スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/-- --. --:-- [edit]

Category: スポンサー広告

TB: --  /  CM: --

top △

汚れなき面の裏にある破壊と功罪。 

          THE BEATLES           THE BEATLES    

                   amazonへ


 通称「ホワイト・アルバム」
 真っ白のジャケの右隅に打ち出しのバンド名と通しナンバーの
 刻印があるだけ。
 これほど、痛烈に皮肉ってるタイトルもない。
 タイトルにバンド名をそのまま使用するのは、大体、バンドの
 初心に帰ってやり直す快心作か、バンド名に誇りたる自信作かくらいだ。 

 はっきり言おう。 これは、ビートルズのアルバムではない。
 ここには、全体を包む、4人によるアンサンブルも協力も調和もない。
 (あまりの身勝手さに、あのマーティン氏さえ、途中匙を投げたくらい) 
 ビートルズという大きな傘の下で4人が出し合った寄せ集めにすぎない。
 もっと言えば、この後に始まる、あの無駄にダラダラと続く、GET BACK
 セッションや、ポール主導でも、結束して、有終の美を飾った、
 「ABBEY ROAD」の方が、よほど、“ビートルズ”である。

 二枚組で全30曲。
 曲順や曲間にいたるまで、絶妙のバランスで配置されている。
 それは、様々な音楽の玉手箱のごとく、音楽のカオスそのものだ。

 しかし、彼らを聴けば聴くほど、知れば知るほど、
 これほど、愛着が湧き、魅かれてしまうアルバムはない。
 4人それぞれが、ミュージシャン・シップとしての自覚が生まれ始め、
 (レコーディング機器や録音技術の発達も手伝って) 4人が集まって、 
 “せーの”で録らなくても、部分的に録って消して、切り貼りして、
 つないでといった作業が簡単になり、 ポールなんか、全パートを
 一人でまかなってしまえる環境になったのも、
 “らしさ”を消してしまった原因の一つだろう。

 ポールは、自由奔放。 やりたい放題。
 チャック・ベリーとビーチ・ボーイズを茶化した“Back In The USSR” 
 とことん能天気なカリビアン・スカ“Ob-La-Di,Ob-La-Da”
 お得意の生ギターで、“Blackbird”なんか一人でさっさと済ませ、
 “Birthday”はどんちゃんロックンロール・パーティーから、
 とにかく騒々しい、元祖ヘビメタ“Helter Skelter”
 シルクハット片手にヴォードビル“Honey Pie”と。
 全部は書かないが、良くも悪くも、このアルバムを百貨店状態に
 させてしまってる。 ただ全部、うまいんだな、これが。
 モノにしてしまってるのだ。 ポールの才気は底なしです。

 ジョンは、やはりヨーコさんとの出逢いが大きい。
 と言うより、後の人生も変えてしまった。
 明らかに行き過ぎた前衛曲“Revolution 9”と亡き母の想いを
 彼女に求める“Julia”は、ヨーコさんの影響が顕著だ。
 “Dear Prudence”や“Cry Baby Cry”など名曲を残すが、
 覚醒効果からなのか、過激で自虐的内容の曲が増えてくる。
 もろドラッグと猥褻を連想させる“Happiness Is A Warm Gun”は、
 あり得ない転調と変拍子を繰り返しながら、キレまくる彼に、 
 後に、恒久の愛と平和を唄う姿のカケラもない。

 ジョージは、あの二人で埋もれていた才能が開花し始める。
 “While My Guitar Gently Weeps”は、ギターの為のギターの曲。
 ここで、生涯の盟友クラプトンと出逢う。
 ねじれてファンキーな“Savoy Truffle”は、隠れ名曲。

 リンゴは、 初の書き下ろし“Don't Pass Me By”を発表するも、
 居場所を失くしてしまった。(極秘に一時辞めちゃってる)
 しかし、ジョンからプレゼントされた“Good Night”での歌声で
 どれだけ心が安らぐか。 革命の後には平和が訪れるのだ。

 そんな中にも、ジョンの“死にたい節”炸裂のエセ・ブルース曲
 “Yer Blues”での、ねちねちとしたギターのせめぎ合いや、
 パワー全開のドライブハード“Everybody's~My Monkey”では、
 ジョージとジョンのギターは狂ったように突っ走り、リンゴの
 カウベルはけたたましく打ち続く。それをポールがまとめあげる。
 この強烈なグルーヴは、初期のアンサンブルとは異なり、
 ロックバンドとして、成熟した姿が伺える。 
 うまいわ、やっぱ。 腐っても、ビートルズなのだ。
 
 でも、アナログ盤の内開きにあるポートレートは、4人別々。
 もはや、バンドとして成立していない。
 このアルバムは、今後4人の音楽活動を、すでに予言している。
 愛しくも、罪深いアルバムだ。
   
スポンサーサイト

2005/09/27 Tue. 15:40 [edit]

Category: ビートルズ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

TB: 2  /  CM: 4

top △

この記事に対するコメント

はじめまして。

訪問履歴から来ました。
最初はつまみ聴きしかせず「全然面白くない」と思ったのですが、流して聴いているうちに突然快感に変わったのを覚えています。ビートルズの中では「アビー・ロード」の次によく聴くアルバムです。
貴兄のブログ、リンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
またお邪魔します。

rollins1581 #8CajLaZ2 | URL | 2005/10/05 02:11 * edit *

こちらこそ。

 >rollins1581さん
 ご訪問ありがとうございました。 
 特にビートルズにこだわってるわけでもないんですが、
 よろしくリンクしてくださいまし。
 そちらのブログも拝見させてもらいました。
 JAZZに造詣があって、勉強させてもらいました。
 また、寄ってくださいな。

たか兄 #- | URL | 2005/10/06 00:21 * edit *

長文の鋭い「ホワイト・アルバム」論、
一気に読ませてもらいました。
そうか、そんな観点もあったのかと、目かウロコでした。

ミキタカ08 #- | URL | 2009/09/18 20:11 * edit *

 >ミキタカ08さん。
 いつもいつも、コメントありがとうございます。
 ちょうど4年ほど前に書いたんですが、あの当時と変わらず今でも、罪深くも
 愛しいアルバムだと思ってます。
 今回のリマスターでも、このアルバムのリマスターが一番楽しみでした。
 (マニアを意識したか、ワザととしか思えんMONO版のヴァージョン違いがどうなってるのかも)
 その辺のことも、また書いてみたく思ってます。

たか兄 #- | URL | 2009/09/19 16:27 * edit *

top △

コメントの投稿

Secret

top △

トラックバック

トラックバックURL
→http://slanky.blog18.fc2.com/tb.php/21-64ab55d9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

小次郎という人間(バンド編)

音楽って素晴らしい!!をテーマにこのブログをお送りしております。みなさん、こんにちわ、どうも小次郎です( ̄▽ ̄)V 今回は自分自身の音楽感について語りたいと思います。小学生時代から THE BEATLES を聴き込んでいた小次郎は、もうずっとバンドに憧れていた訳です。ギタ

裏・彷徨える淡き独り言 | 2005/10/04 09:23

クリスマスにはホワイトアルバム

昨夜はイブ。そして今日がクリスマス。何を聴こうか迷った挙句、ブライアン・セッツァーなんかで軽く盛り上がった後、雪は積もってなかったんですが何となく「ホワイト」繋がりで

元祖 めれんげの酒と音楽な日々 | 2005/12/26 21:21

top △

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。