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我思う。「現実を受け入れるということは・・」。 

 2011年3月11日に東日本を襲った国内史上最大のマグニチュードを記録した超巨大地震。 
 
 この地震で被災された方々や、この災害で影響を受けた方々にお見舞いを、
 そして何より、最愛の方を失われた多くの方々には、心より哀悼の意を申し上げます。
 
 有り得ない。 信じられない。 あってはならない。
 だが、地球に生きてる以上、これが“現実”でもあるのだ。

 今まで明かしていませんでしたが、私は飛騨高山に住んでおります。
 「あれ、今揺れたよな?」  ちょうどその時、会社にいた私にはその程度の感覚。
 「最近になっても、余震が続くね」  そんな返しの言葉を続くように話しかけてた。
 ちょうど2週間前の明け方に2回も震度4の地震があって(ほとんど被害はなかったけど)、
 それからも微弱な余震が頻繁に続いていて、今回も「またか」くらいの気でいたんです。

 しかし・・。  「なんか世の中がエラいことになってるんだけど・・・」
 事実を知ったのは仕事を終えて、帰宅してからでした。
 まさかこんな凄いことになってるとは思いもしませんでした。
 (よく考えてみれば、東北沖で起きた地震が飛騨でも揺れたくらいですから、
  とんでもない地震だったワケです)

 東京にいる弟にメールで連絡するも返信はなく、食い入るようにテレビの報道を
 見るだけ。  刻々と伝えられる新たな情報と繰り返される映像。
 かなり遅れて弟から無事との受信するも、「こんなの生まれて初めて。マジで怖かった」
 との文字に絶句。 都心でも交通網はマヒ。 石油コンビナートも災上したり、
 建物も崩落するなど、首都圏でも、かなりの影響や被害はあったようだ。 

 一夜明けて、津波による、目を疑うような悲惨な“爪痕”が次々映し出される。
 声も出ない。  ひどい。  ひどすぎる。  メチャクチャじゃないか。
 でも、これが“自然の猛威”なのだ。  残念だけど受け止めねばならない。
 日本は地震大国。 過去に幾度の震災を経験して、知恵もテクノロジーも対策も
 世界で一番の国のはず。 しかし、この想定外の現実には、成す術がないのだ。

 さっきまであった“日常”が、今は、跡形もなく消えてしまうのだ。
 そこには、家庭があり、職場があり、学校もあり、家族も友人も仲間もいたのだ。
 しかし、高台から街が海水に飲み込まれていく惨状を見るしかできない現実・・。
 私には想像がつかない。  一体どんな気持ちだったのかを察することも。

 今日現在では、まだこの状況しか伝わってこないが、日が経ってくれば、
 さらなる被害者や壊滅的な被害状況が拡大していくだろう。
 福島原発の爆発も安心して下さいとの報だが、本当に影響はないのだろうか。

 これは、“国難”級の大震災だ。  大丈夫か、ニッポン。

 ここは、正統な音楽ブログ。
 なので、あえて今までは、時事ネタは伏せてきた。
 でも、この現実をスルーして、今呑気にアルバムレビューなど書いてるなんて
 私には、とてもできない。

 しかし、私には何もできない。 
 ただただ現実を受け入れることしかできないのだ。

 我思う。 
 「現実を受け入れることは、どれだけ自分が無力であるかを知るのだ」 

 一日も早い復旧と、一日も早い元気と笑顔を願うばかりだ。

2011/03/12 Sat. 23:20 [edit]

Category: 雑記

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紅と白の“枯山水”に宿った小宇宙は、“ひとりホワイト・アルバム”。 

           MUSICMAN     桑田佳祐

        

         現代人諸君!! (イマジンオールザピープル)
         ベガ
         いいひと ~Do you wanna be loved ?~
         SO WHAT ?
         古(いにしえ)の風吹く杜
         恋の大泥棒
         銀河の星屑
         グッバイ・ワルツ
         君にサヨナラを
         OSAKA LADY BLUES ~大阪レディ・ブルース~
         EARLY IN THE MORNING ~旅立ちの朝~
         傷だらけの天使
         本当は怖い愛とロマンス
         それ行けベイビー!!
         狂った女
         悲しみよこんにちは
         月光の聖者達 (ミスター・ムーンライト)


 2010年大晦日も大詰め。 
 日本歌謡界で最も盛大なセレモニーであり、国民的祭典でも
 ある「紅白歌合戦」も終盤を迎える頃。 
 遂に今回のスペシャル・ゲストが登場した。
 
 そこには、紋付き袴を纏い、
 黒いストラトを抱えた“日本のディラン”がマイクに向かう。
 「あっ、やっぱり病み上がりっぽいかなぁ・・」
 思わず、こうつぶやいてしまったが、
 やや痩せたかなぁと感じた面とは裏腹に、
 まるで60年代のディランの髪形を意識したかの
 ようなボリュームのあるヘアーで、おもむろにワイルドなカッティングを始めた。 

 「 適当に手を抜いて行こうな。  真面目に好きにやんな。 」 

 まさか、術後初めての生出演、生歌披露に、
 未発表曲をブチかましてくるとは・・。
 しかもゲストとはいえ、「紅白」です。
 一番日本国民が観てる「音楽番組」です。
 前代未聞。  こんなの観たことない。 
 やってもいいのか?
 普通なら、みんなが聞きたい曲や有名な曲を歌うのがパターンなのに。

 まず真っ先に、なんで「紅白」に出るの?って思いましたよ。
 今さら。
 あの伝説と化してる、82年のサザン2度目の「紅白」出演。
 今も脳裏に鮮明に刻まれてる。
 白塗りした“バカ殿”メイクに、紅白の紋付き袴で、
 当時は「紅白」常連だった三波春夫をパロって、
 「裏番組はビデオで取りましょう」と悪ふざけも甚だしく、
 “チャコ”を歌うパフォーマンスで、日本中の“大ひんしゅく”を買ってから28年。
 (当時の「紅白」は、まさに歌謡界の聖地。
  これこそ“究極のパンク”だ!)

 翌年にも出演したが、
 それ以来「紅白」のステージからは縁を切ったはずなのに。
 毎年毎年、NHKの幹部が“三願の礼”をしても、
 絶対首を縦に振らなかったのに。

 でも大晦日には、炬燵を囲んで、
 年越しそばを食べながら、一杯やりながら、
 ついでに、みかんも剥きながら、
 テレビは「紅白歌合戦」を家族で観る。
 これが、この日本(くに)の大晦日の
 最もスタンダードな過ごし方であったはず。

 そして昨年は、そのテレビの向こうには
 “桑田佳祐”がいたのであった。
 何たること。 何たる贅沢。
 この上ない“幸せ”の時間(とき)ではないか。
 よく考えてみれば、
 「この日本のシーンには、彼がいるのだ」と感慨深くなった。

  

 術後初の復帰のステージは“何処”するか。 
 桑田は、あえて「紅白」を選んだ。

 「折角有難きお話をいただき、
  自らの復帰のタイミングとして甘えさせて頂いた」
 というコメントを残しているが、
 それは、永遠に枯渇することのないサービス精神
 に裏打ちされた感謝の気持ちそのものなだろう。 
 要は、単なる“出たがりスケベおやじ”なんですよ、桑田って。 
 (そのくせ、すごい“照れ屋”なのだが)
 彼は、自分が“国民的歌手”であるという自負など持っていないと
 謙遜するだろうが、最も分かりやすく、ファンに感謝の気持ちを表す“場所”は、
 今はココがベストだと。
 それは、ディランのライブ盤のタイトルと重なるが、
 まさに「偉大なる復活」だった。

