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“音の壁”の中から聖なる贈り物。 

    A CHRISTMAS GIFT FOR YOU from PHIL SPECTOR 

         

     White Christmas  Darlene Love
     Frosty The Snowman   The Ronettes
     The Bells Of St.Mary   Bob B. Soxx And The Blue Jeans
     Santa Claus Is Coming To Town   The Crystals
     Sleigh Ride   The Ronettes
     Marshmallow World   Darlene Love
     I Saw Mommy Kissing Santa Claus   The Ronettes
     Rudolph The Red‐Nosed Reindeer   The Crystals
     Winter Wonderland   Darlene Love
     Palade Of The Wooden Soldiers   The Crystals
     Christmas (Baby Please Come Home)   Darlene Love
     Here Comes Santa Claus   Bob B. Soxx And The Blue Jeans
     Silent Night   Phil Spector And Artists

 早いもんですね。 今年もそろそろクリスマスが近づいてきました。
 この時期、皆さんはどんなクリスマス・アルバムを聴かれます?

 私は、ずっと決まってます。  もう十年来ずっと同じ。 
 ビーチ・ボーイズの「CHRISTMAS ALBUM」。
 フィル・スペクターの「A CHRISTMAS GIFT FOR YOU」。
 大滝詠一の「ナイアガラ・カレンダー」。  この3枚に、
 達郎さんの「クリスマス・イブ」を足せば事足りる。  毎年コレばっか。

 ナイアガラ系のアーチストに興味を持ち始めてから、ずっと変わってないんだけど、
 どれも定番中の定番で、ベタ中のベタ。 しかし、いいものは永遠にいいんです。
 (「ナイアガラ・カレンダー」はクリスマス・アルバムじゃないけど、
   年末の締めくくりというか、1年を振り返るって意味なんだけど・・。)

 ビーチ・ボーイズのと、大滝師匠の作品は、かなり前にレビューしてますので、
 (「夏の五重奏をもみの木に飾って。」  「趣味趣味音楽でポップス歌暦。」
 後の一枚は、このフィル・スペクターの大傑作クリスマス・アルバムの紹介です。
 前回からの流れもあるんだけど、 またまた“音の壁”の話によろしくお付き合いを。

 ポップス界の天才プロデューサーにして、“最高の奇人”フィル・スペクター、この男。

  

 ユダヤ系ロシア人の移民の子としてNYに生まれる。長い鼻に大きな耳。
 自分の容姿に強いコンプレックスを持ち、神経質で気まぐれだった彼は、
 一方で豊かな音楽の才能に恵まれ、多数の楽器の音を少しずつブレンドさせ、
 かつエコーの深い独特のサウンドを創り上げる。
 いわゆる「ウォール・オブ・サウンド」という手法をで生み出した。

 セルフ・プロデュース作品を全米1位に送り込んだのがなんと18歳の時。
 数年間のソング・ライター期を経て、60年代に入ると、プロデューサーとして大爆発。
 61年にフィレス・レコードを設立。 63年に、60年代ポップスの代表曲ともいえる、
 ザ・ロネッツの「Be My Baby」を作り出した。 コレが、彼の最高傑作だろう。

 そのサウンド・メイクは革命的かつ偏執的。 ここまで、音にこだわる奴はいない。
 編曲、オーケストレイション、イコライジング、バランス、ミキシング、エコー処理、
 果てはジャケット・デザインに至るまで、全てを徹底的にコントロール、支配する。
 (この異常なこだわりは、「スタジオに置いてある灰皿のデザインまでも指示した」
  なんてエピソードもあるくらい。) その偏執ぶりは、ステレオ録音が主流に
 なっても、モノラルにこだわり続けた。

 しかしある意味、今日のロック・サウンドとロック・ビジネスの基礎をたった一人で
 創り上げた偉大な人間であるともいえる。

 彼はスターを手掛けるというより、自らのアイデアを実現するべく、自分が主導権を
 握るガールズ・グループに曲を与える、というスタイル中心に活動をしていた。
 (80年代後半の英国のユーロビートの先駆者、ストック・エイトキン・ウォーターマン
  や、日本でいったら、全盛期の小室ファミリーや、
  つんく♂の「ハロー・プロジェクトなんか、
 このスペクターのスタイルに影響されたものだろう。)

    
  
