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秘密の窓を隠し持つ、陶酔と幻惑のアパート。 

       PHYSICAL GRAFFITI    LED ZEPPELIN

          

            Custard Pie
            The Rover
            In My Time Of Dying
            Houses Of The Holy
            Trampled Under Foot
            Kashmir

            In The Light
            Bron-Yr-Aur
            Down By The Seaside
            Ten Years Gone
            Night Flight
            The Wanton Song
            Boogie With Stu
            Black Country Woman
            Sick Again

 書いてませんでした・・。   レッド・ツェッペリン。
 約4年前に、頭とお尻のアルバムを書いっきり、そのままにしてました・・。

 一昨年には、一度きりの再結成もありましたが、ブログ断筆中だったんで、
 全く触れずじまいでしたし、なぜか記事にするまで時間がかかってしまいました。
 でもようやく、“重い筆”を上げて、久し振りにZEPを語っていこうと思います。
 今宵は、“偉大なるロックの巨神”レッド・ツェッペリンの巻。 よろしくお付き合いを。

 では、どれを書いていこうかと考えたんですが、久し振りだし、ここは肩肘張らず
 素直に一番好きなアルバムで書いてくことにしました。

 アトランティックとの契約がアルバム5枚で満了して、彼ら自身のレーベルを設立。
 その「スワン・ソング(SWAN SONG)」レーベルからの第1弾アルバムである、
 「PHYSICAL GRAFFITI (フィジカル・グラフィティ)」。  
 「物理的な落書き」と訳していいのか。 いや、「肉体の展覧会」とも訳せるか。
 どちらにしろ、なんとも想像力を掻き立てるタイトルだ。

 彼らのアルバムは、どれも一筋縄では説明できない奇妙な作品ばっかなんだけど、
 コレもそう。  けっこう、コレを最高傑作に推す人も多いようです。
 しかし私にゃ、聴き始めはどうも馴染まなくて、好きじゃなかったんだけど、
 どういうことか、いつの間にやら、一番好きなアルバムになってまして。 
 これも、彼らの神通力なのか、はたまた、「嫌よ嫌よも、好きのうち」なのか?
 なんとも不思議な魅力を持った2枚組だ。
 
 まずは、アナログ当時のギミック・ジャケット(特殊ジャケット)が目を引く。

   

 このアルバムで描かれている風景は、
 実際にあるニューヨークのセント・マークス96番地にあったアパート。 
 アパート前のごみ箱や非常階段の感じ、消火栓、入り口の作り(彫刻)に、
 入り口の階段に座り込む人など、とてもいい感じ。 味がある。
 そのアパートの窓がくり抜かれ、内袋に印刷された写真が見えるわけです。 
 表面は昼間の風景だけど、裏面は夜の風景になってる。 2度おいしいワケ。
 アルバム自体が2枚組なので、内袋が2種あって、いろいろ差し替えて楽しめる。
 印刷されているイラストや写真は、かなり有名なものが多く、
 もちろんメンバーの写真も含まれている。  でも、凝り過ぎだって、コレ。
 このアルバムの発売が延期された理由が、「ジャケット制作の遅れ」ですもの。
 今じゃ、有り得ないですって。

    

 このアルバムを語る上でのキーワードは、
 「限りなき実験精神」と、「ワールド・ワイドな雑食性」。
 彼らには、単なる普通のハード・ロック・バンドという括りにとらわれない、
 特異な音楽性と、奥深いルーツを図り知ることができる。

 これは、よく知られている事ですが、当初は2枚組の構想ではなかったって事。
 しかし、曲が出来上がってきた時点で、アルバム1枚半くらいの曲があり、
 いつもなら、何曲かを諦めて1枚に収めるけれど、これまでのアルバムでも、
 漏れた曲が何曲かあったんで、それらを集めて2枚組としてリリースされた。

 もともと、このセッションで録音された曲は次のとおり(収録順に羅列)
  Custard Pie
  In My Time Of Dying
  Trampled Under Foot
  Kashmir
  In The Light
  Ten Years Gone
  The Wanton Song
  Sick Again
 それに、以前のアルバムのアウト・テイクを引っ張り出してきて、
 70年の「Ⅲ」のセッションから、
  Bron-Yr-Aur
 71年の「Ⅳ(俗名)」のセッションから、
  Down By The Seaside
  Night Flight
  Boogie With Stu
 73年の「聖なる館」のセッションから、
  The Rover
  Houses Of The Holy
  Black Country Woman
 の7曲を加えて、完成された。