 もう3月になったのに、今頃になって「紅白」の話をするのは、
 日本中で私だけだと思ってますが、
 昨年7月、日本中を激震させた初期の食道がん発見のニュースから、
 手術の成功とリハビリ療養後、中断していたアルバム制作の再開を経て、
 ようやく待望の4枚目のソロ・アルバム「MUSICMAN」を
 完成させた桑田佳祐。
 やはり今話さずして、いつ話すか。 
 いつもは歴史に残るアーカイブ・レビューばかりしてるんで、
 久し振りに新譜のレビューもいいかなと。
 今宵は、あの「紅白」で、老若男女、世代を超えて、
 真の意味で“国民的ミュージシャン”の座を射止めた、
 桑田佳祐の話によろしくお付き合いを。
 (今回もレビュー上、“桑田”と呼び捨てにて執筆いたします。 お許し下され。)


 「 このアルバムは、ここを注意して聴いて欲しいっていう限定
   などない作品と思ってるんで、
   どういう聴き方をしてもらっても構いません。
   無責任にポンポン飛ばして、シャッフルして聴いて欲しいですね。 」

 どういうことだ? 
 以前、ソロ・アルバムを制作するためには、明確な理由と
 意味がなきゃ作らないって、語っていたはずなのに・・。
 (ただ、前には質の高いシングル曲の寄せ集め的なアルバムでも
  構わないとも言ってるが)

 「ロックは英語でなきゃいけない」という、
 日本人のコンプレックスとアンチテーゼに真っ向から挑戦した
 桑田初のソロ企画KUWATA BANDの「NIPPON NO ROCK BAND」。

 小林武史と藤井丈司とスタジオに籠り、サザンでは表現できない、
 緻密かつ斬新なエレクトリック・ポップを構築したスタイルを
 確立した「Keisuke Kuwata」。

 小倉博和と膝を突き合わせ、私的葛藤や社会への疑問や不満を
 アコギに乗せて、キレて怒りをぶつけまくる、
 ラブ・ソングなどクソ食らえ的な男気に満ちた問題作「孤独の太陽」。

 斉藤誠を核としたバンドとタッグを組み、精巧かつクオリティの高い
 60~70年代のロックの贋作をバックに、メッセージならぬ
 “ぼやき節”炸裂の「ROCK AND ROLL HERO」。

 どれもソロ・アーチスト・プロジェクトとして、レベルの高い、
 明確なコンセプトが確立していた傑作ばかり。

 アルバムばかりでなく、96年から2009年までの間の
 11回「ACT AGAINST AIDS」チャリティー企画で、
 毎回洋邦ジャンル問わずテーマを設けた究極のエンターテインメントを披露。
 スタンダード・ジャズ、昭和歌謡、エリック・クラプトン、ビートルズ、
 R&Bソウル、英国ロック、アメリカン・ロック、紅白歌合戦、映画音楽と、
 考えられない振り幅の広さだ。
 
 そんなソロ活動で身に付けた“アイテム”をこれでもかとつぎ込んだ到達点が、
 この「MUSICMAN」。  
 私は“ひとりホワイト・アルバム”とあだ名をつけるが。

 この17曲すべてをレビューしたくも思うが、
 何曲かピックアップしてみたく思う。
 (初回版BOXにパッケージされたブックレットに桑田本人による
  詳細なライナーノーツを読んで見てもらえばいいだろう。 
  この作品への熱い思いがひしひし伝わります)

 まずこのアルバムからのシングル曲は、
 サザンの無期限活動停止後から翌年の2009年12月に“君にサヨナラを”と、
 アルバム完成間際の食道がん治療による中断の最中の昨年8月に
 “本当は怖い愛とロマンス”を発売した。
 どちらも、メロディ・センスとポップ・センスのバランスが
 見事なレベルの高い楽曲だ。

    

 “君にサヨナラを”
 「 希望を胸に生きるは 僕ひとりのせいじゃない  ・・今もそばにいる 」 

 初期のビージーズやジェームス・テイラーを思い起こさせるような
 70年代初期のアメリカン・フォークのエッセンスや、ガズ・ダッジョンと
 やっていた頃の初期のエルトン・ジョンみたいなセンチメンタリズムあふれる
 メロディ・ラインを彷彿させて、爽やかなんだけど、
 どことなく“死の匂い”が漂う切ない歌詞が胸に響いてくる。
 2008年に実姉を亡くされたことも大きいのでは。 
 ある意味“鎮魂歌”だろう。
 
 “本当は怖い愛とロマンス”
 「 男の些細な仕草が女は我慢出来ない 出逢った頃と違うよ 
   裁くチャンスを狙い澄ましている            」
 

 ズバリ、桑田版“Lady Madonna”。
 「青盤」の頃のポールの楽曲要素をこれでもかと盛り込んだ、
 インパクトから、詞、曲、アレンジ、全てにおいて、
 非の打ちどころのない完璧なモダン・ポップ。  
 “キラーチューン”ってのはこういう曲ことを言うのだ。
 ワケも解らず女性に切り捨てられた男の情けない心情と
 言い訳する様子が歌われているが、
 桑田と同じく、私も女性っていう生き物ってのは、
 何とも不思議だなって思ってますが・・。  怖いっす。

 アルバムに収録される新たな楽曲も、実にクオリティが高い曲がズラリと並ぶ。

 “ベガ”
 「 離れたくない気持ちが All Night ふたりの桃源郷(Xanadu) そして
   指絡め 身を悶え 重ねたキッスは 喜びと悲しみを宇宙に(そら)に放って 」


 ベガ=織り姫。 七夕に彦星と年に一度の逢瀬。 
 きっと、いけない恋なのだ。
 官能的なのにクールでシャープ。 
 スティーリー・ダンでもなきゃ、ロキシーでもない。
 R&BやAORの技術的手法を用いて、打ち込みを駆使したフロー感漂う
 スウィート・ソウルに仕上がった。 
 もしマーヴィン・ゲイが生きていたら・・と解釈できる曲だ。
 前後の辛辣な曲にさりげなく挟まれているが、
 Bメロのメジャーからマイナーへ転調するコードなんか一筋縄じゃない。 
 こういうセンスが、ホントに凄い。
 
 “古の風吹く杜”
 「 古都を見下ろして長谷へと下る 旅路切通りよ
   そこに行き交う“今生きる”も“今は亡き”人も  」


 鎌倉 江の島 江ノ電 134号線・・。 
 今も変わらぬエバーグリーン。
 桑田は、今までソロ活動してきた中で、あえてサザンではやれない
 新しいフィールドで挑戦するスタンスでソロ・ワークを勤しんできたはず。
 しかしこれは、“サザンオールスターズド真ん中”。
 しかも懐かしき曲想。
 例のワードを詞にバンド・フォークっぽくして、原坊がコーラスに加われば、
 もうサザンだ。
 桑田も、今になって、やっと若かりしデビュー時のサザンの姿を
 愛せるようになったという。
 “音楽人”としての自らのキャリアを考えてみれば、
 そんな垣根など桑田にはもうないのだ。
 これから、もうサザンだソロだという次元で、桑田を語ってはいけないのかも。
 
