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遊び心に溢れた才気と夫婦愛。 

               RAM       PAUL & LINDA McCARTNEY
            
                  amazonへ

           Too Many People (トゥー・メニー・ピープル)
           3 Legs (3本足)
           Ram On (ラム・オン)
           Dear Boy (ディア・ボーイ)
           Uncle ALbert/Admiral Halsay 
                  (アンクル・アルバート/ハルセイ提督)
           Smile Away (スマイル・アウェイ)
           Heart Of The Country (故郷のこころ)
           Monkberry Moon Delight (モンクベリー・ムーン・デライト)
           Eat At Home (出ておいでよ、お嬢さん)
           Long Haired Lady (ロング・ヘアード・レディ)
           Ram On (ラム・オン)
           The Back Seat Of My Car (バックシート)

 たぶん、世界一“間”の悪い名盤だ。  時期が悪かったよ、ポール。
 つくづく、これがソロ・デビュー作なら、印象が違ってただろうと思う。
 “Maybe I'm Amazed / Every Night”の強力なカップリングのシングルか、
 これに、“The Lovely Linda”、“Junk”、“Teddy Boy”を加えたEPか10インチで、
 ソロ・デビューして、“Another Day”の第2弾シングルの次に、
 待望のフル・アルバムが、「RAM」だったらなぁ・・。

 発表は71年5月。 70年後半に入って元ビートルの面々が、
 個性ある作品を発表した。 ジョンは、あの自己内面の嘘偽りのない真実を吐露した、
 歴史的名盤「ジョンの魂」を。 そしてジョージは、隠された才能を見事に開花させた、
 これも歴史的名盤「オール・シングス・マスト・パス」を。 
 リンゴも、大好きだったカントリー&ウエスタンで好評を得た、
 「カントリー・アルバム」を発表。
 皆、独得のカラーでそれぞれの道を歩み始めた。

 一足早く(フライング気味・・)ソロ・デビューしたポールだが、
 好調なセールスとは裏腹に、マスコミや批評家には、完全に悪者扱い。
 “ビートルズ解散のA級戦犯”のレッテルは貼られっぱなし。
 おまけに「McCARTNEY」で肩透かしをくらい、信用もガタ落ちのポールに、
 名誉挽回とばかりに、この「RAM」はかなりの自信作だったそうだ。

 しかし、評判は“散々”だった。
 他のビートル達と比べられるのは(特にジョンと)、運命として仕方ないとはいえ、
 当時のロック・シーンでの時代背景では、あまりに緊張感がなく開放的な作品では、
 ロック・スターの道楽や暇つぶしにしか聴こえなかったんだろう。
 ほんとに、要領の悪い奴です。 ポールという人は。

 この「RAM」は、後のウィングスや再びソロとして現在も活躍している、
 ポールの音楽史のすべてが詰まったプロトタイプともいえるし、
 遊び心満載のアイデアと才気が冴え渡った悶絶ポップ・ワールドだ。
 こんなアルバムが作れるのは、世界でポールただ一人だろう。
 
 ポールとリンダに加え、デヴィッド・スピノサ(g)、ヒュー・マクラッケン(g)に、
 後にウィングスに参加するデニー・シーウェル(ds)をゲストに迎えて、
 引き締まったアンサンブルを聴かせてくれる。

 曲も粒揃い。 アルバムというのは、とにもかくにも、どれだけ優れた曲があるかだ。
 まずノッケから、フックの効いたドタバタ・ロック“Too Many People”で始まる。
 転調の連続とチューニングの微妙に合ってないギター・ソロも強烈だが、
 明るい中にも、“ジョンに一言物申す”的屈折ナンバーでもある。
 「やたら説教じみたことを言う奴らがいる」とか「ぶち壊したのは僕じゃない」とか・・。
 これは、ジョン怒るよ。 当然、倍以上にしてやり返されたけど。

 次のポール風エセ・カントリー・ブルース、“3 Legs”でもブツブツ・・。
 これも陽気だけど、3 Legsとは、当時のビートルズのこと。
 3本足の犬に喩えて、「3本足の犬なんて、走れっこない」とか、
 「友達だと思ってたのに、がっかりだよ」と皮肉たっぷり。

 ビートルズ・ファンとしたら、少し複雑な思いにさせられるが、
 (ジョンの“How Do You Sleep?”もそうだけど)、
 当時の険悪な関係だったら、仕方のない現実で、
 こうでもしないとストレスの出所がなかったんだろうなぁ・・。
 曲としては優れているだけに、客観的にみたら、いいアクセントになってる。

 他の曲も聴きどころだらけ。
 ウクレレで不思議な世界へ誘う“Ram On”、ブライアン・ウィルソンの影響が大の、
 これもジョンを批判した曲だが、リンダとのコーラスの絡みが見事な“Dear Boy”、
 ポールのメドレー好きが効を奏した“Uncle~Halsay”は、SEやストリングスなど、
 アレンジが素晴らしいし、のどかで牧歌的な“Heart Of The Country”もいい。
 ニセ・プレスリーに成済まし笑い飛ばす、“Smile Away”も、
 中間部をマイナー・コードに転調するノリノリの“Eat At Home”も、
 ロックンローラー・ポールここにありといったところだ。
 