 コレは「クリスタルズ、ロネッツなど人気グループが集まったクリスマス・アルバム」
 じゃなくて、「フィル・スペクター・ファミリーのウォール・オブ・サウンドに
 包まれたクリスマス・アルバム」という捉え方が正確。 この圧倒的音圧。 凄い。
 このシャープでクリアな音が主流な時代に、正直、時代遅れのこもりがちな音が、
 ちょっと気になるかもしれないけど、これこそ、ポップスの王道。 本物はコレ。

 それは、まるで天国のようなアルバム。 一分の隙間のない“音の壁”の
 ただでもゴージャズなスペクター・サウンドによる、夢のクリスマス・ソング集。
 メンバーの殆どがR&Bテイストの黒人シンガーで、ヴォーカルのパンチも最高。
 オープニングのダーレン・ラヴの“White Christmas”の歌い出しから
 ノックアウト間違いなし。 どの曲も定番のクリスマス・ソングばかり。
 楽しくないわきゃない。 そうじゃないモノ、彼が許すわけがないのだ。
   
 ボビー・ソックスの、“The Bells Of St.Mary”で泣かせといて、
 クリスタルズの“サンタが街にやって来た”がこれまた、いいんですよ。
 セリフ、怒濤のオープニング、(ハル・ブレインの素晴らしいドラミング!)
 そして、サビのシャウト。 スペクターのアレンジ力に天才さが溢れ出している。
 でも究極は、ロネッツの“サンタがママにキスをした”。 これまたブラボー。
 ソウルフルなヴォーカルに流麗なストリングス。この曲の間奏のストリングスを
 聴くと、「これぞポップスのあるべき姿」と考えてしまう。

        

 そして最後を飾るのが、“Silent Night”に乗せて、 自慢げに、
 「Hello , This is Phil Spector・・」で始まる本人のご挨拶。 ご丁寧に・・。
 ここらへんが「奇人」とか、「変人」とか言われるんですよ、全く。
 インナー写真で自らサンタの格好してるし、しかもヒゲには提唱し続けた
 「モノラルへ帰ろう~Back to MONO」のバッヂつけて、はいポーズ。
 こいつ、ほんとは出たがりなんだろうなぁ。
 (このアルバムに、追加でジョン&ヨーコの“Happy X'Mas”をプラス編集したら、
  あなたのスペクターのプロデュースのクリスマス・ソングは、ほぼ完璧です。)

 最後に、そんな彼が後にビートルズの「LET IT BE」を手掛けることになるけど、
 ついでに、少し触れておきますと。 (話がダブるとこもありますが)

 実際のところ、彼は67年頃から事実上、音楽業界から引退状態にあったんだけど、
 69年に一時的にカムバックして、英国ではまだ人気が継続していたということや、
 当時のビートルズの経理担当だった(敏腕かつ悪徳だったが)アラン・クラインが、
 スペクターと繋がりがあったこともあり、ジョンも以前から、“音の壁”に興味を
 持っていたのをきっかけに、70年1月、ジョンの3rdシングル“Instant Karma!”の
 プロデュースを依頼(ジョージの強い推薦もあった)。 その仕事振りに感服した
 ジョンは、放置しっ放しだった「GET BACK」の再リミックスを任せたのだった。
 (もちろん、ポールの相談なしで。 そのころ彼は、アビーロードの別スタジオで
  「McCARTNEY」のトラック補正をしていたのだ。 誰にも気づかれずに・・。)
    
 その作業は3月23日~4月2日の間に行われ、遂に「LET IT BE」が完成するが、
 その現場には、ジョージと何故かアレン・クラインしか立ち会ってなかったそうだ。
 つまり現場の責任者としては、ジョージ・マーティンもグリン・ジョンズも蚊帳の外。
 その辺が、後々まで確執を生み出す要因にもなっていくんだけど・・。

 彼の奇人ぶりはすでに伝説の域に達していた。 彼は少しでも気にさわることが
 あると、持ち歩いているピストルを振り回した。 ジョンの「ROCK'N ROLL」の
 レコーディングでは、ジョンと意見が合わずイラついたのか、おろうことに
 ジョンに銃口を向け威嚇して、スタジオの天井をピストルで撃ち抜き、気に入らない
 出来のマスター・テープを持ったまま姿をくらましたという有名なエピソードもある。
 (ただこの時のジョンもドラッグと酒浸りで手に負えない状態だったが・・。)