 “銀河の星屑”
 「 哀れみの献花(はな) そんなモノはまだ僕は欲しくない
   払い終わらぬ借金(ローン) エトセトラ・・
   まだ人生には未練がいっぱい              」


 この詞を初めて読んだ時、
 これは絶対“術後”に書かれた詞なのだろうと思った。
 アコーディオンやバイオリンをフューチャーしたジプシー調の
 アレンジを施した80'sっぽいニュー・ウェイブ・サウンドから放たれる言葉は、
 “涅槃の世界”だ。
 (このバイオリンやリズム・パターンは、ディランの“Hurricane”も想起したが)
 しかし、歌入れされたのは6月22日。
 まだ“がん”発見前だったという。
 何たる偶然なのか、神のイタズラなのか。 
 やはり“持ってる男”なのだ。

 “グッバイ・ワルツ”
 「 この国に生まれたら それだけで「幸せ」と言えた日が懐かしい
   川に浮かんだ月にはなれず 時代(とき)に流され参ります  」


 何だ、この曲は。
 エディット・ピアフさながらのシャンソンに、トム・ウェイツ
 みたいな“酔いどれ感”を漂わせて、出来たのは、古きワルツ歌謡みたいな。
 “東京”もそうだったけど、
 この曲も日本人、いや桑田にしか書けない曲。
 皮肉に満ちた郷愁と諦め。
 バイオリン、チューバの響きが胸にグサリ。 深すぎる。 

 “それ行けベイビー!!”
 「 終りなき旅の途中は予期せぬことばかり
   命をありがとネ いろいろあるけどネ  それなのに明日も知らぬそぶりで 」

 
 鋭い眼差しと生々しい歌声と躍動感。 
 迷いなし。 遠慮なし。 容赦なし。
 簡潔にストレートに、粗めに掻き鳴らすエレキ・ストロークに
 乗せてブチまけるのみ。 
 やはりこの曲も“勘ぐって”しまったが、がん発見前の5月10日に歌入れされている。
 が。 
 術前であろうが後であろうが、死と声を失う恐怖を乗り越えた男の歌は強い。
 世界で最も高純度なディランの遺伝子を継承しているのは、
 極東のちっぽけな島国の音楽界でトップの走るこのオヤジなのだと、
 当のディラン本人は知る由もなかろう。

   kuwata musicman

 しかし、このアルバムの“肝”になる曲は、
 “月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)”
 茅ヶ崎の一少年が、ビートルズとの出会いによって、
 すべてを変えてしまった。
 
 「 知らずに済めば良かった  聴かずにおけば良かった 」 
 
 それは、取り戻すことができない時間の流れに思いを
 馳せて描かれる、自らの過去と未来を交錯させた人生観を歌にしたものだ。
 66年に羽田に来日したビートルズが、
 首都高を移動する4人の車の映像ドキュメンタリーの
 バックで流れていた“Mr. Moonlight”。 
 “音楽人”桑田の原点は、この風景にあった。

 「 古いラジオからの切ない“Yeah Yeah(イエ・イエ)の歌” 」
                         (She Loves You)
 「 ビルの屋上の舞台(ステージ)で、巨大(おおき)な陽が燃え尽きるのを見た 」 
             (映画「LET IT BE」での、アップル・ビル屋上ライブ)

 燃え尽きることのないビートルズへの愛を散りばめらながら、
 悩み苦しむ現代人への
 心を浄化し、歩き続けようと励ます壮大な賛歌だ。 
 なんと感動的な曲なのだろう。
 
 この年になって、生きてきた中で数え切れない様々な曲や
 アルバムを聴いてきて、自分が新曲を聴いて、
 感動のあまりに涙を流すことなど、もうないのかもと思っていた。
 しかしまさか、“ここに及んで”なお、こんなにも素晴らしい曲を生み出すとは・・。

 「 現在(いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい 」

 このフレーズで、私の乾ききった涙腺から、
 とめどなく涙が頬をつたっていった。


 桑田には、サザンという偉大なる“既成モンスター”の概念に
 捉われることなく、自由なフィールドで音楽活動をして欲しいと思いつつも、
 このアルバムを聴くまでは、
 「いつサザンが再始動するのだろう・・」なんて考えることもあった。
 でも、このアルバムを聴いたら、
 「しばらくサザンなんてやらなくてもいいよ、桑田さん」って、マジで思った。

 発売され聴き始めて10日あまり。 
 どっぷり聴き込んでいくと、聴くたびに
 新たな発見ができ、別のイメージも膨らむ。 
 非の打ちどころなし。 完璧。
 「MUSICMAN」。  桑田のソロ、いや・・。 
 サザンを含め、キャリアでの最高傑作である。  
 決めるのは、まだ早いかもしれないけど、そう言ってもいい。 
 うん、間違いなく。

 現代人諸君よ‼  桑田の声をしかと聴け!

2011/03/04 Fri. 23:20 [edit]

Category: サザンオールスターズ

Thread:CDレビュー  Janre:音楽

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吟遊詩人が今宵も奏でる美しき18の愛の物語。 

   SHE'S ALWAYS A WOMAN ~ LOVE SONGS   BILLY JOEL

          

      She's Always A Woman (from The Stranger,1977)
      Honesty (from 52nd Street,1978)
      Just The Way You Are (from The Stranger,1977)
      Travelin' Prayer (from Piano Man,1973)
      An Innocent Man (from An Innocent Man,1983)
      The Night Is Still Young (from Greatest Hits Ⅰ&Ⅱ,1985)
      This Is The Time (from The Bridge,1986)
      She's Got A Way (live version,from Songs In The Attic,1980)
      Temptation (from The Bridge,1986)
      Nocturne (from Cold Spring Harbor,1971)
      Until The Night (from 52nd Street,1978)
      She's Right On Time (from The Nylon Curtain,1982)
      You're My Home (from Piano Man,1973)
      State Of Grace (from Storm Front,1989)
      This Night (from An Innocent Man,1983)
      Shameless (from Storm Front,1989)
      And So It Goes (from Storm Front,1989)
      All About Soul (remix version,Original from River Of Dreams,1993)


 「 生きる希望を持たせてくれたかと思えば、気ままにフッてしまうこともある。
   誠実さを求めているのに、自分は絶対男を信じようとしない。
   そして、与えたものは泥棒みたいに奪っていく・・。
   でもあの娘は、僕にとっては、いつも可愛いやつなのさ。             
                   (She's Always A Woman) 」


 2月14日は、バレンタイン・デーです。
 有難くも、こうも忙しく日々を過ごさせてもらってますと、
 世で言う“イベント”的な
 盛り上がりや“流れ”みたいなものも、スルーしてしまいがちです。 
 いけませんねぇ。  世間の“流れ”は知っとくべき。   
 取り残されますよ。

 えっ、たか兄さん。  
 チョコのひとつももらってないんですか?

