アメリカンリミックスの苦い思い出。
SLIDE IT IN WHITESNAKE

<UK ORIGINAL> <US REMIX>
Gambler Slide It In
Slide It In Slow An' Easy
Standing In The Shadow Love Ain't No Sranger
Give Me More Time All Or Nothing
Love Ain't No Stranger Gambler
Slow An' Easy Guilty Of Love
Spit It Out Hungry For Love
All Or Nothing Give Me More Time
Hungry For Love Spit It Out
Guilty Of Love Standing In The Shadow
またCMで流れてますねぇ。 バーン。 紫の炎。
第2期である黄金期の崩壊後のパープルの代表曲だ。 これもロックのクラシック。
あの“Burn”を歌うのは、デビカバ。 デヴィッド・カヴァーデイル。
デビカバって言えば、“白蛇”。 WHITESNAKEだ。
パープルを辞めてから、ソロのプロジェクトが発展していき、パープルを継承
するような、デビカバの中心のブルージーで、ブリテッシュ王道のロック・バンド。
80年代初めにも、「READY An' WILLING」や「COME AN’ GET IT」などの、
当時、“亡き”パープル・ファンを唸らせる優れたアルバムもあるし、
87年のメガヒットした「紋章」の完成度の高さは、誰もが認めるとこだけど、
私の白蛇は、やっぱコレ。 「SLIDE IT IN」だ。
でも、コイツには、ちょっとした苦~い思い出があってさ。
このバンドも、HR系のバンドによくあるメンバー・チェンジの激しいバンドで、
アルバムが出るごとに、誰かはメンバーが替わってた。
デビカバのバンドなんで、彼除いて全員替わってしまったなんてのもあるし。
コイツは、とにかく問題だらけのアルバムで、マネージメントでのもめごとや、
プロデューサーが降ろされるとか(エディ・クライマーから、結局バーチへ逆戻り)。
まず、第4期ホワイトスネイクによって、オリジナル盤(欧州、日本)が完成。
デヴィッド・カヴァーデイル (Vo)
ジョン・ロード (Key)
メル・ギャレー (G、Vo)
ミッキー・ムーディー (G)
コリン・ホッジソン (B)
コージー・パウエル (Ds)
コイツが出た84年くらいの私は、ハード・ロックの炎が燃え盛ってる真っ只中。
絶賛してる友人が、「録音してやるよ」とカセットを渡してくれたのが、コイツだった。
とにかく、メイデンだ、ジューダスだ、オジーだ、VHだ、なんだかんだと、
ハードなヤツを、むさぼり聴いてた私を、すぐにコイツは夢中にさせてくれた。
ただあまりにも、次から次へと、いろんなヤツを聴きすぎていたんで、
しばらく聴かずに1~2か月、テープを置いてたんだけど、
突然、無性に聴きたくなって、いざテープを。 と思ったんだけど・・。
「ない。 ないぞ・・。 あれ~?」 どうしたことだ! どこへやった?
こういう時ほど、さらに聴きたくなるもので。
探しても、探しても、見つからず・・。
まさか・・。 あ~ぁ、やっちまった~!
ツメ折ってなかったんで、 他のヤツを重ねて録っちゃってた。
タイトルとか書いてなかった、私がバカなんだけどさ・・。
よりによって、重ねて録ったのが、「フットルース」のサントラ盤とは・・・。
でも、コイツは、ちゃんと本物を持つべし。 と。
レコードを買いに走ったわけです。
買ってきました。 「スライド・イット・イン」。
アメリカン・リミックス・バージョン。 日本特別編集。 デビカバ曲解説入り?
ま、いいか。 6曲はちと寂しいけど、安かったし。
たまたま、買いに行ったレコード屋には、コレしか置いてなくて。
ウ~ン、ガキの私には、ちとエロいなぁ~・・と、ジャケを眺めつつ、
針を落とすと・・。 「♪ジャア~ジャ~ジャ! ジャジャジャ、ジャジャ!」
ソリッドで、ハードな“Slide It In”だ。 このドライブ感がたまらない。
おお~。 こんなにエコーがかかって派手だったっけなぁ?
