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鋭い眼光に美しい手。 平和の魂と黒のインパクト。 

         TUTU     MILES DAVIS

         

             Tutu
             Tomaas
             Portia
             Splatch
             Backyard Ritual
             Perfect Way
             Don't Lose Your Mind
             Full Nelson


 ・・・。  プレトリアで見事に散った、我ら青きサムライたち。 
 
 労を惜しまないハードワークと、オーガナイスされた守備組織。
 スピードと集中力と連動性。  これが、日本のサッカーの真髄。
 “応急処置”ではあったが、チームは、試合ごとに“覚醒”し、
 最後は、チームが“ひとつ”になれた。
 目指す方向性は正しく、ポテンシャルの高さは、世界に証明できた。
 しかし、その“限界”が証明されたことも、大きな収穫だった。
 あとは、大舞台での経験と“個”の力の向上が不可欠だろう。

 W杯は、ベスト8が出揃い、これから“真”のトップレベルの戦いが始まる。

 まだまだ、余韻が冷めないんで、
 今回も、南アフリカのネタで参ります・・。


 前回、一昔前の南アの人種隔離政策(アパルトヘイト)に強く反対していた
 スティーブ・ビコについて話をしたが、もう一人、重要な人物がいる。

 デズモンド・ムビロ・ツツ。

 ツツも、アパルトヘイトに強く反対していた平和運動家だった。
 マイルスも、この政策に強く反対していたアーチストの一人。
 反アパルトヘイト運動のキャンペーンのレコーディングに以前参加した
 マイルスの “人種差別、偏見” に対する切実な思いが、願いが、
 このアルバム・タイトルに、魂と共に込められている。
 今宵は、晩年のマイルスの傑作「TUTU」の話に、よろしくお付き合いを。

 まず、このジャケット。  凄いインパクトだ。 

 「黒くて、何が悪い」 とでも言わんばかり。 無言の迫力。

 南アフリカの反アパルトヘイト運動の旗手だった、ツツの名をタイトル名に
 したのも、 そうしたコンセプト、マイルスのメッセージが込められている。

 このモノクロ写真は、世界的カメラマンのアービング・ペンによるもので、
 コンセプト・デザインを担当したのは、アーティスト・ディレクターの石岡瑛子さん。
 「顔と手」を素材に、マイルスという人間の凄みと存在感を表現した見事なアートだ。

       

 TUTU。  デズモンド・ムピロ・ツツ。
 1931年、ヨハネスブルグ生まれの大主教。
  「南アフリカは、黒人、白人を問わず、そこに住むすべての人々に属する」
   という文言で始まる、“自由憲章”を発表。
 1984年に、アパルトヘイトの解決に向けて、指導的役割を果たした功績が
 認められて、ノーベル平和賞を受賞。
 しかし、1988年には、ケープタウンで反アパルトヘイトデモをして、
 逮捕され、釈放。(90年、ネルソン・マンデラ現大統領も、28年ぶりに釈放される)
 口癖は、「手遅れにならないうちに、白人よ、目覚めよ」である。

 86年に、ワーナー移籍後の第一弾アルバムに、“魂”のタイトルを命名した。

 かなり久し振りに聴き直してみたが、これが、実にカッコいい音なんですよ。
 80年代に入って、さらに電気的な音が導入され、常に新しいサウンドに挑戦して、
 “変わり続ける”マイルス。 この当時、60歳の誕生日。 なんて熱いんだ。

 「その場で努力したり、頑張るな。」 「考えるな。 感じろ。」
 「ただ、やれ。(Just Do)」

        

 そうやって、“ジャズ”じゃないことを次々とやって、
 “ジャズ”にしていったマイルス。
 やはり、マイルスは“ジャズ”を演奏していたのではなく、
 マイルスの演奏することが、“ジャズ”なのだ。

 サンプリング音の人口的な響きは、少々耳につくけど、この都会的雰囲気と、
 この無機質なトラック感と、配色のコントラスト。 やっぱカッコいい。
 そして、金属的なトーンの混ざり具合といい、微妙に揺らぐ部分と
 マイルス独特の“間”ですよ。 突然の“飛び込み”。 この抜群のセンス。
 空間を自由に泳ぎ舞うミュート。 この孤高の響きは、とてつもなくクールだ。

 また、ジャズ・ミュージシャンにありがちな、ロックやポップ・サウンド
 への“偏見”も、マイルスには、全くない。  
 マイルスは“ジャンル”分けが大嫌い。 全く関係ないのだ。
 むしろ、いい曲、いいメロディは、貪欲に取り入れる。 カバーして、
 自分の曲にしてしまうのだ。 (マイケルやシンディの名曲だってそう)
 スクリッティ・ポリッティの“Perfect Way”も、ここまでクールに
 やられてしまうと、元歌の“味”を忘れてしまうくらいだ。

