんだけど、
 加えて、コンポーザーにロッド・テンパートンを起用したことが大きい。
 (元ヒートウェイブのキーボードやってた奴。 こいつ白人なんだけど、
  ファンキーな野郎で、“Rock With You”と“Off The Wall”は彼の作品。)
 “愛のコリーダ”と“ブギー・ナイツ”が合体ですよ。 凄いに決まってる。
 さらに、ポールとスティーヴィー・ワンダーも楽曲を提供して盛り立てて、
 バック・ミュージシャンも、書くのも嫌になるくらい顔、顔、顔の超一流どこ、
 腕利きの面々がズラリと勢揃いして、マイケルを全面バックアップ。

 大ヒット間違いなし。 売れて当たり前。 まさにパーフェクト。

 今日久々に、コレを聴いたけど、“今夜はドント・ストップ”のイントロでの、
 マイケルのウィスパリングには今でもゾクゾクするし、期待感と興奮で、
 「アォ~」一発。 そこはミラーボールがきらびやかなディスコ・フロアーへ。
 マイケルのファルセット・ヴォイス爆発のファンキー・ポップでスタート!
 そこから、アナログでいうA面はセレブなディスコ・ビートのオンパレードだ。

 私の中では彼のベスト・ソングだと思ってる“Rock With You”は、
 クールでさらりとかわし、“Workin' Day And Night”で昼夜を問わず踊り、
 マイケル史上最高のディスコ・ナンバーである“Get On The Floor”で、
 フロアを席巻。 B面の頭の“Off The Wall”もヒートウェイブっぽい、
 ビート・パターンと、マイケルのポップ感覚が融合した極上のダンス・チューン。

 B面に行くと少し表情が変わって、ポールらしいメロディが愛らしい、
 “Girlfried”が続いて、“あの娘が消えた”での、情感こもったマイケルの
 歌声に涙した女性も多いでしょう。 次のスティーヴィーの曲から、
 “それが恋だから”のソフィースケイトなメロー路線もセンス抜群。
 ところが、ラストの“ディスコで燃えて”は、濃い目のこってりファンクで、
 締めるとこなんかは、バランスも考えた一切の妥協なしの仕上がり。

 マイケルのいい意味での“無邪気っぽさ”や無垢な甘酢っぱさを残しつつ、
 ソングライティングの才能、才気を開花させ、ポップの王道への礎を築き、
 アーチストとしてのスタイルを確立させたクインシーの手腕は見事。
 後の数々の偉業達成も、彼が植えつけたポップ・センスがあったから。
 ジャクソン5時代からスター街道を歩んできたマイケルだったけど、ついに、
 世界のスーパースターになった瞬間が、この「OFF THE WALL」にある。

 “黒人”だった頃のマイケル。 ほんとに凄かった。 マジでスゲー奴だった。

 もうこれでマスコミに追われることも、あること、ないこと書かれることも、
 裁判のゴタゴタに巻き込まれることも、 顔や体の不調に悩むことも、
 すべて解放されるんだ。  ゆっくり休んでおくれ。

 でも、きっとほんとはステージに立ちたかったんだろうなぁ・・。

 さよなら、マイケル。  心よりご冥福をお祈りします。   合掌。

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2009/06/26 Fri. 17:00 [edit]

Category: BLACK

Thread:マイケル・ジャクソン  Janre:音楽

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