 ・・・。 

 実は、うちの会社じゃ、社内でのチョコのやり取りは禁止されてるんですよ。
 (女子社員の負担を減らしたり、こんなもの“必要ない”との
  社長の考えだそうですが)
 女子社員してみれば、義理チョコ買う必要がないんで、
 とても楽だって言ってますが、
 う~ん、どうなんでしょ? 
 たかがチョコで目くじら立てんでもいいのにとも思うけど。
 まぁ、私は、甘いもの苦手ですし・・。

 そんな世間で言う、そんな“愛の告白日”には、
 飛びっきりのラブ・ソングで過ごしましょうと言わんばかりか、
 それに合わせてか(何か安易にビリーの曲を利用してるようで不満だが)、
 ビリーのラブ・ソング集が発売されました。

 またまたベスト盤です。
 (いつになれば、新譜が聴けるんだろうなぁ・・)
 ビリーのベスト盤って、似たような選曲で一体何枚出てんだか。
 ただ今回のはちょっと一目置くべきブツ。  
 ファンならずも押さえるべき。
 単なるベスト盤なら、わざわざココで取り上げません。

 元々は、昨年末にオーストラリア盤で発売された、
 ビリー初のラブ・ソング集なのだが、
 曲順を大幅に変えて(曲目は変更なく)、日本でも発売されることになった。

      

 しかし、この企画盤で注目すべきは。
 “A Collection of Beautiful & Personally Selected Lovesongs by Billy Joel”
 とあるように、ビリー本人が思い入れのあるラブ・ソングを
 直接選曲をしたという点。
 これは、過去のベスト盤にはなかったこと。  
 この事実だけでも興味が持てる。
 (でも、このジャケは安直だなぁ。 
  もちょっと何とかなんなかったのかなぁ。
  これって、“An Innocent Man”の7”シングル盤の使い回しじゃない、コレ。 )


 「 彼女には、独特の雰囲気があるんだ。  なぜだかわからないけど・・。
   ただ僕にわかることは、彼女がいないと生きていけないこと。    
                       (She's Got A Way) 」


 この選曲は、絶対ビリー本人が選ばない限り、
 こんな曲は集まらない。
 当然、最初の妻であったエリザベスの誕生日にプレゼントした、
 あまりに美しい永遠の名曲“Just The Way You Are”や、
 日本では異常に人気があるけど、実はアメリカでは
 案外人気のない(?)あまりに切なすぎる誠実さを訴える
 “Honesty”はもちろんだが、
 ヒット曲や有名な曲に捉われないビリーの想いが詰まった、
 愛の物語が綴られる。
 
 才能の片鱗を開花させた「PIANO MAN」のオープニングを飾った
 “Travelin' Prayer”や、
 当時初のベスト盤に収録された新曲で、
 まるでニール・サイモンの戯曲のような
 ホロ苦い大人の愛を見事に描写した傑作“The Night Is Still Young”に、
 「THE BRIDGE」から“Temptation”や、
 ソロ・デビュー作「COLD SPRING HARBOR」から
 美しいピアノ・インストゥルメンタル“Nocturne”。
 病んだアメリカ人の諸問題を鋭く描いた傑作「THE NYLON CURTAIN」の
 中から、ビリー唯一の恋人へのクリスマス賛歌
 “She's Right On Time”もセレクトしてる(これは嬉しい)。
 
 フォリナーのミック・ジョーンズと組んで、
 パワフルかつキャッチーな作品に仕上げた
 「STORM FRONT」から3曲選ばれ、
 (隠れた名曲“State Of Grace”を選んでる!)
 ドリフターズを意識したビリーの一人多重ドゥー・ワップの名曲
 “This Night”も選んでいるし、「RIVER OF DREAMS」から、
 信じることの大切さを世に訴えた“All About Soul”
 のリミックス版で締めくくられる。


 「 人は誰でも、心の中に揺るぎない聖域を持っているもの。
   人は、そこで失った恋の痛手を癒し、新しい恋との出会いを待つのだ。
                          (And So It Goes) 」
 


 こうやって曲を眺めてみると、「LOVESONGS」と銘打っているのに、
 “Love(愛)”という文字が入った曲が一曲もないことに気が付く。
 
 思うに、ビリーの詞は、恋愛をしている自分とは別に恋愛について考える、
 もう一人の自分を歌詞に持ち込んだことではないんじゃないのかなと考える。

 曲によっては、哲学的にやや小難しくしているようなのもあるけど、
 ビリーの書く曲は、その恋愛の風景画を描くように、
 そのシチュエーションが目の前に浮かんでくるように展開する。
 これは、相手を思う言葉とは別に、相手を思っている自分を
 “客観的”にみる言葉がビリーには多いためだ。


 「 君を愛してしまってからは、僕はひどい恥知らずさ。
   望むことなら、何でもしてしまうし・・。

   僕は変わってしまったさ。
   今まで妥協なんてしたことなった。 でも君との出会いで変えたんだ。
   真の強い男とは、悪かったと謝ったり、過ちを素直に認めることができる。
   失ったものに後悔したこと一度もなかったけど、
   これほど、恋しく思う事など生まれてはじめてだ・・。
                          (Shameless) 」 
 


 確かに恋愛で“妥協”という言い方は嫌われるかもしれない。
 でも、交渉や譲歩のない関係というものも、人間関係として、
 対等とも正常とも言えなくもない。
 妙に大人びた考えかもしれないけど、現実そうなのだと思う。

 相手を受け入れながら、自分も主張する。
 相手を頼りながらも、相手も自分を頼りにする。

 つまり、相手との関係が自分自身を形作る重要な部分になる。
 そういうのが、“対等な関係の恋愛”とも言えるのではないかなと思う。

 だから、短絡的に“Love”なんて言葉をタイトルに用いないのだろう。
 「恋に恋する恋」や「恋愛ごっこ」のような子供じみたラブ・ソングなど、
 ビリーのラブ・ソングには、一曲もないのだから。

  

 ビリーの曲の恋愛対象は、当時の奥さんの場合がほとんどなんだけど、
 「君を愛している。 君が必要なんだ」といった、
 ド真ん中の“直球”のラブ・ソングは、
 ビリーには、実はあまり多くない。 
 あまり印象がないのだ。
 真っすぐなのは、あの“分かりやすい”名曲“Just The Way You Are”くらいか・・。
 ただそれも、自分の好みを妻に押しつけているようにも聴こえるけれど、
 この曲で最後に素直に「I Love You The Way You Are(今のままの君が好きなんだ)」
 と打ち明けるように、どことなくシニカルで照れてるのだ。  


 「 今こそ、思い出を作る時。
   この時は、永遠には続かないんだ。  だから、しっかり抱きしめよう。
   なぜなら、いずれは、そうしたくても出来なくなる時が訪れるから。
    
   いつの日か、昔を振り返って、笑いあえるといいね。
   お互いに、幸せに満ち溢れた余生を送りながら・・。
                       (This Is The Time) 」   



 大いなる人類愛や世界愛を匂わす曲は少ないものの、
 ビリーの書く“愛の物語”は、
 むしろ、“Life(人生)”や“Time(時)”、そして、“Night(夜)”といった
 空間や次元を用いて、様々な恋愛を表現する曲が多いのも特徴だろう。

  

