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心頭を滅却すれば、“ティナ”もまた涼し。 

   RIVER DEEP - MOUNTAIN HIGH   IKE & TINA TURNER

          

       River Deep Mountain High
       I Idolize You
       A Love Like Yours (Don't Come Knocking Every Day)
       A Fool In Love
       Make 'Em Wait
       Hold On Baby
       I'll Never Need More Than This
       Save The Last Dance For Me
       Oh Baby! (Things Ain't What They Used To Be)
       Every Day I Have To Cry
       Such A Fool For You
       It's Gonna Work Out Fine

 暑い。  暑すぎます。  毎日毎日・・。  どうかしてる、全く。
 大暑。  猛暑。  酷暑。  コンチキショ~!   ・・・。
 
 みなさん、このクソ暑い夏の真っ只中、いかがお過ごしでしょうか。
 適度に水分と塩分をこまめに補給して、熱中症には充分ご注意を。

 さて、こんなクレイジーな夏を快適に過ごす、こんなグッド・サウンドはいかが?
 と行くのが、普通なんですが・・。

 ボカァ、違いますよ。  普通じゃ、やっぱつまらない。

 暑苦しいにも甚だしい、脂汗でジットリするような、不快指数120%の、
 ここは、飛びっきりの“クレイジー・サウンド”はいかが?  ということで。

 猛暑日の真昼間に部屋に閉じこもり、窓を閉め切り、クーラーはもちろんOFF。
 ドテラを重ね着して、アツアツの鍋焼きうどんを食べる・・みたいな、
 ガマン大会ならぬ、クソ暑さには、クソ“熱さ”で対抗するのだ。
 
 そんな奇特なツワモノの方に、お勧めのこのアルバムをご紹介しましょう。


 今宵は、アイク&ティナ・ターナーと、スペクターの“音の壁”が見事なまでに
 スパークした、コッテコテの一枚、「RIVER DEEP - MOUNTAIN HIGH」で、
 よろしくお付き合いを。 
 
 “Mr.ウォール・オブ・サウンド”こと、“天才”フィル・スペクターについては、
 以前取り上げたことがありましたが、その時、このアイク&ティナ・ターナーの
 作品には触れずじまいでした。 (“音の壁”の中から聖なる贈り物

 クレイジーなサウンドと書いたんですが、これはもちろん“いい意味”で、
 このアルバムは、スペクターのダイナミックな“ウォール・オブ・サウンド(音の壁)”
 と、ティナのダイナミックな歌唱が見事にマッチした名作である。

    

 とにかく、エキサイティングな楽曲のオンパレードである。
 体内で普段使うことのない神経や、目覚めさせられたかのような刺激と熱気、
 パワーに満ちあふれたダイナマイト・ソウルなアルバムだ。

 ここには、マイナスなネガティヴ感情は一切存在しない。
 あるのは、ひたすらポシティヴでみなぎるソウル・パワーだけ。
 聞き手にどれだけ力と勇気を与えることができるのか。  それしかない。

 腕利きのブルース・セッションマンだったアイクが、56年にセントルイスで発掘した
 パワフルな女性シンガーのアニー・メイ・バロックとコンビを組んで、結婚した後、
 ティナと名前を変えて、アイク&ティナ・ターナーとしてデビュー。 大成功を収める。

 ( なんかアイクは、ティナの伝記映画「TINA」では、行き過ぎたDVばかり描かれ、
   すっかり“暴力亭主”のレッテルを貼られてしまったけど、作曲やミュージシャン、
   プロデューサーとしての才能は素晴らしいんですよ。特にギタリストとしては、
   なかなかのテクニシャン。 ストラトキャスターのワミー・バー(トレモロ・アーム)
   を駆使した軽快で、時にはブルージーなフレーズやリフは目を見張るものがある。  )

 実は、ティナのパワフルな歌唱力に惚れ込んで、66年にスペクター自ら懇願オファーして
 実現した作品なのだ。

 ( アイクは、1セッションで2万2千ドル、(当時のレートでいうと、約1億円!)
   現在の貨幣価値では10億円(!!)ともいわれるギャランティーを要求して、
   これを、ほぼ満額をせしめたというから驚いてしまうけど、
   スペクターの契約条件は、「アイクがスタジオに入らないこと」だったという・・。)

   

