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秋の夜長に、追悼と癒しのアコースティックの調べ。 

         UNPLUGGED      ERIC CLAPTON 

          

          Signe
          Before You Accuse Me
          Hey Hey
          Tears In Heaven
          Lonely Stranger
          Nobody Knows You When You're Down & Out
          Layla
          Running On Faith
          Walkin' Blues
          Alberta
          San Francisco Bay Blues
          Malted Milk
          Old Love
          Rollin' & Tumblin'


 ようやく、秋めいてきましたね。
 秋の夜長。 しんみりとアコースティックの調べに耳を委ねてみるのはいかがでしょう。


 そういえば、クラプトンの新譜が出ましたね。 
 いや~、“老い”と“枯れ”の境地。 “我が道を往く”という姿勢が素晴らしい。
 サイモン・クライミーから離れて、ドイル・ブラムホールⅡの協力を仰いで制作
 したことが、この激シブ路線に拍車をかけてると思うけど、己のルーツの
 “源流探しの旅”も、とうとうここまで来たかって感じ。  
 得意のデルタ・ブルースやスワンプはもとより、デキシーランド・ジャズまでやってる。
 ラストのイブ・モンタンで有名な“枯葉”なんて、大人のためのBGMの極み。
 秋の夜長に、いつまでも浸っていたい気分になる。
    
      

 ただ・・。 もうロックンロールは飽きちゃったのかなぁ・・。
 堅実で、ここぞという要所とツボを知り尽くしたプレイは堪能できるけど、
 もう弾きまくるクラプトンは聴けないのかなとも・・。
 (そんな意味でも、今年のクロスロード・フェスのDVD化は嬉しいニュースです)

 こうして、スタンダート化してきてる昨今のクラプトンを聴いてきて思うのが、
 クラプトン本人は、けっして意識してはいないと思うんだけど、
 自然と、彼に“癒し”を求めている人が増えてきてるんじゃないかなぁってこと。
 
 エレクトリックにこだわった、クラプトンのギタリストとしての偉大なる功績や、
 紆余曲折の波乱な人生を学んだ私としては、“癒し”というキーワードは、
 彼には、ちょっと当てはまらないなぁと、思っているんですが・・。  

 やはり、クラプトンにこのキーワードを印象付けた作品はコレでしょう。
 クラプトン史上最も売れて、日本に異常ともいえる空前のアコギ・ブームまで
 巻き起こした(あのモーリス製ギターの生産が間に合わなくなったくらい)
 このアルバム。 あまりに定番すぎて、あえて今までスルーしてきましたが、
 コレは、一度キッチリ書いとかなきゃと思ってました。

 いい機会です。  今宵は、しっとりと、
 究極のギター求道者であるクラプトンの“アコギの安らかな響きと職人芸の極み”。
 「UNPLUGGED」にて、よろしくお付き合いを。


 plugged(プラグド)= プラグを挿す。 プラグイン。
 電気楽器には、演奏必要不可欠なプラグ配線を差し込み口に挿すということだ。
 そして、その逆が、Unplugged(アンプラグド)。 そのプラグを抜くという意味で、
 ジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラの発案で、1989年に放送開始された
 アコースティック中心の“生”の楽器演奏スタイルを基調にしたライブ・プログラムだ。

 まず本作を紹介するにあたって、91年3月に彼の身に降りかかった大きな悲劇を語っておく
 必要がある。
 「24 NIGHTS」の音源となった、計24回のロイヤル・アルバート・ホールでの公演が
 終了した直後、実の息子である当時4才のコナー君がニューヨークのマンションの
 バルコニーから転落死するという不慮の事故が発生してしまう。

 ただでさえ前年(90年)の8月には、交流の深かった名ブルース・ギタリストである
 スティーヴィー・レイ・ヴォーンが事故死し、胸を痛めていたクラプトンだっただけに
 更なる追い打ちをかける、この最愛の息子の悲劇が、彼にどれほどのショックを
 もたらしたかは想像を絶する。

 それからクラプトンは、アコースティック・ギターを手にすることが多くなったという。

 息子を亡くした事故以後、その傷心を癒やすため休暇を取っていたクラプトンは、
 マネージャー所有のヨット「SIGNE(シグネ)号」の船上で曲を書いていった。
 (このアルバムのオープニングのインスト曲のタイトルにもなった)
 すると、自然と彼の中からオリジナル曲もいくつか生まれていくことに。

       