 NYはブルックリンで生まれ、
 わずか3歳でモーツァルトを聴き弾きこなしていたという
 この“神童”は、すでに「ピアノと運命を共にする人生」を歩み始めていた。
 地元でバンドを組むも芽が出ず、売れないラウンジ・ピアニストとして
 日銭を稼ぐ日々。 時に故郷を離れ、LAでチャンスを伺い、
 そこでCBSの幹部と出会いメジャーデビューし、
 再びNYに戻ってきてから、やっとその地位を不動のものにした苦労人。

 ピアノの調べにその時の思いを綴り、詞を書き、各地(各場面)を、
 まるで詩人の描くストーリーの如く、歌い歩いて旅する。
 彼が“吟遊詩人”と呼ばれる理由はココにあるんじゃないのかなと思う。
 

 「 ペンシルベニアのターンパイクに、朝霧の覆ったインディアナ。
   それに、カリフォルニアの丘の上。
   でも、僕にとって故郷ってのは君のこと。 故郷と呼べるとこなんてないんだ。

   生まれながらの風来坊だから、死ぬまで旅し続ける僕さ。
   だから、君が寄り添ってくれてるだけで、暖かい家庭にいるのと同じなんだ。
                        (You're My Home) 」



 ビリーのラブ・ソングは、
 綺麗にデコレーションした甘くて愛らしいチョコではない。
 ビターな“ホロ苦さ”と“豊潤な甘さ”を兼ね備えた格式高い大人のチョコ。
 我々同世代や年老いた年代のための愛の贈り物としては
 最適なラブ・ソング集だろう。
 

 そういえば、冒頭の質問に答えてませんでした。

 妻は気を使ってか、
 いつもチョコと一緒にウィスキーのボトルをおまけしてくれます。
 でも今年は、「ウイスキーボンボン」でした。   ・・・(笑)。
 私しゃ、この1個で十分。    可愛い奴です、ほんと。
 

2011/02/14 Mon. 15:45 [edit]

Category: ビリー・ジョエル

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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わし、買うもん!  この“音”は、世界にひとつ。   

    
    QUEEN  GREATEST HITS           GREATEST HITS Ⅱ
 

          GREATEST HITS  
  Bohemian Rhapsody  (from A Night at the Opera, 1975)
  Another One Bites the Dust  (from The Game, 1980)
  Killer Queen  (from Sheer Heart Attack, 1974)
  Fat Bottomed Girls  (single version, from Jazz, 1978)
  Bicycle Race  (from Jazz, 1978)
  You're My Best Friend  (from A Night at the Opera, 1975)
  Don't Stop Me Now  (from Jazz, 1978)
  Save Me  (from The Game, 1980)
  Crazy Little Thing Called Love  (from The Game, 1980)
  Somebody to Love (from A Day at the Races, 1976)
  Now I'm Here  (from Sheer Heart Attack, 1974)
  Good Old-Fashioned Lover Boy  (from A Day at the Races, 1976)
  Play the Game  (from The Game, 1980)
  Flash  (single version, from Flash Gordon, 1980)
  Seven Seas of Rhye  (from Queen II, 1974)
  We Will Rock You  (from News of the World, 1977)
  We Are the Champions  (from News of the World, 1977)
  Teo Torriatte  (single version, from A Day At The Races, 1976) 
                             ※ JAPAN Only

          GREATEST HITS Ⅱ  
  A Kind of Magic  (from A Kind Of Magic, 1986)
  Under Pressure  (edit, from Hot Space, 1982)
  Radio Ga Ga  (from The Works, 1984)
  I Want It All  (single version, from The Miracle, 1989)
  I Want to Break Free  (single mix, from The Works, 1984)
  Innuendo  (from Innuendo, 1991)
  It's a Hard Life  (from The Works, 1984)
  Breakthru  (from The Miracle, 1989)
  Who Wants to Live Forever  (edit, from A Kind Of Magic, 1986)
  Headlong  (single Version, from Innuendo, 1991)
  The Miracle  (early faded, from The Miracle, 1989)
  I'm Going Slightly Mad  (original Innuendo LP edit,1991)
  The Invisible Man  (from The Miracle, 1989)
  Hammer to Fall  (single version, from The Works, 1984)
  Friends Will Be Friends  (from A Kind Of Magic, 1986)
  The Show Must Go On  (early faded, from Innuendo, 1991)
  One Vision  (single version, from A Kind Of Magic, 1986)
  I Was Born to Love You (QUEEN version, from Made In Heaven, 1995) 
                           ※ JAPAN Only

 2011年、バンド結成40周年を迎えるという「QUEEN」が、なんと古巣で
 あるEMIを離れ、新たにユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)と、
 長期に渡る独占契約を結び、北米地区以外の全世界で傘下である
 アイランド・レコードから発売されることになった。
       
        

 コレは、ちょっとどころか、エラいニュースですよ。
 現在EMI所属アーチストの中でも、横綱であるビートルズの次に、
 大関だったのがQUEENだった。
 それがEMIを離れるという事実は、私以上にQUEENに詳しい方なら、
 ショッキングな事件だったに違いないのではと思う。 
 
 それにしても、ユニバーサル・グループってのはスゴい。
 勢いがある。
 一昨年にストーンズをオールタイムでレーベル統一したと同時に、
 昨年は奇跡的アーカイブ・ラッシュで沸かせたと思えば、
 EMIから、あの“超大物”であるポールも獲得して、
 昨年末の「BAND ON THE RUN」に始まり、今年は、
 更なるカタログ再発を予定で、そして、今度はQUEENだ。  
 この“超大物ハンティング”はハンパじゃない。

 それに対して、EMIは、もうダメだね。 
 悲しいけど、終ってる。
 ポールの場合、プロモーションのやり方でモメたとか、
 少しトラブルがあって仕方ないとこはあるけど、
 う~ん、QUEENまで持っていかれてはねぇ・・。 
 老舗らしくない。 販売戦略はどうなの? 
 かつての“名門”の名が泣きますよ。
 まさかその内、ビートルズまでも、とか・・? 
 今はジョンも抱えてるけど。

 でも、アビー・ロード・スタジオの件もあるから、それはないと思うけど・・。
 ということは、あの英国EMI伝統の“Parlophone”レーベルも、
 ポールに続いて、QUEENも称号が外れることになるワケですね。 
 これは、少々残念です。
 (じゃあ、今Parlophoneレーベルを守ってるのは、COLDPLAYを筆頭に、
  レディオヘッドに、ペット・ショップ・ボーイズくらいか。 
  あ、今はカイリー・ミノーグもそうだっけ)
 
 そして、この移籍に伴って、今までのQUEENのカタログが全て最新技術
 によりリマスターされて、2011年内の前中後期の3期に分け、
 3,6,9月に5タイトルずつ、全15枚のオリジナル・アルバムに、
 過去の全ライブ・アルバムも、それぞれSHM-CDにて、随時再発売される。
 その「2011QUEENリマスター・プロジェクト」ともいえる一大企画の
 プロモーション的意味もあって、2枚の名ベスト盤を“ご挨拶”替わりの
 一発目として、この1月に発売された。

       

 しかし正直言うと、このリマスターに関しては、全く期待してなかった。
 私の記憶が正しければ、
 QUEENは初CD化後、1994年に初のデジタル・リマスターが施され、
 続いて、あのリマスターの名匠ボブ・ラドウィックの手によって、
 2001年に、24ビット・デジタル・リマスタリングが施されている。 
 それ以後も、全タイトルではなかったが、
 2009年のベスト盤「Absolute Greatest」でも、
 “最新リマスター”ってのが売りだった。
 なので、「またリマスターなの? 何回やってるの」って、思ってました。