 思わず全曲書いてしまう勢いになってしまったが、
 なんといっても、ラストの“The Back Seat Of My Car”こそ、
 このアルバムのハイライトだ。
 ドラマチックこの上ないメロディと大げさな展開で盛り上げまくり、
 アルバムを締めるなんて、はまったら最後。
 この“クドさ”がたまらなくなってしまうのだ。

 ただ中には、リンダが居ない方が・・、という人もいるみたいだが、
 アルバム全編に響き渡るリンダのコーラスも「RAM」の大きな魅力の一つ。
 リンダのコーラスは楽器の一つというより、ポールの音楽の重要なファクター。
 やっぱリンダがいない「RAM」じゃ味気ない。
 ジョン&ヨーコに対抗むき出しだけど、このアルバムはポール&リンダで大正解。

 そんなリンダも、98年に癌で他界。
 ポールとの絶妙なコーラス・アレンジはもう聴くことはできない。
 しかし、「泣いてばかりいた」というポールも、人前ではいつでも笑顔を、
 絶やさず、音楽活動も衰えることなどなく、今もなお活躍し続けている。
 ほんとに偉い人だと思う。
 
 今は新しい幸せを掴んでいるポールだけど、
 リンダなくして「RAM」はなし。
 “The Back Seat Of My Car”で「僕たちは間違っちゃいないんだ!」と、
 連呼する二人。 それは、悪者にされた二人の心の叫びでもある。
 
 これは、誤解の多い二人のあまりにもタイミングが悪く、
 時代的にも不運な名盤でもあった。
 それも、ポールらしいっていえば、そうかもしれないんだけど・・。
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2006/03/04 Sat. 21:56 [edit]

Category: ビートルズ・ソロ

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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この記事に対するコメント

たか兄さんらしい 愛情に溢れた名文 … じっくり拝見いたしました。もう 何も付け足すことはありませんね♪
TB させてください。よろしくお願いいたします。

ocean #SKlGAI62 | URL | 2006/03/07 02:40 * edit *

 >Oceanさん。
 長々とした文にお付き合いいただいて、ありがとうございます。
 それとTBもどうもです。
 ポールには、いつも、もちょっと厳しいこと書こうかなと思うんですけど、
 どうも甘くなってしまいます。
 やっぱ、人柄のいい人にはあまり悪いこと書けないんだよなぁ・・。
 

たか兄 #- | URL | 2006/03/07 21:19 * edit *

それは…

僕のクラプトンに対する気持ちと同じですっ
というか... 全ての音楽に対して厳しく書こうと思えばそうもできるのですが、逆にちょっとでも良いところがあったら、そこをぐっと持ち上げてあげたいな~ と。
そんな気持ちで僕も書いています♪

ocean #SKlGAI62 | URL | 2006/03/11 18:34 * edit *

ヨイショっと。

 Oceanさんも、心が温かい方ですからね。
 私もそう思います。
 いい音楽にめぐり会った時ほど、楽しい時間はないですからね。
 少しでも、その気持ちを伝えたらと思って、書いてる次第です。
 
 

たか兄 #- | URL | 2006/03/13 20:43 * edit *

はじめまして~(´∇`)
私も、ポールの「Ram」大好きです!自分の日記にもかいたばかり・・
このCD曲だけじゃなく、ジャケットの写真でも、ジョンいじめ?してるポール。
私は、ジョン・レノンって苦手なんで、痛快だったりしてw
>リンダのコーラスは楽器の一つ・・私も、そう思ってた!
彼女の声はコーラスって思っちゃダメですよね。隠し味にならないスパイスみたいな。
ここまで、貶しつつ、リンダ大好き!
大金持ちのスーパースターの奥サマなのに、ステージを下りたら、ノーメークに
地味な洋服、ドレスアップすれば、物凄い美女なのに、
癌で亡くなるまで、陰でずっとポールを支えてたのも高感度大ね!
長々とすみません、また、寄らせてもらいますね。

やぎ #- | URL | 2006/10/07 08:51 * edit *

 >やぎさん。
 こちらこそ、はじめまして。 コメントありがとうございます。
 この「RAM」が出た頃の背景には、ポールとジョンの複雑な感情の
 もつれがありましたからね。
 だからこそ、これほどの大傑作ができたのかも。
 最近ポールが離婚しましたが、私はリンダを超えるポールの奥さんは
 もう現れないんじゃないかなと思います。
 最初は、叩かれたけど、偉大な女性でしたね。
 また、気軽に寄ってくださいな。
 

たか兄 #- | URL | 2006/10/07 21:56 * edit *

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Paul & Linda McCartney / Ram ('71)

ポール&リンダ・マッカートニー 『ラム』この頃ポールは、まだ音楽だけに集中できる環境になかったようですね。ポールには、何かを攻撃することは似合わないと思うのですが...

There's One In Every Crowd | 2006/03/07 02:34

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