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わし、買うもん!  この“音”は、世界にひとつ。   

    
    QUEEN  GREATEST HITS           GREATEST HITS Ⅱ
 

          GREATEST HITS  
  Bohemian Rhapsody  (from A Night at the Opera, 1975)
  Another One Bites the Dust  (from The Game, 1980)
  Killer Queen  (from Sheer Heart Attack, 1974)
  Fat Bottomed Girls  (single version, from Jazz, 1978)
  Bicycle Race  (from Jazz, 1978)
  You're My Best Friend  (from A Night at the Opera, 1975)
  Don't Stop Me Now  (from Jazz, 1978)
  Save Me  (from The Game, 1980)
  Crazy Little Thing Called Love  (from The Game, 1980)
  Somebody to Love (from A Day at the Races, 1976)
  Now I'm Here  (from Sheer Heart Attack, 1974)
  Good Old-Fashioned Lover Boy  (from A Day at the Races, 1976)
  Play the Game  (from The Game, 1980)
  Flash  (single version, from Flash Gordon, 1980)
  Seven Seas of Rhye  (from Queen II, 1974)
  We Will Rock You  (from News of the World, 1977)
  We Are the Champions  (from News of the World, 1977)
  Teo Torriatte  (single version, from A Day At The Races, 1976) 
                             ※ JAPAN Only

          GREATEST HITS Ⅱ  
  A Kind of Magic  (from A Kind Of Magic, 1986)
  Under Pressure  (edit, from Hot Space, 1982)
  Radio Ga Ga  (from The Works, 1984)
  I Want It All  (single version, from The Miracle, 1989)
  I Want to Break Free  (single mix, from The Works, 1984)
  Innuendo  (from Innuendo, 1991)
  It's a Hard Life  (from The Works, 1984)
  Breakthru  (from The Miracle, 1989)
  Who Wants to Live Forever  (edit, from A Kind Of Magic, 1986)
  Headlong  (single Version, from Innuendo, 1991)
  The Miracle  (early faded, from The Miracle, 1989)
  I'm Going Slightly Mad  (original Innuendo LP edit,1991)
  The Invisible Man  (from The Miracle, 1989)
  Hammer to Fall  (single version, from The Works, 1984)
  Friends Will Be Friends  (from A Kind Of Magic, 1986)
  The Show Must Go On  (early faded, from Innuendo, 1991)
  One Vision  (single version, from A Kind Of Magic, 1986)
  I Was Born to Love You (QUEEN version, from Made In Heaven, 1995) 
                           ※ JAPAN Only

 2011年、バンド結成40周年を迎えるという「QUEEN」が、なんと古巣で
 あるEMIを離れ、新たにユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)と、
 長期に渡る独占契約を結び、北米地区以外の全世界で傘下である
 アイランド・レコードから発売されることになった。
       
        

 コレは、ちょっとどころか、エラいニュースですよ。
 現在EMI所属アーチストの中でも、横綱であるビートルズの次に、
 大関だったのがQUEENだった。
 それがEMIを離れるという事実は、私以上にQUEENに詳しい方なら、
 ショッキングな事件だったに違いないのではと思う。 
 
 それにしても、ユニバーサル・グループってのはスゴい。
 勢いがある。
 一昨年にストーンズをオールタイムでレーベル統一したと同時に、
 昨年は奇跡的アーカイブ・ラッシュで沸かせたと思えば、
 EMIから、あの“超大物”であるポールも獲得して、
 昨年末の「BAND ON THE RUN」に始まり、今年は、
 更なるカタログ再発を予定で、そして、今度はQUEENだ。  
 この“超大物ハンティング”はハンパじゃない。

 それに対して、EMIは、もうダメだね。 
 悲しいけど、終ってる。
 ポールの場合、プロモーションのやり方でモメたとか、
 少しトラブルがあって仕方ないとこはあるけど、
 う~ん、QUEENまで持っていかれてはねぇ・・。 
 老舗らしくない。 販売戦略はどうなの? 
 かつての“名門”の名が泣きますよ。
 まさかその内、ビートルズまでも、とか・・? 
 今はジョンも抱えてるけど。

 でも、アビー・ロード・スタジオの件もあるから、それはないと思うけど・・。
 ということは、あの英国EMI伝統の“Parlophone”レーベルも、
 ポールに続いて、QUEENも称号が外れることになるワケですね。 
 これは、少々残念です。
 (じゃあ、今Parlophoneレーベルを守ってるのは、COLDPLAYを筆頭に、
  レディオヘッドに、ペット・ショップ・ボーイズくらいか。 
  あ、今はカイリー・ミノーグもそうだっけ)
 
 そして、この移籍に伴って、今までのQUEENのカタログが全て最新技術
 によりリマスターされて、2011年内の前中後期の3期に分け、
 3,6,9月に5タイトルずつ、全15枚のオリジナル・アルバムに、
 過去の全ライブ・アルバムも、それぞれSHM-CDにて、随時再発売される。
 その「2011QUEENリマスター・プロジェクト」ともいえる一大企画の
 プロモーション的意味もあって、2枚の名ベスト盤を“ご挨拶”替わりの
 一発目として、この1月に発売された。