 最初は。 

 QUEENのCD音源って、古くは東芝EMIで初CD化した頃は、
 音圧も低くて、音域も痩せてて、なんか平ぺったい。 
 今聴くと、なんともトホホなモノでした。 
 初のリマスターだった94年は、思ったほど変わってないなぁと
 感じてたのですが、2001年の24ビット・リマスターは、
 音圧レベルやバランスから、ノイズの除去に至るまで、
 割と優れたモノだと思ってたので、
 あまり変わらないんじゃないかと考えてたんです。

 ところが。   「マジか・・。  何この音!」  

 “Bohemian Rhapsody”の更にクリアになったオペラ・パートの
 驚異的オーヴァーダヴの立位法に、改めて「スゴイ」と感心させられ
 、すっかり“つかまれて”しまい。
 次の“Another One Bites the Dust”。 
 コレで、やられました。  KOです。
 強烈な重低音でリードする、ジョンのベース・ピッキングの
 引っ掻き癖まで伝わる臨場感。 
 フレディの息遣いも生々しい。 
 まるで1メートル先で歌ってるみたいだ。
 ブライアンのカッティングも分離がクッキリした分、鋭角的で斬れ味バツグン。
 この曲のリマスタリングはモノが違う。 
 皆さん、コレは買いです。

    

 実は、先日あるタワー・レコードに出向いた時に、
 このベスト盤が既に発売されてた。
 とはいえ、衝撃的移籍だった割には、なぜか購買意欲は
 湧いてこなかったんです。
 なので、「あ、出たんだ」
 くらいの軽い気持ちで、何気なく視聴してみたんです。
 そこで、あまりの音のスゴさに愕然としたんです。  
 視聴機をしばらく独占したほど。
 当然買うつもりなんてなかったけど、もちろん2枚とも買ってしまった。
 あの音を突きつけられたら、ROCK好きの名においても、
 手ぶらでは帰れません。

 あの一昨年のビートルズのリマスターも確かにスゴかった。 
 けど、あれは予想できた。
 でも、今回のQUEENのリマスターは不意打ちを食らった感じ。 
 だから、効く。 

 少々オーバーに書いたが、今までのリマスターとは明らかに
 一線を画くモノだ。 うまく表現できないが、音域の奥行きから
 レンジの広がりまで、声や楽器の細部に至るまで、
 丁寧に磨き上げて、まるで現在の3D時代に対応するよう、
 “音の立体感”が際立つように、
 まるで、“QUEENが浮き上がってくるのだ”。

 あげて書いていくと、キリがなくなってしまうけど・・。
 変拍子難易度Eランクの“Bicycle Race”も、更に躍動感が増し、
 フレディのピアノも、劇的にクリアになり、
 今までは、やたら高音パートだけが目立ってた分厚いコーラスも、
 左側から低音部をしっかり響かせ、実にバランスがとれた仕上がりになってる。
 あのチープな“チャリベル”の音も、
 まるで目の前で「チリンチリン」してるみたいだ。
 “Flash”の取ってつけたようだった映画のSEも、
 ヴァーチャル・ゲームみたいな迫力で、
 “We Will Rock You”のクラッピングのヘヴィーなこと。 
 地響きがするほどだ。

    

 “Don't Stop Me Now”のピアノの鍵盤を弾く音、
 今までそれほど印象になかった“Save Me”のアコギの響き方など、
 今回のリマスターで特に感じたのは、アコースティック系の楽器の
 音色がとてもナチュラルでクリアになってることだ。

 日本盤には、ボーナス・トラックで“手をとりあって”が、やはり収録されてる。
 別にいいんだけど・・。 
 今でも日本のファンを大切にしてくれる証拠ですから。
 でも私は「Ⅰ」の、この曲順が耳に刷り込まれてる。 
 いいんですよ、この並びが。
 だから、“Bohemian Rhapsody”で始まり、“We Are the Champions”で
 締める形が一番シックリくると思うんですよ。 

 どうせ入れるのなら、編集がかなり面倒だけど、
 当時の日本盤アナログLPの曲順に習って、
 “Under Pressure”は「Ⅱ」に収録されてるから、
 日本盤には収録されてなかった“Bicycle Race”と“Seven Seas of Rhye”
 を組み込んで、“手をとりあって”を 、“Now I'm Here”の次に差し込んで、
 当時の曲順に変えてくれたら、何も言う事ないんだけど。 

 (ちなみに、アナログ発売当時は、
  世界各国で微妙に選曲の違う7種類のタイプが出てた。
  アメリカ盤は14曲と少なく、“Under Pressure”と“Keep Yourself Alive”を。
  スペイン盤には、“Spread Your Wings”。
  南米盤には、“Love Of My Life”のライブ。
  オーストラリア盤には、米盤仕様に“Tie Your Mother Down”を加えた感じ。
  ブルガリア盤には、なんと“Death On Two Legs”と“Sweet Lady”を収録。 
  マニアックだ。
  しかし、初CD化に伴って、英国仕様(UK盤)で統一された。)


 案外軽視されがちだけど、後期のシングル曲をまとめた「Ⅱ」の方も、
 実によく出来た素晴らしいベスト盤だったんで、
 これも、ほんとによく聴いた。 
 (シングル・バージョンや編集バージョンも多く収録、収録時間ギリギリの容量)
 ただ年代も80年代半ばから90年代にかけての作品なので、
 70年代が中心の「Ⅰ」と比べて、リマスター効果も、
 それほど変わらないのではと思っていたけど、想像以上に効果は絶大。
 「Ⅰ」だけでなく、「Ⅱ」の方もキッチリ押さえておくべきだ。

 “A Kind of Magic”の立体的でメリハリ効いたリズム隊が
 ダイナミックに生まれ変わって、いきなり「これは違う」と、
 今回のリマスターに耳を奪われてしまった。
 “Radio Ga Ga”も、ベースとアナログ・シンセが浮き出てきて、
 臨場感が更に増し、“I Want It All”は大幅にスケール・アップして
 コーラスもギターも分厚くなった。

 “Innuendo”のフラメンコ・パートのクリアになったスティーヴ・ハウの
 素晴らしいスパニッシュ・ギター・ソロから、
 重たいリズム隊とブライアンのギターがなだれ込んで
 いく凄まじさ。 これは鳥肌もの。 
 私の「Ⅱ」のベスト・リマスター曲だ。

    

 “Breakthru”の暴走機関車のような疾走感。 
 “Headlong”のヘヴィーなドライブ感。
 これに対し、
 “I'm Going Slightly Mad”のフレディの低音を強調した重厚感。 
 “Who Wants to Live Forever”のストリングスを強調させた
 奥行きのある重奏感など、
 今回のリマスターでコントラストが増して、曲が蘇ったような感じがする。

 それにしても、フレディの歌の上手いこと。  
 ほんと上手い。  何歌わせても。
 リマスターによって、彼の息遣い、声量、リズム感、オクターブやファルセット
 の使い方など、ヴォーカリストとしての力量や技術がいかに優れ、
 超一流だったか、改めて思い知らされる。
 
