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腐ったリンゴの方程式。 (後編) 

           LET IT BE     THE BEATLES

               LET IT BE

                Two Of Us
                Dig A Pony
                Across The Universe
                I Me Mine
                Dig It
                Let It Be
                Maggie Mae
                I've Got A Feeling
                One After 909
                The Long And Winding Road
                For You Blue
                Get Back

 祭壇に飾られるかのごとく、ジョン・コッシュ作のシンプルなのに強烈なインパクト。
 もう4人が4分割されて、黒に纏われたジャケットはバンド末期の象徴となった。

 紆余曲折を経ても、結局はボツとなってしまった幻のアルバム「GET BACK」。
 だが、第三の男フィル・スペクターによって、このセッションは陽の目を見る。
 それは、本来の志とは、相反する姿として“生まれ変わっていた”。
 「GET BACK」のリプロデュース・アルバム。 これが「LET IT BE」だ。

 分かりやすく料理で例えたら、ジョンズは、あくまで素材を生かす料理にこだわった。
 でもスペクターは、スパイスを加えたり調理法を変えて、創作料理を作った。
 どっちが好みかは、人それぞれですから。 

 まず、スペクター版「LET IT BE」ってのは評価が割れる。 賛否両論だ。
 「GET BACK」みたいな未完成な曲ばかりで音も悪いアルバムを、
 ビートルズのカタログに入れるべきじゃない! あれこそ駄作だ。
 スペクターの「GET BACK」を見事に再構築させた手腕を買うべきだとも、
  (じゃぁ正規の「アンソロジー」ってどうなん?・・。) 
 いやスペクターは、「GET BACK」の概念もビートルズの聖域をも踏みにじり、
 全くの模造品を作った大悪党だ!とも。 (なにも、そこまで・・。) 

 私が、どっちに肩を持ってるかは、書くまでもないと思いますが、
 ビートルズを聴きだした頃は、好んでよく聴いたアルバムでした。
 まして当時「GET BACK」や、スペクターうんぬんなんて知らなかったんで、
 肌に合ったというか、彼らの生み出すグルーブ、ロックンロールが好きだった。
 中には「アレ?」って曲もあったけど、 私のターンテーブルの常連だった。
 ひょっとしたら、あの「サージェント・ペパー」よりも、聴いたかもしれない。  
 これが、正直なとこです。
       
 ジョンがスペクターを指名した訳は、もともと彼の作るウォール・オブ・サウンドが、
 気に入っていて、70年1月にソロ・シングル“Instant Karma!”のプロデュースを、
 依頼し、その手腕を評価してとのこと。

 ただし外部の雑音や制約を受けないなら、との条件で引き受けたそう。
 ただ、必死だったと思いますよ。 あの天下のジョンからの依頼ですよ。
 時間も限られたでしょう。 もの凄いプレッシャーもあったでしょう。
 「GET BACK」を基本に、クズみたいなテープの山をもう一度すべて洗い直して、
 鶴の恩返しごとく、「けっして覗いてはいけません」って言われたかどうか、
 一人アップルの地下スタジオにこもって、あれやこれや格闘したそうです。
   
 このスペクター版が、「GET BACK」で勝っているのは、屋上ライブを3曲にしたこと。
 (“Don't Let Me Down”と“Get Back”の2回目の方も入れて欲しかったが)
 これに尽きるんじゃないかな。 ジョンの“Dig A Pony”を屋上ライブにして○。
 でも、出だしのミス(映画では、リンゴが眉毛の汗を拭くとこ)は、そのまま残して、
 なんで、始めと終わりの「♪All I Want Is You~」のとこ、カットしちゃったか。

 とはいえ、“I've Got A Feeling”のリミックスは秀逸の出来。
 ポールとジョンが別々に作ったパートをひとつにさせたロックンロールだ。
 サビのポールの絶叫もののシャウトを歌いきってからすぐ、ゆっくり下降する、
 ジョンのギター(映画でポールがジョンに何度もやらせたとこ)でブリッジして、
 リンゴのスネアでまとめて元に戻すとこなんて、うまいんだよなぁ~。 
 ポールのベースは唸ってるし、ジョージもソロ弾きっぱなし。 そして、
 熱気を帯びたままラストへなだれ込むポールに比べて、部外者みたいに
 淡々とした語り口のジョンの冷め具合のコントラストを対位させるアレンジは、
 見事。 この曲だけは、スペクターの仕事はもっと評価されるべきだと思う。

 “Two Of Us”もいい。 映画じゃ、ポールもジョンもプレスリーよろしく、
 R&Bスタイルでふざけあってたけど、カントリーっぽく仕上げたのは正解。
 二人のアコギをクリアにして、透明感あって、歯切れいい曲に生まれ変えた。
 また、ジョージのテレキャスターをベースの代用として弾いているけど、
 5、6弦をうまくピックしていいアクセント出してる。 
 ジョージの隠れた名プレイだ。
   
 ただ、“Let It Be”のシングルよりもジョージのソロを差し替え(1月4日の方)、
 やたらオン気味にミックスした、わざとらしいアレンジはまだしも、
 “The Long And Winding Road”の厚化粧でオーケストラてんこ盛りの、
 まるでお涙ちょうだい強調路線は、いかがなものかと。 「アレ?」のままです。
  (ジョンの“Across The Universe”もオリジナルよりスピードを落とした、
 スペクターを支持するけど、センチメンタリズムを出そうとして、女性コーラスや
 付け足したストリングスはいらない。 壮大な詩はシンプルに伝えるべき。)

 もう一つ、全編に渡るビリー・プレストンの活躍、貢献を忘れちゃいけない。
 “Get Back”のリズミックなソロはファンキーでイかしてる。 余裕っすよ。
 だからジョンの眠そうなコーラスや“汗かき”ソロをうまくカバーしてる。
 ポールのヴォーカルはやや押さえ気味なんで、余計に強調されて聞こえる。
 (私は、ブンブンしてて、ラストがフェイドバックするシングルの方が好き。)

 なんかこうやって改めて振り返ってみると、けっこういい仕事してる。
 第三者ならではの発想とか、ポールやジョンの突っ込みやダメ出しが、
 なかった分、 事後報告で済ませられたことが、彼にとっては吉と出たのでは。
 (後でポールが激怒して訴えたけど、遅いよポール。 もっと早く言わなきゃ。)
 しかし残念だけど、人間的には“真の悪党”になってしまった・・・。
 天国のジョンとジョージは、どう思ってんだか。

 腐ったリンゴの方程式。
 難解だが、どう解いても、答えは「破滅」と導かれる。

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2009/05/01 Fri. 14:00 [edit]

Category: ビートルズ

Thread:洋楽  Janre:音楽

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