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子供にわかってたまるもんか! 

         WHAT'S GOING ON       MARVIN GAYE

           

            What's Going On
            What's Happening Brother
            Flyin' High (In The Friendly Sky)
            Save the Children
            God Is Love
            Mercy Mercy Me (The Ecology)
            Right On
            Wholy Holy
            Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)

 先日、ある飲み会での出来事なんですが、うちの会社の若い野郎が、ある女性に
 「ブラック聴くなら、マーヴィン・ゲイの「WHAT'S GOING ON」だね・・。」
 こう言って、“口説いてる”のが、ふと耳に入りまして。
 別の話で盛り上がってたのに、あの2人が寄り添って、ヒソヒソやってんですよ。

 ちなみに、自分の音楽趣味について、あまり人に口にすることはしてないんです。
 (ましてや、こんなこと書いてることなんか、会社の人など誰も知りません。)
 
 へぇ~・・。 こんな趣味あるんだぁ・・、と思ったんだけど、
 話が聞こえてくるうちに、どう考えても、これを好感度アップの材料か、
 口説きのアイテムとして利用してるだけっぽい感じになってきたんで、 
 面白くなってきて、ちょっと試してやろっと思い、
 「ふ~ん・・。 その「WHAT'S GOING ON」って、どんな感じの曲なの?」
 って、ちょっと割って入ったら、 アイツ、得意気な顔して、
 「あれは、永遠のラブソングなんすよねぇ・・。 ぜひ女性に聴いてほしいっすね。」
 「・・・。(いい加減にしろ!)」  心の中で激しいツッコミを入れたのでした。

 正直。 私しゃ、そんなにブラック・ミュージックに精通してるわけじゃありません。
 しかし、先に「ROCK」と出会ってしまったばかりに、言い方は悪いんですけど、
 “後回し”になっただけなんで、 BLACKを知ることで、「ROCK」もより深く
 認識、確認することができたと思います。
 今、ギター抱えて、中指立ててるキッズ諸君も、軽くでもいいんで、一度はBLACKの道
 を辿っておくといい。 損はしません。 よりROCKの奥深さが理解できるはずです。
 (私のBLACKとの出会いは、スティーヴィー・ワンダーでした。)

 私が彼の音楽と出会ったのは、「モータウン」を遡っていくうちになってからで、
 更に、ほんとに良さが分かるようになってきたのは、最近になってから。
 なので、あまりエラそうなこと書けないんですが・・。
 そんなこんなで、“アイツ”が久々のBLACKのネタの火種をくれたんで、
 今宵は、私なりのマーヴィン・ゲイの話に、よろしくお付き合いを。


 「クール、、メロウ、かつ、スィートネス = 孤高で悲劇の“愛と性の伝道師”」

 一般的に彼を表現したら、こんな感じで表したらいいんだろうか。
 (だから、口説きのアイテムと、誤解されちゃうんだろうけど・・。)

 これは、いわゆる「天才ミュージシャン」と言われる人には、なぜか多いんだけど、
 この人も、紆余曲折と波乱に飛んだ起伏の激しい人生を歩んだ一人でして。
 私は、彼は「トラウマと生きた人生」だったと思う。

 その根源は、「彼の父親」にあった。 しかも、“屈折”した人だったみたい。
 牧師ということで、社会的にも影響ある立場にありながら、とにかく厳格。 キツイ。
 従わぬなら、暴力で服従させるいう側面があっても、なんと女装癖もあるという
 性的倒錯者だった。  これじゃ、まともに“育つ”わけありません。
 マーヴィンの性格は、そんな影響からか、とても繊細で傷付き易い「破滅型」。 
 わからなくもありません。

 しかし、父の影響から、聖歌隊で歌いだし、楽器も覚えます。 そして、歌手の道へ。
 ドゥーワップっぽいバンドを経て、あのムーングロウズに参加。 そして、あの
 設立間近だった「モータウン」のベリー・ゴーディJrに紹介されるわけです。
 ドラマーとして仕事を初め、なんとすぐに、ベリー・ゴーディ・Jrの娘アンナと
 すぐに結婚。 61年にソロ・デビューした。
 (彼女が18歳も年上だったこともあったり、彼自身めちゃくちゃモテる男だったので、
  だんだん結婚生活がもめて、最後は離婚問題に至るわけですが・・。 )

 62年あたりからヒット曲が出て来て、64年の“悲しい噂”が大ヒット。
 あと、“Ain't That Peculiar”や“Pride and Joy”とか“Your Precious Love”
 などなど、ヒットを連発します。 彼が一番得意なのは、ナット・キング・コール
 みたいな、ジャジーでシルキーな曲。 元々、スタンダード・シンガーを目指してた
 といいます。 明らかに、良い子悪い子で分けると“良い子”の歌ですよね。
 まだ、背景に教会を背負っているところがあると思うんだけど、マーヴィンは
 ほんとは、これがやりたかったんですよ、きっと。 ただそれも、
 忌まわしい幼児体験から来るものだと思うんですが・・。