 ここでも日本盤には、“あの例の曲”がボーナス・トラックで収録されている。
 いろいろ意見はあるでしょうけど、 う~ん・・。 
 ここでは、いらないなぁ・・。
 過去に何度もCMタイアップされたり、ドラマでも使われたりと、
 日本じゃ圧倒的人気を誇る。
 この曲を知らない人はいないくらい有名になった曲だから、
 入れて当然なんだけど。
 でもご存じのように、この曲は元々、85年のフレディ唯一の
 ソロ・アルバムである「MR.BAD GUY」からのシングルカット曲で、
 QUEENの曲ではなかった。
 このヴァージョンは、フレディ死後に残ったメンバーで、
 このフレディのソロヴォーカルに、3人の演奏を重ねてオーヴァーダヴしたもの。 
 フレディの遺志が反映されているかは疑問だ。
 (フレディ自身、この曲は実はあまり好きでなかったようで、
  シングルにしたのも、キャッチーでシングル向きとの判断で、
  レコード会社の意向に沿ったものだったようだ)

       

 嫌いな曲でないし、3人のバックアップもなかなか聴きごたえ十分だ。
 でも、安易にくっつけるのはいかがなものかと。 
 フレディに失礼です。
 この「Ⅱ」も、曲順がとてもよくて、バランスも流れもいい。
 “最期”の締めを“The Show Must Go On”で終わらずに、
 (そうしたいところだが)あえて“One Vision”を据えて、
 初めにリンクさせるようなメンバーの意図を感じるのだ。

 話がまた長くなった。
 まずは、
 3月16日に初期5作品の2011デジタル・リマスター発売が決定している。
 デビュー作から「華麗なるレース」までの5枚に、通常盤とレア・トラックを
 5、6曲収録したリミテッド・エディションが用意される。  
 ただこのレア・トラックはマニアには、
 どうってことない音源でも、このリマスターの音質向上は、
 再興奮すること間違いなし。
 また近くなったら、レビューしたく思ってます。
 
 「♪わし、買うもん~。  好きだもん~。」
  もちろん、QUEENのことです。
 ・・・。 
 パロディとしては、あまりに良く出来たCMだけど、これもなぁ・・。

 果たして、
 フレディほどの超セレブが、カッ○ヌードルを食べたことがあるのかなぁ?

 この味、いや、この“音”は世界にひとつ。   
 QUEENだけです。

2011/01/28 Fri. 22:47 [edit]

Category: クイーン

Thread:洋楽CDレビュー  Janre:音楽

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アメリカの至宝の“先の長さ”とは裏腹な重苦しさの中で。 

          THE LONG RUN    EAGLES

         

          The Long Run
          I Can't Tell You Why
          In The City
          The Disco Strangler
          King Of Hollywood
          Heartache Tonight
          Those Shoes
          Teenage Jail
          The Greeks Don't Want No Freaks
          The Sad Cafe

 先日、偶然にテレビをつけたら、
 某国営テレビでやってる、今現在日本の放送局で
 最もクオリティの高いと思う音楽番組「SONGS」で出てました。

 イーグルス。   
 大好きなバンドだ。  

 失礼を承知なんだけど、“信じられないこと”に、
 いまだに現役バリバリのアメリカン・ロックの雄であり
 “至宝”でもある彼ら。 
 そういえば、この3月に3大ドームでの来日公演も行われることもあり、
 今回のプログラムにスポットが当たったワケでしょう。

  ただ・・、う~ん・・。

 大好きなバンドなだけに、現在のイーグルスには、
 ちょっと思うこともありまして・・。
 今宵は、久々にイーグルスの話にしようと思います。
 よろしくお付き合いを。

 私が、ロックを意識して学んでいき始めた頃、
 もうイーグルスは解散していた。

 82年だった。 
 フロントマンである2人はソロ活動をスタートさせてた。
 グレン・フライ(g,vo)は、
 1stソロ・アルバム「NO FUN ALOUD」を発表。
 カントリーとR&Bのフレーバーが合わさったソフト・ロックの好盤だったし、
 ドン・ヘンリー(ds,vo)も、
 1stソロ・アルバム「I CAN'T STAND STILL」を発表。
 シニカルで重みのある渋めのロックを追求していた。
 完成度はイマイチだったけど。
 (彼のソロの真骨頂、完成度の高さは、84年の2ndから発揮される)

 なので、私も全盛期のイーグルスは、完全後追い。 
 後から学んだバンドだ。
 (94年に彼らが再結成して、
  4つの新曲+ライヴ音源の「HELL FREEZES OVER」発表時が
  私にとって、初のリアル・タイムでのイーグルス体験になった)

 72年のデビューから初期は、
 カントリー・ロックを背景に美しいメロディとハーモニーを
 武器に、ドン・フェルダー(g)加入後の中後期は、
 エッジの効いたロック的ダイナミズムを追求した、
 アメリカの夢と相反する黄昏や荒廃を表現した“現実派集団”が、
 イーグルスだ。

    

 とかく、彼らは76年の彼らの代名詞である
 「HOTEL CALIFORNIA」が引き合いに出される。  
 当然だろう。  
 誰の目から見ても、彼らの最高傑作だし、
 私も5年以上前にコレを書いたが、
 アメリカン・ロックの不滅の金字塔であることは間違いない。

 ただ、なぜか一番印象に残るのが、
 この事実上のラスト・アルバムだ。
 「THE LONG RUN」。  まだ道は長いさ。
 なんて皮肉なタイトルなんだろう。
 重苦しさ。  倦怠感。 
 哀愁。  自己批判。
 余分なまでに、“暗さ”が全体を覆う。

 前作「HOTEL CALIFORNIA」での
 ロスト・パラダイス概念”を見事に結実させて、
 音楽的にも商業的にも大成功を収めた後、
 彼らは、周りの過度の期待とプレッシャーに
 打ちのめされながら、3年の歳月をかけて完成にこぎつけた、
 まさに“鷲のスワン・ソング”である。

 リアル・タイムで、このアルバムを手にした当時のファンの期待は
 ハンパではなかったでしょう。  
 待ちに待った、あの「ホテ・カリ」の次回作です。 
 レコードのA面に、
 針を落とすまでの期待感はマックス・レベルだったに違いありません。

 しかし、ショボいんですよ。 
 アルバムのタイトル曲でもある“The Long Run”。
 「エッ、これなの?」
 期待値の針のレベルがみるみる下がっていったのでは・・?
 とは言っても、さほど悪い曲ではない。
 でも、平均点並ほど。
 イントロからジョー・ウォルシュ(g、slide g)のスライドと
 ドン・フェルダーのオルガンが実にいい雰囲気を出してて、
 ポップなメロディーとコード進行で、ドン・ヘンリーのボーカル
 もなかなかのマッチしているし、さりげないホーンの効果もいい。 
 でも・・。
 これをオープニングに持ってくるのは失敗だったのではと、
 今聴いても思ってしまう。
 
     

 つくづく、
 AとBのトップを入れ替えるべきだったのではと思うんですよ。
 オープニングは、グレン・フライをフューチャーした後期の
 イーグルスらしい軽快なハーモニーと、
 (クレジットにはないが、あのボブ・シーガーもコーラスで参加)
 ジョーのスライドの絶妙なバランスが素晴らしい、
 全米No.1ソングにも輝いたB面トップのハード・ブギー“Heartache Tonight”を、
 アルバムの頭に据えるべきだった。
 そうすれば、
 ネガティブなこのアルバムの印象もかなり変わったと思うのだが・・。