でも、メリハリ効いてて、コレはこれでカッコイイ。
しかし・・。 次になると、ボソボソと語りが・・。
・・・。
デビカバだ・・。 デビカバが語ってるわけです。
アナログ当時は、インタビュー・レコードってのが、結構あったんですよ。
今じゃ、考えられないけど。
白蛇が、米GEFFENレコードと契約する際に、オリジナルのUKミックスでは、
“アメリカでは売れない”から、ミックスをアメリカのラジオで流れやすいように、
ヴォーカルをON気味にして、高域を重視したミックスに変えさせ、かつ、
ホッジソンをクビにして、ニール・マーレー(B)を復帰させて、プラス、
初期からのデビカバの右腕だったミッキー・ムーディー(G)が辞めた後釜に、
よりアメリカ受け狙いを図り、THIN LIZZYを脱退したジョン・サイクス(G)を
加入させ、LAでレコーディングし直し、リミックスさせたのが、コイツ。
でも聴いてるうちに、その曲の合間の“語り”が、うざくなってきて・・。
“Slide It In”から、早く、“Love Ain't No Stranger”が聴きたくなって。
エ~イ、飛ばしちまえ! とばかりに、プレーヤーのアームをグイっと持ったら、
手元が滑り、ガリッ! あ~ぁ・・。 思いっきり傷つけちゃってさぁ・・。
買ったその日でした。 やってしまいました・・。
大好きな“Love Ain't No Stranger”は、バチバチブチブチ・・・。
(結局、必死に小遣い貯めて買い直しました。 しっかり、“オリジナル”を)
それ以来、このアメリカン・リミックスには、トラウマがあってね。
今現在は、このUSミックスが、逆に“オリジナル”になってる状態。
違うんですよ。 オリジナルは、UK盤の方。
ただ、白蛇マニアでは、このUSミックスに異議を唱える諸氏が多いようで。
(曲順も、やっぱ“Gambler”から入り、“愛の掟”で締めた方がいいかな)
UKオリジナルの王道を感じる、ねちっこいミックスの方が彼らの持ち味を
発揮できていると私も思う。 (サイクスのギターは、やっぱ合わねぇなぁ~)
現在は、UKミックスは廃盤になって久しく、USミックスで統一されてるが、
なんと、ここにきて、この発売25周年記念デラックス仕様が登場する!

それに、あのUKミックスが(8曲だけなんだけど)、ボーナス収録されるのだ。
聴きたくてもなかなか聴けなかった方にとっては、このボートラは必聴。
とにかく全体的に楽曲の出来が素晴らしく、昔からの王道普遍の路線を
残しつつも、ややブルージーなとこが薄れてるんだけど、
ZEPをもろ意識してる“Slow An' Easy”は、モダン・ブルースが響き渡る名曲。
(デビカバって、後でジミー・ペイジとユニット組んだこともありましたね)
ここでのコージー・パウエルのダイナミックなドラミングは見事だし、
ジョン・ロードのハモンドはいいアクセントになって、実に効果的。
逆に、UK盤ではちょっと浮いてたポップな“Guilty Of Love”は、
USミックスになると、しっくりしてたりする。 次の「紋章」の布石みたいな曲だ。
最後に、これあまり人が書かないんだけど、このアルバムに限っていえば、
メル・ギャレー(G、Vo)をもっと評価しなきゃいけないよ、全く。
この人の作曲センスは抜群。 ただリード・ソロはパッとしないし、
地味なんで、この後のビジュアル重視のメンツばかりじゃ、沈没必至でしたが・・。
思い出話に終始したけど、
皆さんにも、レコード盤のいろんな思い出あると思います。
CD、いや、ダウンロードが主流の現在。
一抹の寂しさを思うのは、私だけかなぁ・・。

<UK ORIGINAL> <US REMIX>
Gambler Slide It In
Slide It In Slow An' Easy
Standing In The Shadow Love Ain't No Sranger