 そうして書かれた一曲が、今や彼の代表曲として知られている“Tears In Heaven”。
 コナー君に捧げた、あまりに切なくも、力強いメモリー・ソング。
 息子の死を受け入れて、その後の人生を歩んでいけるきっかけとなった曲。
 この曲が書けなければ、今のクラプトンはなかっただろう。
 (これは予想の域だけど、Aメロとサビはクラプトンが書き上げてると思うけど、
  繋ぎの部分は、ウィル・ジェニングスがサポートしたんじゃないかなと。
  彼は、ラス・タイトルマンの右腕的ソングライターで、共作クレジットにもなってる)

 サントラ盤「RUSH」で既に発表済みで、シングル・チャート全米2位の大ヒットもしたが、
 この「UNPLUGGGED」で、更に脚光を浴び、クローズアップされることになる。

 バックを務めたのは、ネイザン・イースト(ベース)、スティーヴ・フェローン(ドラムス)
 のお馴染みのメンバーに加え、今やローリング・ストーンズのツアー・メンバーとして
 名を馳せるチャック・リーヴェル(オルガン)、レイ・クーパー(パーカッション)、
 そして、アンディ・フェアウェザー・ロウ(ギター)を右手に添えて、
 ケイティ・キッスーンとテッサ・ナイルズ(バック・ヴォーカル)の7人編成。
 クラプトンとアンディのギターは、ピックアップを使用せず、弦にマイクを近づけて
 音を拾うという、完全な“アンプラグド”録音だった。
 (“Unplugged”とはいうものの、チャック・リーヴェルのオルガンだけは、
  “Plug In”だったが、素晴らしいアクセントだったんで、全然OKでしょう)

 クラプトンが選択したアコギは、ヴィンテージもののマーティン 000-42という名器。
 他にも、リゾネーター・ギター、ナイロン弦・ガットギター、12弦マーティンなど、
 素晴らしい名器を披露した。
 
 彼は元来、フィンガーピッカーじゃないんで、アコギでも殆どピックを使って弾いている。
 しかしここでは、流暢で見事なフィンガー・ピッキングを披露している。
 失礼承知なんですが、彼がここまで綺麗に“爪弾ける”とは、少し驚いてしまった。 
 この理由は「指で弾いたら、良い音がしたからさ」と当時のインタビューで、
 クラプトン本人が語っていますが、彼のプレイの幅が更に奥深くなったのも大きい。

    

 1992年1月16日、ロンドン郊外のプレイ・スタジオにて、MTVの看板企画番組の収録が
 約2時間に渡り、録り行われた。

 収録セットリストはこうだ。

  Signe (take1)
  Before You Accuse Me
  Hey Hey
  Tears In Heaven (take1) ※
  Circus Left Town ※
  Lonely Stranger
  Nobody Knows You When You're Down And Out
  Layla
  Signe (take2) ※
  My father's Eyes (take1) ※
  Running On Faith (take1) ※
  Walking Blues (take1) ※
  Alberta
  San Francisco Bay Blues (take1) ※
  Malted Milk (take1) ※
  Signe (take3) ※
  Tears In Heaven (take2)
  My Father's Eyes (take2) ※
  Rollin' And Tumblin'
  Running On Faith (take2)
  Walking Blues (take2)
  San Francisco Bay Blues (take2)
  Malted Milk (take2)
  Worried Life Blues ※
  Old Love               ※は、アルバム未収録

 この完全収録盤は、海賊版で多く出回っているので、耳にすることも可能だが
 実にリラックスして、落ち着いた雰囲気の中、収録されたことがわかる。

 シグネ号で書かれたオリジナル曲“My Father's Eyes”と“Circus(Left Town)”は
 ここで初披露された。 この初期のアコースティック・アレンジの出来は秀逸。
 このまま“オクラ”にするのが惜しいほど素晴らしいけど、息子とのメモリアル・
 アルバムになる、次回作「PILGRIM」で収録する予定だったようで、この2曲は
 オフィシャル化は持ち越されてしまうことになる。

   

 オープニングの“Signe”で、軽やかなスリー・フィンガーの流麗な音色を生かした
 サンバ調のインストゥルメンタル小品でスタート。 まずは肩慣らしといったとこ。
 今回、シグネ号で書かれたオリジナル曲は、あと“Lonely Stranger”もそう。
 歩むべき姿を宣言する、力強いセルフ・エンカレッジ(自らを勇気づける)・ソングだ。  