       

 しかし正直言うと、このリマスターに関しては、全く期待してなかった。
 私の記憶が正しければ、
 QUEENは初CD化後、1994年に初のデジタル・リマスターが施され、
 続いて、あのリマスターの名匠ボブ・ラドウィックの手によって、
 2001年に、24ビット・デジタル・リマスタリングが施されている。 
 それ以後も、全タイトルではなかったが、
 2009年のベスト盤「Absolute Greatest」でも、
 “最新リマスター”ってのが売りだった。
 なので、「またリマスターなの? 何回やってるの」って、思ってました。

 最初は。 

 QUEENのCD音源って、古くは東芝EMIで初CD化した頃は、
 音圧も低くて、音域も痩せてて、なんか平ぺったい。 
 今聴くと、なんともトホホなモノでした。 
 初のリマスターだった94年は、思ったほど変わってないなぁと
 感じてたのですが、2001年の24ビット・リマスターは、
 音圧レベルやバランスから、ノイズの除去に至るまで、
 割と優れたモノだと思ってたので、
 あまり変わらないんじゃないかと考えてたんです。

 ところが。   「マジか・・。  何この音!」  

 “Bohemian Rhapsody”の更にクリアになったオペラ・パートの
 驚異的オーヴァーダヴの立位法に、改めて「スゴイ」と感心させられ
 、すっかり“つかまれて”しまい。
 次の“Another One Bites the Dust”。 
 コレで、やられました。  KOです。
 強烈な重低音でリードする、ジョンのベース・ピッキングの
 引っ掻き癖まで伝わる臨場感。 
 フレディの息遣いも生々しい。 
 まるで1メートル先で歌ってるみたいだ。
 ブライアンのカッティングも分離がクッキリした分、鋭角的で斬れ味バツグン。
 この曲のリマスタリングはモノが違う。 
 皆さん、コレは買いです。

    

 実は、先日あるタワー・レコードに出向いた時に、
 このベスト盤が既に発売されてた。
 とはいえ、衝撃的移籍だった割には、なぜか購買意欲は
 湧いてこなかったんです。
 なので、「あ、出たんだ」
 くらいの軽い気持ちで、何気なく視聴してみたんです。
 そこで、あまりの音のスゴさに愕然としたんです。  
 視聴機をしばらく独占したほど。
 当然買うつもりなんてなかったけど、もちろん2枚とも買ってしまった。
 あの音を突きつけられたら、ROCK好きの名においても、
 手ぶらでは帰れません。

 あの一昨年のビートルズのリマスターも確かにスゴかった。 
 けど、あれは予想できた。
 でも、今回のQUEENのリマスターは不意打ちを食らった感じ。 
 だから、効く。 

 少々オーバーに書いたが、今までのリマスターとは明らかに
 一線を画くモノだ。 うまく表現できないが、音域の奥行きから
 レンジの広がりまで、声や楽器の細部に至るまで、
 丁寧に磨き上げて、まるで現在の3D時代に対応するよう、
 “音の立体感”が際立つように、
 まるで、“QUEENが浮き上がってくるのだ”。

 あげて書いていくと、キリがなくなってしまうけど・・。
 変拍子難易度Eランクの“Bicycle Race”も、更に躍動感が増し、
 フレディのピアノも、劇的にクリアになり、
 今までは、やたら高音パートだけが目立ってた分厚いコーラスも、
 左側から低音部をしっかり響かせ、実にバランスがとれた仕上がりになってる。
 あのチープな“チャリベル”の音も、
 まるで目の前で「チリンチリン」してるみたいだ。
 “Flash”の取ってつけたようだった映画のSEも、
 ヴァーチャル・ゲームみたいな迫力で、
 “We Will Rock You”のクラッピングのヘヴィーなこと。 
 地響きがするほどだ。

    

 “Don't Stop Me Now”のピアノの鍵盤を弾く音、
 今までそれほど印象になかった“Save Me”のアコギの響き方など、
 今回のリマスターで特に感じたのは、アコースティック系の楽器の
 音色がとてもナチュラルでクリアになってることだ。

 日本盤には、ボーナス・トラックで“手をとりあって”が、やはり収録されてる。
 別にいいんだけど・・。 
 今でも日本のファンを大切にしてくれる証拠ですから。
 でも私は「Ⅰ」の、この曲順が耳に刷り込まれてる。 
 いいんですよ、この並びが。
 だから、“Bohemian Rhapsody”で始まり、“We Are the Champions”で
 締める形が一番シックリくると思うんですよ。 

 どうせ入れるのなら、編集がかなり面倒だけど、
 当時の日本盤アナログLPの曲順に習って、
 “Under Pressure”は「Ⅱ」に収録されてるから、
 日本盤には収録されてなかった“Bicycle Race”と“Seven Seas of Rhye”
 を組み込んで、“手をとりあって”を 、“Now I'm Here”の次に差し込んで、
 当時の曲順に変えてくれたら、何も言う事ないんだけど。 