Give Me More Time All Or Nothing
Love Ain't No Stranger Gambler
Slow An' Easy Guilty Of Love
Spit It Out Hungry For Love
All Or Nothing Give Me More Time
Hungry For Love Spit It Out
Guilty Of Love Standing In The Shadow
またCMで流れてますねぇ。 バーン。 紫の炎。
第2期である黄金期の崩壊後のパープルの代表曲だ。 これもロックのクラシック。
あの“Burn”を歌うのは、デビカバ。 デヴィッド・カヴァーデイル。
デビカバって言えば、“白蛇”。 WHITESNAKEだ。
パープルを辞めてから、ソロのプロジェクトが発展していき、パープルを継承
するような、デビカバの中心のブルージーで、ブリテッシュ王道のロック・バンド。
80年代初めにも、「READY An' WILLING」や「COME AN’ GET IT」などの、
当時、“亡き”パープル・ファンを唸らせる優れたアルバムもあるし、
87年のメガヒットした「紋章」の完成度の高さは、誰もが認めるとこだけど、
私の白蛇は、やっぱコレ。 「SLIDE IT IN」だ。
でも、コイツには、ちょっとした苦~い思い出があってさ。
このバンドも、HR系のバンドによくあるメンバー・チェンジの激しいバンドで、
アルバムが出るごとに、誰かはメンバーが替わってた。
デビカバのバンドなんで、彼除いて全員替わってしまったなんてのもあるし。
コイツは、とにかく問題だらけのアルバムで、マネージメントでのもめごとや、
プロデューサーが降ろされるとか(エディ・クライマーから、結局バーチへ逆戻り)。
まず、第4期ホワイトスネイクによって、オリジナル盤(欧州、日本)が完成。
デヴィッド・カヴァーデイル (Vo)
ジョン・ロード (Key)
メル・ギャレー (G、Vo)
ミッキー・ムーディー (G)
コリン・ホッジソン (B)
コージー・パウエル (Ds)
コイツが出た84年くらいの私は、ハード・ロックの炎が燃え盛ってる真っ只中。
絶賛してる友人が、「録音してやるよ」とカセットを渡してくれたのが、コイツだった。
とにかく、メイデンだ、ジューダスだ、オジーだ、VHだ、なんだかんだと、
ハードなヤツを、むさぼり聴いてた私を、すぐにコイツは夢中にさせてくれた。
ただあまりにも、次から次へと、いろんなヤツを聴きすぎていたんで、
しばらく聴かずに1~2か月、テープを置いてたんだけど、
突然、無性に聴きたくなって、いざテープを。 と思ったんだけど・・。
「ない。 ないぞ・・。 あれ~?」 どうしたことだ! どこへやった?
こういう時ほど、さらに聴きたくなるもので。
探しても、探しても、見つからず・・。
まさか・・。 あ~ぁ、やっちまった~!
ツメ折ってなかったんで、 他のヤツを重ねて録っちゃってた。
タイトルとか書いてなかった、私がバカなんだけどさ・・。
よりによって、重ねて録ったのが、「フットルース」のサントラ盤とは・・・。
でも、コイツは、ちゃんと本物を持つべし。 と。
レコードを買いに走ったわけです。
買ってきました。 「スライド・イット・イン」。
アメリカン・リミックス・バージョン。 日本特別編集。 デビカバ曲解説入り?
ま、いいか。 6曲はちと寂しいけど、安かったし。
たまたま、買いに行ったレコード屋には、コレしか置いてなくて。
ウ~ン、ガキの私には、ちとエロいなぁ~・・と、ジャケを眺めつつ、
針を落とすと・・。 「♪ジャア~ジャ~ジャ! ジャジャジャ、ジャジャ!」
ソリッドで、ハードな“Slide It In”だ。 このドライブ感がたまらない。
おお~。 こんなにエコーがかかって派手だったっけなぁ?