   

 多様な音楽性とルーツは、黒人音楽から東洋音楽までに至る。 それは、
 ブルースからファンク、海を越えて、アラブやインド音楽までも飲み込んでしまう。

 “Custard Pie”は、非常にZEPらしいハード・ロックだけど、古い南部ブルースを
 巧妙に改作して、ハープやクラヴィネットでアクセントをつけて、ヘヴィーに唸る。
 “In My Time Of Dying”は、ディランのデビュー作でも取り上げたフォーク・
 トラディショナル 。 これもZEPは原曲を勝手に引用して、もうやりたい放題。
 11分強と非常に長いが、起伏に富んだルーズさと、“決めるとこは決める”、
 メリハリのある演奏で、全く飽きさせない。
 ペイジのスライドと、ボンゾのパワフルで変則的なドラミングのコントラストが凄い。

 “Trampled Under Foot”は、ZEP流創作ファンク。 この曲に、ファンクに対する
 リスペクトなんてものは全く感じられず、あくまで音楽構築の要素として、
 うまく拝借してるだけ。 ずるいんですよ、ZEPは。 おいしいとこだけ持ってく。
 ジョーンジーのクラヴィネットの使い方なんて、あの“迷信”そのもの。

 そして、“Kashmir”だ。  文句なく、このアルバムの最重要曲。
 ギターの変則チューニング によって繰り出されるリフと、アラブ風ストリングスを
 同時に上下させて、更にケルト(多神教)やインド音楽をも意識した音階を踏んだ、
 永遠のトランス性。 ポリリズム。 夢幻の官能性。 まさに「光」と「影」。
 ちょっと“ラーガ・ロック”でもやってみました、なんてレベルを超越した偉大な曲だ。
 (“In The Light”でも、プラントのインドやケルト趣味が強く、ドローン攻撃の連続)

 アウト・テイクの曲も、なんでお蔵にしてたのか、もったいない曲ばかり。
 “Bron-Yr-Aur”や、“Down By The Seaside”、“Black Country Woman”での
 絶妙なフォークやアコースティック・アレンジは、彼らの“白人的ルーツ”を
 垣間見れるし、(“Down By The Seaside”は、ここではエレキ処理されてるが、
 もともと「Ⅲ」の時に作られたんで、概念としては、アコースティックの曲だろう)
 “6人目のストーンズ”として愛されたブルース・ピアニストの、
 故イアン・スチュワートのホンキー・トンクなプレイがフューチャーされた
 “Boogie With Stu”も 聴きごたえ十分だ。

 考えてみると、ジミー・ペイジは、ZEPを結成する際に、フォーク色の強いバンド
 にするか否か、非常に悩んだという。
 ペイジ自身、フォーク(アコースティック)に対する想いは相当強かったけど、
 結局は、ハードな路線に向かった。大多数のファンは、それで正解だったと思ってる
 だろうけど、彼らのフォーク・アレンジに凝縮された中身の濃さは、思いの深さが
 伺える。 今聴くと、ハードな路線は、パープルやサバスに任せといて、ZEPは
 もっとトラディショナルなフォーク路線を探求していっても、違った歴史を
 築けたんじゃないかな、面白かったんじゃなかったかなとも思う。

 このアルバム全体的に肩の力が抜けたリラックスした雰囲気で覆われて、そのため、
 雑多な要素が盛り込まれることになり、良く言えば、多様な音楽が混在し、今までに
 見られなかった側面なども出てくるけど、悪く言えば、ゴチャゴチャしてて散漫な
 印象も。 ただ私しゃ、ビートルズのホワイト・アルバムだってそうだけど、
 これくらい、いろんなジャンルの要素が聴けて、この振り幅の広さは嬉しい限り。
 ZEPの“雑食性”が、後のロック・サウンド構築に与えた影響は少なくないはずだ。

 ZEPのアルバムの歴史は、実験とその成果の繰り返しの歴史でもあるんだから。
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2010/03/14 Sun. 22:01 [edit]

Category: レッド・ツェッペリン

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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