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愛しのコミカル・キャラ姉さんが歌う陽気な60'Sポップ。 

    YOU BROKEN MY HEART IN 17 PLACES  
                      TRACEY ULLMAN


         

          Breakaway
          Long Live Love
          Shattered
          Oh, What a Night
          (Life Is a Rock) But the Radio Rolled Me
          Move Over Darling
          Bobby's Girl
          They Don't Know
          (I'm Always Touched by Your) Presence Dear
          You Broke My Heart in 17 Places
          I Close My Eyes and Count to Ten        

 近年、なかなか突き抜けて明るいポップな曲って少ないように思う。
 80年代って、バブルになり始めて、好景気で浮かれ出した社会の時代だった
 ような気がするんだけど、良い時代だったんじゃないかなって思ったり。
 (少なくとも、今の時代よりは・・)
 
 黒いの白いの。 軽いの重いの。 いろんな音楽が世にあふれてました。
 音楽も世相を反映してか、巷に明るい曲もたくさんあふれてた。
 そんな中、50~60年代リバイバルもけっこう流行ってました。 
 ロカビリーや、シンプルなロックンロール・バンドもいっぱいいたし。
 良質なガールズ・ポップ・シンガーもたくさん出てきたのも80年代。

 トレーシー・ウルマン。  ご存知でしょうか。
 80'sマニアの方なら懐かしく思われる方も多いでしょうが、
 当時イギリスの人気コメディ・タレントで、83年に突如歌手デビューして、
 オールディーズ中心のとびきり明るいガールズ・ポップでヒットしました。
 今宵は、そんな愛しのコミカル・キャラ姉さん、トレーシー・ウルマンで
 ポップに参りたく思います。 よろしくお付き合いを。

    

 トレーシー・ウルマン。 現在でも幅広い分野で活躍してる喜劇女優。
 '59年12月30日生まれのイギリス人で、12歳から演劇を学び、16歳で舞台デビュー。
 その後ミュージカルに多数出演して、80年にはテレビ番組にも進出して、
 コメディ番組で人気者になっていたこの時期、歌手としての活動もスタートさせます。

 83年2月に“Breakaway”でレコード・デビュー。
 この曲は、オールディーズ・マニアに方はご存じでしょうが、ジャッキー・デシャノン
 の作曲で、64年にソウル歌手アーマ・トーマスのヴァージョンを基に、オリジナルより
 ビートが効いていて、スピード感満点の傑作ゴー・ゴー・チューン。 
 ちなみに、アーマ・トーマスで代表的な曲と言えば、ストーンズがカバーした
 あの“Time Is on My Side”が一番有名かもしれませんね。

 これがなんと、知る人ぞ知るパブ・ロックの名門「STIFF」からのデビューだった。


 ちなみに、「STIFF」についてですが・・。
 76年にDr.フィールグッドの初代マネージャーだった・ジェイク・リビエラと
 デイヴ・ロビンソンが興したインディ・レーベルで、当時ロンドンのアングラ・シーンで
 パンク・ブームの橋渡しになるパブ・ロック界の雄ニック・ロウを専属プロデューサー
 に迎え、ダムドやイアン・デューリー、そして、エルヴィス・コステロを輩出した。
 70年代後半のインディ・ムーヴメントのリーダー的存在の名門レーベルだ。

        

 しかし、パブ・ロックやパンクにこだわらず、ブリティッシュ・ビートやスカ
 (マッドネスが、STIFF中期の顔になるが)、そして、ポップスの分野にも拡大し、
 (トレーシー・ウルマンのプロジェクトもその一環)、サブ・レーベルの配給も始め、
 一時はアメリカから、あの“頭脳派変態バンド”DEVOも“輸入”して所属していた。
 その姿勢は「面白ければ何でもいい」という、小回りのきいたスタンスで、
 イギリスのみならず、世界中の“インディ”シーンに影響を与えた。
 (87年にアイランドに買収されて傘下になると、レーベルも閉鎖してしまう)
 

 そんな彼女が歌手デビューを果たした記念すべき作品であり、当時イギリスでは
 有名人だったものの、他の国々では、ほとんど無名に近い存在だったトレーシーに
 世界的な知名度をもたらしたのが、このアルバム。
 
 80年代といえば、音楽的アプローチ、レコーディング技術が飛躍的に進化した結果、
 打ち込み中心の人工的な無機質サウンド、いわば“作られた音”が蔓延した時代。
 でも、彼女の作品はそれに逆行するような、人の温もりを感じさせるヒューマンな
 プロダクションだった。(彼女の明るいキャラクターも歌に反映されてる)
 取り上げていた楽曲がオールディーズ中心だったこともあるんだけれど、
 そんなスタンスが当時のリスナーには逆に新鮮に映り、彼女の歌手としての
 ブレイクに繋がったのではないかと思う。

 彼女って、ズバ抜けて歌が上手いというワケではないんです。 
 ただ表現豊かで少し高めのキュートな歌声は陽気なオールディーズ・ポップスとの
 相性が抜群。 バラード曲は別としても、オールディーズの魅力は楽しい雰囲気や
 ワクワクした気持ちにさせてくれるところだと思うんで、彼女はまさにピッタリ。