 (ちなみに、アナログ発売当時は、
  世界各国で微妙に選曲の違う7種類のタイプが出てた。
  アメリカ盤は14曲と少なく、“Under Pressure”と“Keep Yourself Alive”を。
  スペイン盤には、“Spread Your Wings”。
  南米盤には、“Love Of My Life”のライブ。
  オーストラリア盤には、米盤仕様に“Tie Your Mother Down”を加えた感じ。
  ブルガリア盤には、なんと“Death On Two Legs”と“Sweet Lady”を収録。 
  マニアックだ。
  しかし、初CD化に伴って、英国仕様(UK盤)で統一された。)


 案外軽視されがちだけど、後期のシングル曲をまとめた「Ⅱ」の方も、
 実によく出来た素晴らしいベスト盤だったんで、
 これも、ほんとによく聴いた。 
 (シングル・バージョンや編集バージョンも多く収録、収録時間ギリギリの容量)
 ただ年代も80年代半ばから90年代にかけての作品なので、
 70年代が中心の「Ⅰ」と比べて、リマスター効果も、
 それほど変わらないのではと思っていたけど、想像以上に効果は絶大。
 「Ⅰ」だけでなく、「Ⅱ」の方もキッチリ押さえておくべきだ。

 “A Kind of Magic”の立体的でメリハリ効いたリズム隊が
 ダイナミックに生まれ変わって、いきなり「これは違う」と、
 今回のリマスターに耳を奪われてしまった。
 “Radio Ga Ga”も、ベースとアナログ・シンセが浮き出てきて、
 臨場感が更に増し、“I Want It All”は大幅にスケール・アップして
 コーラスもギターも分厚くなった。

 “Innuendo”のフラメンコ・パートのクリアになったスティーヴ・ハウの
 素晴らしいスパニッシュ・ギター・ソロから、
 重たいリズム隊とブライアンのギターがなだれ込んで
 いく凄まじさ。 これは鳥肌もの。 
 私の「Ⅱ」のベスト・リマスター曲だ。

    

 “Breakthru”の暴走機関車のような疾走感。 
 “Headlong”のヘヴィーなドライブ感。
 これに対し、
 “I'm Going Slightly Mad”のフレディの低音を強調した重厚感。 
 “Who Wants to Live Forever”のストリングスを強調させた
 奥行きのある重奏感など、
 今回のリマスターでコントラストが増して、曲が蘇ったような感じがする。

 それにしても、フレディの歌の上手いこと。  
 ほんと上手い。  何歌わせても。
 リマスターによって、彼の息遣い、声量、リズム感、オクターブやファルセット
 の使い方など、ヴォーカリストとしての力量や技術がいかに優れ、
 超一流だったか、改めて思い知らされる。
 
 ここでも日本盤には、“あの例の曲”がボーナス・トラックで収録されている。
 いろいろ意見はあるでしょうけど、 う~ん・・。 
 ここでは、いらないなぁ・・。
 過去に何度もCMタイアップされたり、ドラマでも使われたりと、
 日本じゃ圧倒的人気を誇る。
 この曲を知らない人はいないくらい有名になった曲だから、
 入れて当然なんだけど。
 でもご存じのように、この曲は元々、85年のフレディ唯一の
 ソロ・アルバムである「MR.BAD GUY」からのシングルカット曲で、
 QUEENの曲ではなかった。
 このヴァージョンは、フレディ死後に残ったメンバーで、
 このフレディのソロヴォーカルに、3人の演奏を重ねてオーヴァーダヴしたもの。 
 フレディの遺志が反映されているかは疑問だ。
 (フレディ自身、この曲は実はあまり好きでなかったようで、
  シングルにしたのも、キャッチーでシングル向きとの判断で、
  レコード会社の意向に沿ったものだったようだ)

       

 嫌いな曲でないし、3人のバックアップもなかなか聴きごたえ十分だ。
 でも、安易にくっつけるのはいかがなものかと。 
 フレディに失礼です。
 この「Ⅱ」も、曲順がとてもよくて、バランスも流れもいい。
 “最期”の締めを“The Show Must Go On”で終わらずに、
 (そうしたいところだが)あえて“One Vision”を据えて、
 初めにリンクさせるようなメンバーの意図を感じるのだ。

 話がまた長くなった。
 まずは、
 3月16日に初期5作品の2011デジタル・リマスター発売が決定している。
 デビュー作から「華麗なるレース」までの5枚に、通常盤とレア・トラックを
 5、6曲収録したリミテッド・エディションが用意される。  
 ただこのレア・トラックはマニアには、
 どうってことない音源でも、このリマスターの音質向上は、
 再興奮すること間違いなし。
 また近くなったら、レビューしたく思ってます。
 
 「♪わし、買うもん~。  好きだもん~。」
  もちろん、QUEENのことです。
 ・・・。 
 パロディとしては、あまりに良く出来たCMだけど、これもなぁ・・。

 果たして、
 フレディほどの超セレブが、カッ○ヌードルを食べたことがあるのかなぁ?

 この味、いや、この“音”は世界にひとつ。   
 QUEENだけです。
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2011/01/28 Fri. 22:47 [edit]

Category: クイーン

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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