 やはり半分以上は、古いブルース・トラディショナルで占められている。
 ギターを握り始めた少年時代のクラプトンが、必死にコピーして練習した曲ばかり。

 ボ・ディドリーの“Before You Accuse Me”や、クリームの頃やったマディ・ウォーターズ
 の“Rollin And Tumblin'”なんかは、余裕綽綽。 なかなか手慣れたもの。 
 私の個人的には、ドミノス時代にもやった“Nobody Knows You When You're Down And Out”
 が、実に洒落てて、ジャジーなアレンジが心地よく、一番のハイライト。 酒が旨い。
 (ギター・ソロでピックに持ち替えるあたりは、切り換えが上手いんだ、コレ)

 マディ・ウォーターズで有名な“Walkin' Blues”も、アコギ一本で渋く表現できるのは
 さすがだし、ラグタイム風でキメる“Alberta”や、シャッフル・アレンジが軽快な
 クラプトン自らカズーを吹いて歌う“San Francisco Bay Blues”なんかでは、
 チャック・リーヴェルのオルガンも聴き物だし、バンド・アンサンブルも見事。

 クラプトンが愛され続ける理由の一つは、とかく難しそうなブルースの敷居を下げて、
 我々にも、聴きやすく導いてくれたところだ。
 
 忘れちゃいけないのが、“Layla”だろう。  これには、意表を衝かれました。
 ワンオクターブ下げて、シャッフルっぽく4ビートにトーン・アレンジしただけで、
 こんなに新鮮味があふれ、感動を与えるのだ。 狂おしく感情まかせにシャウトする
 オリジナルもいいけど、ゆっくり心の内側を曝け出すように切々と歌うのもいい。
 「JOURNEYMAN」収録の“Old Love”も歌われているが、アコースティックの響きが
 恋人を失った男のリアリティを浮かび上がらせる。 まるで、傷を癒すかのように。
 
    

 長いキャリアを経ても、少年の頃と同じスタンスでブルースを歌う純粋なクラプトン。
 幼い息子を失うという悲劇を、音楽を作り続けることで自らを救った強いクラプトン。
 しかし、過去の女々しい横恋慕ソングを、いつまでも歌ってしまう弱いクラプトン。
 
 1年前は、上下ベルサーチを身に纏い、リリシズムにあふれ、破綻なき完璧な演奏で
 オーディエンスは、ただひれ伏すのみの、まさに“神”が降臨したステージングだった。
 しかし、ここは、まるでリヴィング・ルームで普段着のまま、アコギを爪弾くような
 親近感と優しさに包まれた空間で満ち溢れている。 “神”との距離が極端に近くなった
 瞬間でもある。

 ただ歌いたかっただけなのだ。 弾きたかっただけなのだ。

 このアルバムの一番素敵な点は、そんな”ナチュラル(自然体)”そのまま、
 ありのまま、等身大のクラプトンしかいないところだ。
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2010/10/05 Tue. 23:54 [edit]

Category: エリック・クラプトン

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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この記事に対するコメント

No title

たか兄さん、こんばんは。
クラプトンとはすっかり疎遠になってしまっていて新譜もまだ手が伸びないのですが、ずいぶん枯れてしまっているのでしょうか。
この“アンプラグド”はよく聴きました。これ以降世間がクラプトンに癒しを求めるファンが一気に増えたのですが、わかる気もします。このアルバムでのクラプトンは、歌うこと弾くことで自らが癒されているから。癒してあげましょうなんておこがましいもので人は癒されない、良かれ悪かれ誰かが傷つきながら癒されている姿が癒しの効能を持つのだろうな、なんて思ったりします。

goldenblue #- | URL | 2010/10/13 00:23 * edit *

No title

 >goldenblueさん。
 いつも丁寧なコメントありがとうございます。
 クラプトンの伝記を読んだことがあるんですが、
 ほんとに彼の人生は、紆余曲折。 波乱に富んでます。 
 彼は精神的に弱いというより、難しい人なんですよ。 移り気が激しいし、わがままな人。
 天才って言われる人は、そういうタイプが多いのかなとも。
 “ギターの神様”と崇められる一方で、ドラッグで廃人同然に陥ったり、
 立ち直るも、プレッシャーに勝てず、次は極度のアル中になってしまい、
 克服するまで、また苦闘してる。 更に、息子さんまで亡くして。
 様々な困難を乗り越えてこないと、あんなオーラは出ない。 哀しいんですよ。
 ギターが泣いてますもの。 だから、癒されるんでしょうねぇ。

たか兄 #- | URL | 2010/10/13 14:55 * edit *

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