 簡単に言ってしまえば、マニアックなオールディーズのカバー集なんだけど、
 不思議と古さを全く感じさせない。 これは、今聴いても変わらない。

 しかし何といっても、この曲。  名曲は死なず。
 彼女の最大のヒット曲となった“They Don't Know”(夢見るトレーシー)。
 この究極的ドリーミー・ポップで、私のハートは鷲掴みされてしまったんです。

       

 彼女にとっては、2ndシングル(アメリカではデビュー曲)にあたるこの曲。
 初めは、これも隠れたオールディーズの名曲のカバーなのかなって思ったけど、
 実は、オリジナルはイギリスの名女性シンガー・ソングライターである
 カースティ・マッコールの79年のデビュー曲だ。 
 (“You Broke My Heart in 17 Places”では、楽曲提供とプロデュースも担当)

  
 カースティ・マッコールについて補足しますと・・。

      

 イギリス人では珍しいんではないかと思う、ギター系女性シンガーソングライター。
 その歌声は、フリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーに似てる感じで、
 やや湿ったナチュラル・ヴォイス。 79年にデビュー後、83年にSTIFFへ移籍。
 ニック・ロウ無き後のSTIFFのポップ部門の屋台骨を支えていたのは彼女だった。
 トレーシーの2枚のアルバムに参加したり、良質なギター・ポップを提供します。
 旦那さんは、あのU2やピーター・ガブリエルで有名な“ドラム革命”を起こした
 敏腕プロデューサーのスティーヴ・リリィホワイト。
 STIFFからポリドールに移籍後、旦那と制作した「A NEW ENGLAND」の大ヒットや、
 87年にポーグスとのクリスマス・シングルでの交流でヒットしたのも有名です。
 日本での知名度は低かったんですが、懐が深い女性シンガーソングライターでした。
 しかし残念なことに、2000年にボート事故による不慮の事故で他界しています。


 60年代のブリル・ビルデイング・ポップの影響を受けたソング・ライティングで、
 女性ボーカル・グループがそのまま歌えそうなオールディーズ風に作られてる。
 (トレーシーも、ほぼ完コピです) 間奏後に、ブレイクして「Baby!」と、
 歌われるところは、カースティのオリジナル当時のバッキング・トラックを
 ほぼそのまま使っているそうで、ミディアム・テンポ調の60年代ポップ・ソング
 へのオマージュいっぱいの、覚えやすくて、とてもキャッチーな曲だ。

 そう言えば、この曲のPVの最後に、なんとポールがちょっとだけ顔を出すんですよ。
 何でもポールの84年の主演映画「Give My Regards to Broad Street」に彼女が、
 出演したので、そのお返しの意味もあったみたいです。

           

 他にも、極上のマニアックなオールディーズのカバーが並ぶ。
 “Long Live Love”はサンディ・ショウの65年のヒット曲をキュートに歌い、
 “Oh, What a Night”はシカゴの名門ドゥー・ワップスのデルズの初期の傑作
 バラードのオリジナルを、かなり大胆なアレンジして、60'sポップ調に。
 日本でも有名な“Bobby's Girl”(ボビーに首ったけ)は、どのカバーよりも
 スピーディに展開して、痛快ポップに仕上がってる。
 (アルバム・プロデューサーがラッシュやクィーンズライクなんか手掛けてた
 ピーター・コリンズが担当してるんで、ドラムのキッキングなんかが、
 どの曲もロックばりにフックが効いてて、メリハリがある)

 などなど・・、どの曲を聴いても楽しく、ちょっぴり切ない60'sの淡い世界観を
 80年代に蘇らせて、我々を楽しませてくれた”あの頃”がギッシリ詰まっている。

 普通コメディアン(TVタレント)が、“シャレ”で曲を出したり、アルバムを
 出すことがいまだに多く見受けられるけど、まぁ、“ひとつのお約束的行事”
 だったりするのがほとんど。

 しかし、トレーシーは違った。 そんなレベルじゃなかった。

 このアルバムの完成度は、そんじょそこらのポップ・アーティストより遥かに
 高いレベルで、制作からアレンジまで“隅に置けない”密度の濃い内容で、
 私も当時軽い気持ちで買ったら、それが、とんでもない“お宝”だったワケです。

 (現在入手しやすいベスト盤では、ジャケットは、このアルバムのまんまだけど、
  RHINOから出てる収録曲の多い「The Best of Tracey Ullman」が一番かな)

 だからこそ、80'sマニアはもちろん、通好みのオールディーズ・マニアから、
 STIFFマニアまで、25年以上経った現在でも多くのファンがいて、2006年には、
 紙ジャケとして再発される立派な名盤として聴き継がれているのだ。
 (プラス効果として、彼女のブレーンとして参加していたカースティ・マッコールの
  再評価にも繋がったという、思わぬ副産物も提供してくれた)

 実質、彼女が歌手として活動していたのは2~3年。アルバムは2枚。シングルは8枚
 (全て英国基準)と、残念ながら、非常に短く少ない活動で終わってしまったが、
 彼女が音楽シーンに残した足跡は、いまだに消えることなく、
 輝かしい80sプレートにしっかりと刻まれている。
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2010/05/07 Fri. 16:08 [edit]

Category: 80年代ROCK、POPS

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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