 30代にして音楽業界からスッパリと足を洗い、ビバリー・ヒルズの豪邸で隠遁生活を
 始めたというスペクター。 この男の末路など書く気にもならないけど、
 なんという哀れな男だろう。 そして、音楽史に偉大なる功績を残しているだけに、
 心底残念に思う。 天国のジョンとジョージはどう思ってるんだか・・。

 これから塀の中で過していくクリスマスに、彼は何を思うんでしょう・・。

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2009/12/10 Thu. 21:49 [edit]

Category: 60年代ROCK。POPS

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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この記事に対するコメント

知らなかった

どうもm(_ _)m

私はザ・ロネッツの「Be My Baby」で彼を知りました
別口カバーでしたがその後は巨匠として認知しております。

ジョンの話、知りませんでした。興味深い話ですね。
しかも今年、禁固刑受けていたとは寝耳に水です

ジュンビキ #- | URL | 2009/12/11 16:47 * edit *

 >ジュンビキさん。
 この頃のジョンは、音楽人生最大のスランプ期でした。
 ヨーコさんとも別居して、LAに移って荒れた生活を送ってたようです。
 なので、ジョンもスペクターに負けず、奇行が伝えられましたが・・。

 あの時、スペクターが本当に引き金を引かなかったのが救いでしたが、
 結果的には・・。  はぁ・・。  同情の余地もありません。  

たか兄 #- | URL | 2009/12/11 21:28 * edit *

フィル・スペクター物語読ませていただきました。
いつも長文をアップする たか 兄 さんの 筆力に
感心します。
話変わります。昨夜テレビで思わず『大原 麗子』特集を見ました。
フィル・スペクターとダブったところがずいしょにありました。

ミキタカ08 #- | URL | 2009/12/12 21:40 * edit *

 >ミキタカ08さん。
 いつもお褒めの言葉をいただきありがとうございます。
 そして、いつも長文にお付き合いいただき感謝しております。

 でも、もっとコンパクトに書かなきゃとは思ってるんですが・・。
 読んでいただける方も疲れるでしょうし。 でも、書き出したら止まらなく
 なってしまうし・・。  しかし、読みやすさ、わかりやすさだけは気をつけてます。
 またご意見ください。
 
 

たか兄 #- | URL | 2009/12/13 13:30 * edit *

追伸

たか兄さん、書き込みありがとうございました。

追伸になりますが
加入してるケーブルTVでまさに犯罪者としてのフィルの特集を見ました。
(USプログラム)

感慨深いものがありましたが若い頃から「病んでいた」みたいですね。

ジュンビキ #- | URL | 2009/12/14 05:40 * edit *

 >ジュンビキさん。
 彼の場合、音楽的才能の高さより、構築力とセンスでアーチスト像を
 造り上げた人。 こういう人は変わった人が多いのかも。
 酒もドラッグもひどかったようですし、突き詰めていくと行き場がこんな
 とこにしかいかなくなるんでしょう。 重ね重ね残念でなりません。

たか兄 #- | URL | 2009/12/14 21:49 * edit *

はじめまして♪

ここでははじめまして^^
スペクターのクリスマスソングもいいですね。
ロネッツの「ママがサンタにキッスした」、聴いたことありますよ。なかなかいいですねー。
スペクターってそうだったんですかー。初めて知りました。
ピストル振り回していたんですね。
本当にジョンとジョージはどう思っているのやら・・・。^^;

saya #Pe0og0Jg | URL | 2009/12/17 22:32 * edit *

 >sayaさん。
 ようこそ、いらっしゃいませ。  コメントどうもありがとうございます。
 ダラダラと書いてるゆる~いブログですが、正統派音楽ブログの王道のつもりでおります。
 いつでもお立ち寄りください。

 ロネッツのメイン・ボーカルだったヴェロニカは、別名ロニー・スペクター。
 フィルと結婚してましたよね。(しかし74年に離婚しますが)
 あの“Be My Baby”の歌録りは、なんと42回もやり直したそうです。
 偏屈な奴と結婚すると、やっぱ大変なようです。 (別れて正解。)

 sayaさんのページ、勝手ながらリンク貼らせていただきました。
 また寄らせてもらいますんで、よろしく!
 

たか兄 #- | URL | 2009/12/18 20:31 * edit *

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