でも、メリハリ効いてて、コレはこれでカッコイイ。
しかし・・。 次になると、ボソボソと語りが・・。
・・・。
デビカバだ・・。 デビカバが語ってるわけです。
アナログ当時は、インタビュー・レコードってのが、結構あったんですよ。
今じゃ、考えられないけど。
白蛇が、米GEFFENレコードと契約する際に、オリジナルのUKミックスでは、
“アメリカでは売れない”から、ミックスをアメリカのラジオで流れやすいように、
ヴォーカルをON気味にして、高域を重視したミックスに変えさせ、かつ、
ホッジソンをクビにして、ニール・マーレー(B)を復帰させて、プラス、
初期からのデビカバの右腕だったミッキー・ムーディー(G)が辞めた後釜に、
よりアメリカ受け狙いを図り、THIN LIZZYを脱退したジョン・サイクス(G)を
加入させ、LAでレコーディングし直し、リミックスさせたのが、コイツ。
でも聴いてるうちに、その曲の合間の“語り”が、うざくなってきて・・。
“Slide It In”から、早く、“Love Ain't No Stranger”が聴きたくなって。
エ~イ、飛ばしちまえ! とばかりに、プレーヤーのアームをグイっと持ったら、
手元が滑り、ガリッ! あ~ぁ・・。 思いっきり傷つけちゃってさぁ・・。
買ったその日でした。 やってしまいました・・。
大好きな“Love Ain't No Stranger”は、バチバチブチブチ・・・。
(結局、必死に小遣い貯めて買い直しました。 しっかり、“オリジナル”を)
それ以来、このアメリカン・リミックスには、トラウマがあってね。
今現在は、このUSミックスが、逆に“オリジナル”になってる状態。
違うんですよ。 オリジナルは、UK盤の方。
ただ、白蛇マニアでは、このUSミックスに異議を唱える諸氏が多いようで。
(曲順も、やっぱ“Gambler”から入り、“愛の掟”で締めた方がいいかな)
UKオリジナルの王道を感じる、ねちっこいミックスの方が彼らの持ち味を
発揮できていると私も思う。 (サイクスのギターは、やっぱ合わねぇなぁ~)
現在は、UKミックスは廃盤になって久しく、USミックスで統一されてるが、
なんと、ここにきて、この発売25周年記念デラックス仕様が登場する!

それに、あのUKミックスが(8曲だけなんだけど)、ボーナス収録されるのだ。
聴きたくてもなかなか聴けなかった方にとっては、このボートラは必聴。
とにかく全体的に楽曲の出来が素晴らしく、昔からの王道普遍の路線を
残しつつも、ややブルージーなとこが薄れてるんだけど、
ZEPをもろ意識してる“Slow An' Easy”は、モダン・ブルースが響き渡る名曲。
(デビカバって、後でジミー・ペイジとユニット組んだこともありましたね)
ここでのコージー・パウエルのダイナミックなドラミングは見事だし、
ジョン・ロードのハモンドはいいアクセントになって、実に効果的。
逆に、UK盤ではちょっと浮いてたポップな“Guilty Of Love”は、
USミックスになると、しっくりしてたりする。 次の「紋章」の布石みたいな曲だ。
最後に、これあまり人が書かないんだけど、このアルバムに限っていえば、
メル・ギャレー(G、Vo)をもっと評価しなきゃいけないよ、全く。
この人の作曲センスは抜群。 ただリード・ソロはパッとしないし、
地味なんで、この後のビジュアル重視のメンツばかりじゃ、沈没必至でしたが・・。
思い出話に終始したけど、
皆さんにも、レコード盤のいろんな思い出あると思います。
CD、いや、ダウンロードが主流の現在。
一抹の寂しさを思うのは、私だけかなぁ・・。