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...あなたはここにいなかった。 

    WISH YOU WERE HERE       PINK FLOYD
              
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      Shine On You Crazy Diamond (Part.Ⅰ~Ⅴ)
                (狂ったダイアモンド 第1部)
      Welcome To The Machine (ようこそマシーンへ)
      Have A Ciger (葉巻はいかが)
      Wish You Were Here (あなたがここにいてほしい)
      Shine On You Crazy Diamond (Part.Ⅵ~Ⅸ) 
                (狂ったダイアモンド 第2部)

 7月7日、シド・バレットが他界した。 享年60歳だったそうだ。
 熱心なフロイド・マニアやサイケデリック・ロックが好きな方々は、
 大いにショックを受けたことでしょうが、
 悪いんですが、私はさほどショックは感じませんでした。(シド、ごめんね)
 人間としての命はあっても、ミュージシャン、クリエイターとしてのシドは、
 悲しいかな、もうとっくに死んでしまってた。
 でも彼の場合は、何か後になってジワジワと影響してきそうな感じがするなぁ。

 このアルバム収録の“狂ったダイアモンド”と“あなたがここにいてほしい”は、
 シドへ捧げたレクレイムだ。
 シドがフロイドを結成し、デビュー当時、フロイドを仕切ってたのもシドだった。
 だから、ロジャーもリックもニックも、ましてやデイヴなんか、
 シドには頭が上がらないんだ。
 シドがいなかったら、“ピンク・フロイド”は存在しなかったのだから。

 サイケデリック・フロイド。
 シドがいた頃のフロイドは、プログレッシブ・ロックじゃなかった。
 私は、別のバンドだと思ってる。
 60年代後半の新世代ヒッピー・ムーブメントの先頭を走り、自由な発想と、
 即興演奏やエフェクトを多用し幻覚をもたらす(ドラッグに見立てる)、
 サウンドと、蛍光色や原始的色彩を融合した照明や映像、デザインなど、
 スウィンギング・ロンドンの“アンダーグラウンド”の雄であった。

 しかし、彼は去っていった。 いや、去らなくてはならなかった。
 ドラッグ過多や不可解な行動など、バンドにはいられなくなってしまったのだ。
 彼のフロイドの墓碑銘となった「神秘」のラスト曲、
 “ジャグバンド・ブルース”で、こう歌ってる。
  「僕のことを思ってくれてるなんて有難いことだよ。 感謝するよ。 
   もう僕がここにはいないってことを、はっきりさせてくれたことに。
   この歌は、いったい誰が書いたんだ・・」と。  皮肉なもんだ。
  
 しかしもっと皮肉なのは、彼が去っていってからのフロイドはロジャーを中心に、
 徐々に幅広い層に人気が出始め、「狂気」でピークを迎え、更にどんどんと、
 肥大化していくのだ。
 そんな「狂気」の爆発的大成功と達成感による、虚脱感とプレッシャーの中、
 この「炎~あなたがここにいてほしい」を苦労の末、完成させる。

 もともとは、シドに捧げるアルバムなんかではなかったと思う。
 偶然の産物というか、必然の流れだったのではないかな。
 「狂気」で、やりたいことをすべてやり切ってしまったら、
 したたかな彼ら(特にロジャー)でも、原点に立ち返るということは、
 ごく自然の流れであろう。
 ここでの、“シド”というキーワードは、進化、巨大化し続けてきた彼らが、
 初めて一歩後退し、自らを見つめ直したアルバムではなかろうか。

 この曲のミックス・ダウンの際に、シド本人がスタジオに現れるという、
 あまりにも、ドラマなエピソードが有名だけど、
 ギルモアのギターがむせび泣く“狂ったダイアモンド”は、ある意味では、
 疲労の極限まで達していたメンバーが、現実逃避するかのごとく、
 社会や外部とのプレッシャーに押しつぶされないように“逃げる”曲を、
 歌うことが必要だったと思うし、
 アコースティックのリフが印象的な“あなたがここにいてほしい”で歌われる、
 シドへの憧れは、今までの彼らとは違う、“人間味”があふれている。

 そういう意味でも、このアルバムは、“皮肉”のアルバムだ。
 これを境に、彼らはバランスを崩し始め、
 民主的なやり方を維持できなくなっていき、
 “ロジャー絶対主義”にシフトしていってしまうことになる。
 シドを完全に超えたロジャーはエゴと才能を糧にして、
 そして、ロジャーから引き継いだギルモアも絢爛豪華に、
 フロイドを、これ以降もますます肥大化させていくのだ。

 このアルバムの秀逸なヒプノシスのアート・ワークに反映されている、
 4元素(天、地、火、水)は、この場にはいない人間を象徴したものだ。
 表の握手している男は、燃えてても熱さを感じていないし、
 裏の砂漠の男は、顔や腕がないし、中のたなびくスカーフの下には、
 全裸の女性が隠れているし、絵ハガキのダイブする男は、水しぶきがない。
 
 もうあなたは、ここにいなかったのだ。
 シドへのレクレイムは、最後の決別の言葉だったに違いない。
 しかし、“本当に”決別してしまった今、
 直接ではなくも、ジワジワと彼が残した遺産の大きさがわかってくる気がする。
 
 ダイアモンドよ、永遠に輝き続け。
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2006/07/16 Sun. 20:06 [edit]

Category: ピンク・フロイド

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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この記事に対するコメント

たか兄さま、こんにちは!(^_^)

ようやく、シドショックから立ち直ってきました・・・!

シド・バレットの去った後のフロイドの創造性が、どうやって広がりを見せていったのか、たか兄さまの解説でよくわかりました・・・(^_^)

あとはいろいろ聴いてみたいです~。
だって、私は自分の手持ちのフロイドアルバムは(ダンナさんのものを抜かして)ファーストと「モア」と「Works」しか持ってなかったので。。。

でも、シド・バレットの人間性にすごく興味があったので、知る限りの知識と想像力を酷使して、シドの記事を書きました・・・!

ルル #- | URL | 2006/07/18 17:56 * edit *

どうもどうも。

 >ルルさん。
 いつもありがとう。
 正直、シドの作品って、そんなに聴き込んでないんですよ。
 だから、ルルさんみたいに文学的には書けないんで・・。
 圧倒的に、シドが居なくなってからの方が、僕の中の“フロイド”だ。
 「狂気」は、聴いておくといいと思いますよ。
 “頭”で聴き、感じ取るロックです。 名盤中の名盤ですし。
 フロイドは、またネタ書きますんで、その時は、またよろしく!
 

たか兄 #- | URL | 2006/07/19 22:03 * edit *

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 1973年ピンク・フロイドは究極の実験的サウンドを纏め上げたアルバム「狂気」をリリースするが、これが超ウルトラ大ヒット作となってしまい、単なる実験的サウンドを奏でるバンドというワケにもいかなくなってきた矢

ロック好きの行き着く先は… | 2006/07/17 11:55

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