 この頃のスペクターは、60年代初期の全盛期に比べ、ヒット曲が途切れて、スランプ気味。
 66年に彼は、ライチャス・ブラザーズをヴァーヴ・レコードに100万ドル(!)で、
 所有していたスタジオやミュージシャン達らと、共に売り払ってただけに、
 このセッションは、スペクターにとっても、力の入る“大きな賭け”でもあったんです。

 アルバムでは、“River Deep Mountain High”を筆頭に、“A Love Like Yours”に、
 “Hold On Baby”、“Save The Last Dance For Me”、“Every Day I Have To Cry”
 の5曲がスペクターのプロデュースで、残りの曲がアイクの手によるもの。

 ティナを得たスペクターは、彼女と何度もリハーサルを重ね、(1万回は歌わせたとも)
 多くのミュージシャンを投入し、長い時間と莫大な費用を費やして1曲完成させる。
 これが、この“River Deep - Mountain High”だ。

 恐らく、当時の録音技術なら、4チャンネル・トラックだと思うけど、
 そのハンディを感じさせない躍動感のあるドラムサウンドは、アール・パーマーと
 ジム・ゴードン(後にデレク&ザ・ドミノスに参加)。 今までも、複数のベースを、
 ユニゾンでプレイするのはあったが、この曲では、4本のベースをユニゾンで演奏
 させる破天荒ぶり。 この曲は、今までの“音の壁”の集大成ともいうべき、
 スペクター自身が編み出したオーバーダビングのテクニックの賜物であり、
 緻密なサウンドが、微妙に変化していく3分間に凝縮された組曲のようだ。

        

 スペクターとティナはこの曲の仕上がりに満足し、アイクも気に入ったことから、
 アイク&ティナ・ターナー名義で、1966年にシングル・リリースする。

 しかし・・。

 彼らの期待に反して、アメリカでの反応は鈍く、ポップ・チャートの最高位は88位と
 大コケ。 惨憺たる失敗に。 そのため、マスターが完成していたにも関わらず、
 アメリカでのアルバム・リリースを見送った。 (ごく僅かにプレスしたレコードは、
 スペクター自身がスクラップにしたとも・・) スペクターの落胆ぶりは激しく、
 フィレスの活動も終止符を打つことにもなった。 その後、スペクターは、
 数年間レコーディングから遠ざかったワケです・・。

 このアルバムは、昔からアメリカのR&Bの熱狂的なファンが多いイギリスで、
 やや遅れてヒットチャートに登場して、大ヒットを記録する。
 (アメリカでは、スペクター隠居時の69年にA&Mレーベルから再発される)
 この曲で、渾身の力を込めて、“人生最大の失敗作”を作ってしまったスペクターを
 音楽の世界へ戻るよう促したのが、ジョン・レノンであり、ジョージ・ハリスンという、
 “イギリス”の若者らであったことも偶然ではないと思う。
 (アメリカでの再発盤では、ジョージの賛辞が貼られたシールが付いていたくらいだ)

 このヒットがきっかけで、アイク&ティナは、ストーンズとツアーを周るなどして、
 ティナは、イギリスで熱狂的な支持を集めます。
 でも暴力に堪えかねて、アイクから逃げるように離婚し、その多額な慰謝料と
 (ティナがアイクに払った!)、契約不履行のペナルティーにより、莫大な借金を
 抱えたティナの不遇な時代を支えたのは、60年代に彼女に熱狂したイギリスのファン
 であり、ミュージシャン達でした。
 (83年にティナの「PRIVATE DANCER」での見事なカムバックも、最初はイギリスから、
  火がついて、翌年アメリカに飛び火したものだし、サポートした超大物たちも、
  イギリス人ばかりだった。 ティナについては、別の機会にも取り上げたく思います)

    
  
 それに対し、アイクはドラッグ中毒に陥り、あげくに服役してしまうことに。
 その凋落ぶりは、人生の“交差点”を見たような感じがしたが、近年見事復活して、
 06年には、グラミーも授賞。 ブルース・トラディショナル界で活躍している。  

 スペクターの“厚化粧”は、夏には不向き。 彼の音は、やっぱ冬が似合う。
 それに、シャウト!シャウト!シャウト!のティナの熱過ぎるヴォーカル。
  
 心頭を滅却すれば、“ティナ”もまた涼し。

 えっ、私ですか。   ・・・。   熱いモノは、“暑い”ですわ。
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2010/07/25 Sun. 10:59 [edit]

Category: BLACK

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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