 そして、彼を成長させた、もう1つ影響として、モータウンの女性ミュージシャンとの
 デュエット作品だ。 メアリー・ウェルズ、キム・ウェストンなんかと歌ってるけど、
 中でも、一番彼に影響を与えたのは、私生活でも“できて”しまうタミー・テレルだ。
 この2人のコンビネーションは、後にデュエットするダイアナ・ロスさえ超えられない
 ほど、深いものだった。
 
 しかし、彼女は70年3月16日脳腫瘍で亡くなります。 
 これがとてつもなく大きかった。
 これを境に、彼女の死を境に、彼は別人のような生活を送るんです。
 酒やドラッグに溺れたり、その挙げ句に、歌を辞めて、
 元々フットボール選手志望だけども、プロボクサーになりたいとか、
 変なことを言い始めたり・・。
 そのうちに、誰もわからないくらいに、人の前に出なくなるんです。

 また、70年って年は、モータウンにとっても、今までは、“やることなすこと”が
 ヒットしていたんですが、ヒット曲が出なくなるんですよね。
 モータウンも岐路に立っていた年なんです。
 そして、彼の評価もこれが、“前半”の山(“第一”って言った方がいいかな)。

 しかし、どん底のマーヴィンが、また起き上がります。
 「新しい音楽を創り出したい」という強い創作意欲だったのかも知れないけど、
 持ち前の完璧主義が復活し、作曲、アレンジから演奏まで、プロデューサーとして
 徹底したコントロールがなされ、初のセルフ・プロデュース作品である、
 「WHAT'S GOING ON」を生み出すんです。
 (セルフ・プロデュースは、スティーヴィー・ワンダーも、ほぼ同時期に始めたと
  思うけど、“初”としての完成度は、こちらの方が上だと思う。)
 ゆえに、このアルバムの評価が誉れ高いのは、黒人ミュージシャンとして、
 初めて「コンセプト・アルバム」を制作した意義にあること。

  

 マルチ・トラック・レコーディングを採用して、奥深いサウンドをベースに、
 当時、激化する一方のベトナム戦争に対する反戦、行き詰まる公民権運動、すでに、
 この時期から環境問題(エコロジー)まで展望した危機感、メッセージ性など、
 さまざまな社会的難題を「問題提起」する旗の下、
 ただネガティヴに惨状を嘆くのではなく、あくまで前向きな意思を語る彼の姿が
 勇ましくも美しい。 彼の歌声は、“癒し”でもあるんですよ。 
 そこに、“愛”があるんです。 (“愛”を履き違えちゃいけません)
 
 巧みな編集により、最初から最後までとぎれなく続く楽曲。 大編成のオーケストラ
 を基調とした華麗でゴージャスな雰囲気をバックに、何度も繰り返した多重録音で、
 彼のヴォーカルが幾重にもなってシルキーに夢幻的に包み込み、独特な浮遊感が被う。
 (アレンジャーである、デイヴィッド・ヴァン・ドゥピットの貢献が大きい)
 
 「 ねぇ、母さん。  なぜ、こんなに多くの人が涙の雨を降らせるの?
  仲間も次から次へ死んでいく。 こんなのもうたくさん。 戦争は解決法じゃない。
  一体、何が起こってるんだろう。 
  今ここで、人々に愛が降り注ぐ方法を考えよう。 」

 これが、あの“What's Going On”のメッセージだ。

 ゆったり漂うグルーヴに、甘いサックスがイントロを奏で、メジャー・セブンスの
 コードが醸し出す、幸福なビートに乗せて、やがて、彼が優しく入ってくる。
 ”ベトナム”という深刻なテーマを歌っているけど、あくまでフィーリングは
 ソフト&イージー。 説得力あるサビを歌い上げてから、大きく転調し、
 ファルセット・ヴォイスが天空を舞う。 これは何度聴いても背筋がゾクゾクしまう。

 そして、特筆すべきはこのアルバムで縦横無尽に弾きまくるジェームス・ジェマーソン
 のベースだ。 モータウンの多くの名作の中で鍵を握っているジェマーソンだが、
 ここではその持てる能力を最大限発揮した弾む ベース・ラインを“効かせている”。

        