      

 この「TUTU」でのマイルスのプレイは、ややラテンの影響を受けているようで、
 それが、この作品にコントラストとなる“明るさ”を与えている感じもする。

 しかし、「TUTU」をマイルスのアルバムと言うのが、正直難しいという人も多い。
 というのも、このアルバムは、若きマーカス・ミラー(当時27才)が、
 フェンダー・ベースだけでなく、キーボード、サックス、リズムマシーンなど、
 全てを作り上げ、その上に、マイルスのトランペットがソロで乗っかってる感じで、
 マーカス・ミラーのアルバムに、マイルスが“いちソリスト”として参加している
 のが正しいと言うのだ。
 (今までのマイルスは、レギュラー・バンドとのライブ録音というスタイルだった)

 私は、この意見とは、少し違ってて・・。

 これを、マーカス・ミラーが“全て”やっていたんだとしたら、、サウンド全体の
 トーンが、もう少し違って来たと思う。(もっとR&B、ファンク色が強くなるような) 
 確かにマーカスが、サウンド・メイキングを、大幅に担当している。
 マーカスって、個性的でテクを際立させる花形プレイヤーって印象があるけど、
 実は、相手に合わせた音作りの能力が、凄く高いセッション・マンの顔もある。
 表情、輪郭は変えずに、曲を上手くコントロールするような、
 バキっと太くて、芯のある低重心のベースを中心に広がるクールなライン。
 しかし、相手にキッチリ合わせた音作りやプレイの配慮するようなプレイヤーだ。

        

 けっしてマーカス一人で、このアルバムのベーシックを作っている訳ではなく、
 アダム・ホルツマンや、ジェイソン・マイルスらのシンセサイザー隊や、
 オマー・ハキム(ドラムス)などが、適材適所で機能しているし、
 “Backyard Ritual”は、完全にジョージ・デュークがプロデュースしてる。
 マイルス、マーカス、ポーリーニョ(パーカッション)を除いた楽器は、
 全てジョージが担当しているワケで。

 悪く言えば、この当時のマイルスは、新しい音を“創る”のではなく、
 “見つけるだけ”だったのだが・・。

 ただ、若きマーカスを“パートナー”として選定したマイルスの眼力は褒めるべき。
 下手すると、チープになりかねない、このアプローチをここまでクールに
 仕上げたセンスは高く評価すべきだろう。

 ( マイルスがワーナーに移籍してからのアルバム「TUTU」、「AMANDLA」は
   なんと、マイルスのオリジナル曲は1曲も入っていない。
   ここが、マイルス・マニアの間では、批判の的になっているんだけど・・。
   ほとんどの曲を、マーカス・ミラーが書いて、プロデュースした。
   何故か・・?。
   実は、ワーナーに移籍、契約した際に、アルバムの出版権を弁護士が
   ワーナー側に 渡してしまったらしく、 それが、マイルスは気に食わなかった。
  「契約を更新し直すまでは、俺のオリジナルは入れてやらないぞ」ということだ。
   マイルスは、けっこうお金にうるさかったようで、
  「俺は一流の仕事をする。 だから、ギャラも一流の金をよこせ!」         
   ということなのだろう。                         )

      
 
  「 いつも新しい音を探しているんだ。
    何が新しいかって?  それは、俺だけしか知らない。 」

 80年代初頭に、6年ほどのブランクを経て復帰したマイルスがCBSで吹き込んだ
 「THE MAN WITH THE HORN」や「WE WANT MILES」とは、かなり異なった世界
 を構築。 長年在籍していたCBSでは成し得かったサウンドを追求した結果だ。
 時代感覚の先へ行こうとする貪欲さを感じさせるスピリッツは衰えを知らない。
 
 ただ本音を書くと、“先見性”や“意欲性”としては、CBS時代の作品の方に
 私はずっと魅力を感じる。

 60年代末期から70年代のかけて、ファンク色が強く、よりリズムを強調した
 スタイルで、フュージョンとは一線を画く、刺激的でハードだった、
 いわゆる「エレクトリック・マイルス」期の方が、込められた“魂”や、
 音の“生命感”は、ダイレクトに伝わってくるからだ。

 晩年のマイルスを、“帝王の老後の余興”というマニアの方も多い。
 しかし、たとえ“余興”であっても、私たちは、背筋を伸ばし、心を研ぎ澄まし、
 “感じる”べきなのだ。

      

  最後に、マイルスの手は美しかった。
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2010/07/01 Thu. 13:33 [edit]

Category: マイルス・デイヴィス

Thread:JAZZ  Janre:音楽

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