 ルート音と簡単な5度の繰り返ししか弾いていなかった、それまでのベース・スタイル
 を根底から覆すような彼のベースは、、まさに驚異としか言いようのないもので、
 複雑な構成音やリズムを駆使していながら、ラインに装飾的に付く技術。
 (32分音符を独特なリズムを跳ねさせるテクは、グウの音も出ない。 凄いプレイ。
  ジャコもこれには敵わないだろうなぁ。)
 それにも関わらず、決してメインを“邪魔することのない”彼のプレイは、
 まさに、天才の称号がふさわしいベーシストであると思う。 こんな“裏方の鉄人”で
 ありながら、2000年に、サイドマン部門でロックの殿堂入りしているのも当然なのだ。

 マーヴィンは、以後「アルバム」という場に、自己表現の可能性を見出していく。
 次回作の、これも大傑作の「LET'S GET IT ON」は、“セックス”がテーマだし、
 76年のリオン・ウェアとのコラボだった「I WANT YOU」もそうだ。
 でも、こんなエロい方向に向かっていっても、品がいいんですよ。 艶がある。
 だから、クールでかっこいいんです。 (そりゃ、モテますわ)

 確かこの頃に、ダイアナ・ロスが、“You Are Everything”っていうのを大ヒットさせた
 と思うんだけど、「♪You Are Everything・・。」ってマーヴィン・ゲイと
 ダイアナ・ロスが、耳元で囁き合うようなやつがあったじゃないですか。 
 あれって、“真っ最中”に囁きあってるようなんだけど、すごくかっこいい。 
 全然下品じゃない。  それが、マーヴィンの尊敬されるところじゃないかなぁ。

   

 とはいえ、78年のアンナ夫人との離婚劇をテーマにした、「HERE,MY DEAR」
 (邦題「離婚伝説」)は、恨みつらみがてんこ盛りの内容で、みじめなんですよ。
 (ディランの「血の轍」も、情けない未練たらたらのラブソングばっかでしたが)
 しかも2枚組で、長い時間タラタラ、ネチネチやられたら、アンナさんも
 たまったもんじゃない。 音楽センスは素晴らしいんだけど、男気なんてゼロ。

 この辺から、また下降線を辿っていき、彼の人生も凄惨を極めていくんだけど。

 税金滞納で差し押さえを食らったり、二人目の奥さんとの結婚も破たん。
 この後、身を潜め、ハワイの浜辺でワゴン車の中で寝泊まりしてたり、
 イギリスで、また“薬”に手を染めたりと、生活は荒れる一途を辿る。
 おまけに、あの「モータウン」とも、こじれちゃって断ち切られるはめになり、
 もう再起は不可能とも言われたらしい。

 しかし、「捨てる神あれば、拾う神あり」です。
 ベルギー人のプロモーター兼マネージャーとの出会いによって、彼は再々度、
 シーンに返り咲きます。 82年CBSと契約し、当時、先端を走ってたシンセを導入
 した意欲作「MIDNIGHT LOVE」をリリース。 あの“Sexual Healing”を
 大ヒットさせます。 (確か、この年のグラミー賞で、常連だったスティーヴィー
 や、飛ぶ鳥を落とす勢いだったマイケルを抑えて、R&B男性部門で受賞したのは、
 いかに彼が崇拝され、音楽的評価の高いミュージシャンだったかがわかります。)

 この時、彼は43歳。 これから円熟期に入り、まさに、これからっていう時でした。

 病弱な母を殴る、あの“父親”を止めに入ったマーヴィンと口論になった末に、
 彼は、父親に射殺されるのです。 その銃はマーヴィンがプレゼントした銃で。
 84年4月1日。 明日が誕生日という日・・。 あまりに酷な最期でした。

 アイツが、この記事を読んでることは、120%ないと思うけど、
 あの魂の曲を、口説きアイテムに使っちゃいけませんよ。
 (“Lets Get It On”ならまだしも・・。)
 いかんいかん。 アツくなってしまいました・・。

 彼は、どんなに怒っていても、クールでした。 大人でしたから。

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2010/01/17 Sun. 13:40 [edit]

Category: BLACK

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

TB: 0  /  CM: 2

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この記事に対するコメント

No title

私もマーヴィン・ゲイを何曲か取り上げましたが、
たか 兄さんのように
こんなに詳しく調べることはできませんでした。
しかし、父親に殺されるとは最大の悲劇です。
もし、生きていれば、もっともっと活躍したと思います。

ミキタカ08 #- | URL | 2010/01/18 22:37 * edit *

No title

 >ミキタカ08さん。
 いつもありがとうございます。
 亡くなった当時は、ROCK小僧だったんで、
 あまり存在の大きさを認識してませんでしたが、
 BLACKを学ぶうちに、彼の偉大な功績と、あまりに
 酷な最期に愕然としました。  惜しい。 ほんとに惜しい。 
 スティーヴィー・ワンダーにも劣らぬ才覚とセンスの
 持ち主だったと今でも思っています。

たか兄 #- | URL | 2010/01/19 19:56 * edit *

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