 前作の大成功から、
 トップ・バンドとしての重圧とツアーの過酷さから、
 オリジナル・メンバーだったランディ・マイズナー(b)が
 突然脱退してしまったが、その後任には
 POCOのティモシー・B。シュミットが加入する。 
 2曲目には、彼の澄んだセンシティブ・ヴォーカルが堪能できる名曲
 “I Can't Tell You Why (言いだせなくて)”が座る。

        

  「 僕が出て行こうするたびに、
    何かが僕を振り向かせ、引き止めるんだ。
    今までうまくやってきたのに、
    今は問題をややこしくしてるだけ。
    わからない。  
    なぜだか理由がわからないんだ・・。  」
    
 シンプル・イズ・ベスト。  
 素晴らしい。  
 泣きの極みが冴え渡る。
 良い曲には、
 余計な装飾は必要としないことを証明しているような曲だ。

 ジョーのオルガンと、フライのフェンダーの旋律に、
 ドン・ヘンリーの重めの“刻み”に
 ティモシーのベースラインを這わすだけのシンプル構造。 
 他には何もいらない。
 あの印象深いギター・ソロは意外にも、グレン・フライが弾いてる。
 変に“泣き”が入らないとこも含めて、
 このチープさ、ドライさ、、危うさが実にいい。
 (ビデオ・クリップやライブでは、ドン・フェルダーがプレイしているが)

 しかし、ラストを締める“The Sad Cafe”こそ、
 このアルバムのベスト・トラック。
 ドン・ヘンリーの説得力のあるボーカルと、
 シンプルなメロディに美しいハーモニー、
 エレピとアコギの自然な響きが印象的で、
 (アコギは、ドン・フェルダーが弾いてる)
 曲のエンディングでフューチャーされてる
 デヴィッド・サンボーンのサックス・ソロが、
 更に洒落た雰囲気を醸し出している。 
 当時の彼らが最後の力を振り絞った力作だ。

 自由や希望にあふれたアメリカで、
 いろんな意味で“夢破れた”かつての若者たちが、
 「俺達は、サッド・カフェに集まる孤独な群衆の一部だったんだ」と
 過去を振り返る。
 それは当然ながら、
 「結局は、巨大な音楽産業の一部に過ぎないんだろう」と自らを、
 自虐するメンバー自身にも重なっているワケだろう。

 それ故、楽曲レベルは高い。
 バンドの安定した演奏技術と全員が
 ヴォーカリストであることの強みだ。
 ただ良くも悪くも、この都会化した味わいが、
 当時のAOR化したドゥービーと揶揄して、
 「イーグルスよ、おまえもか」との声が聞こえてくるほど、
 見事に洗練されている。


 イーグルスというバンドは、
 ここで終わって正解だったのだと思う。
 各ソロになっても、
 イーグルスのスピリッツは継承されていったのだから。


 しかし、94年に彼らは再結成する。   
 正直、当時は嬉しかった。
 ライブも素晴らしかった。 
 
 アメリカの“伝説(レジェンド)”が生き続ける意味。
 それは、消失した“大いなるカリフォルニアの夢”を再確認して、
 その魂(スピリッツ)を受け伝えていくことだ。

 この「THE LONG RUN」時のメンバーで、彼らは現在も活動している。
 でも今は4人しかいない。  ・・・。 
 ドン・フェルダーがいないのだ。

   

 残念だ。   
 これは痛い。  痛すぎる。

 彼は2001年にクビになり、
 これが現在まで訴訟問題に発展してしまってる。
 イーグルス側の理由は、
 「音楽的に貢献していない」という何とも“不可思議”な理由だけど、
 ガマンならないホントの理由は“ギャラの配分”だ。

 どうも再結成後のイーグルスってバンドは、
 フライとヘンリーが支配していて、
 ギャラの配分も、解散前は全員均等の5等分だったのに、
 印税やライブ等のギャラはフライ、ヘンリーの3分の1しかないらしく、
 フェルダーは準メンバー程度にしか考えてないらしい。
 (ジョーはもう少し取り分があるだろうけど、ティモシーも同等なんだろう)

 コレ、ほんと悲しい。  
 バンド内のこういう話はよくあるけど、やはり悲しい。

 イーグルスは、バーズやバッファロー・スプリングフィールドから
 始まったカントリー・ロックの流れを受け継いだ最後の直系のバンド。 
 そこに、3rd「ON THE BORDER」から
 フロリダ出身のドン・フェルダーが加入して、
 カントリー・ロックだったイーグルスに、サザン・ロックのテイストを持ち込んで、
 スケールの大きいアメリカン・ロックに押し上げた立役者で、
 マンドリンやペダル・スティールに、スライドやアコギまで
 自在に操る職人的ギタリストだ。 
 (バーニー・リードンを追いやった男?でもある)

 様々なギター・スタイルに通じ、
 計算されたメロディックなフレーズを生み出す
 ドン・フェルダーと、ジョーのスライドをフューチャーさせて、
 ヘヴィーなリフとドシンと重たいビートで、
 メリハリの効いたロックのダイナミズムが増したサウンド
 で固めるという、
 (後期のエッジ・ロックを確立させたビル・シムジクのサウンド・
  メイキングはもっと評価されていいと私は思うが)
 これは初期にグリン・ジョンズが残響効果を
 多く使ったエフェクト処理をしていた
 アコースティックでナチュラルなカントリー・ロックとは、
 真逆のサウンド。
 だから、後期のイーグルスを“別のバンドだ”と批判する諸氏も多い。

 しかし、あまり知られてないけど、
 あの“Hotel California”の実質的ソングライターは、
 フェルダーなのだ。  
 故に、どうも過小評価されていることが解せないのだ。
 
 再結成後は、ライブ中心に活動していたが、
 2007年になんと28年ぶりの新作もリリースした。
 「ここで新作を出す意味があるのか」とも思ったけど、
 2枚組の力作だし、良質の安定した円熟味、
 貫禄と余裕にあふれるアメリカン・“オヤジ”・ロックが堪能できる。

  eagles long

 でも言いたくないけど、あれは“駄作”。 
 全く必要性を感じない。
 悪いアルバムではないけど、いらないアルバムだ。

 楽曲レベルが平均的なのは許すが、
 1曲でもいいから“キラーチューン”が欲しかった。
 足らない。  
 フェルダーの必殺リフや印象的フレーズがないのだ。 
 いかに彼が大事だったのか、
 皮肉にも証明したようなアルバムになってしまってる。
 4人のソロの寄せ集めみたいだし、
 富も名声も築き上げた晩年のイーグルスには、
 緊張感も切迫したメッセージもない。  
 コレは仕方ないんだけど。
 
 
 その時、その時代の風潮に、
 自分達の人生や生き様に決して背を向ける事なく、
 “音楽”を通じて世に説いてきたイーグルス。

 人間や社会の、そして自分達の“内なる無常”を
 見据えてしまった彼らは、
 その“やりすぎ”なくらい音楽に真摯な態度で向き合い、
 こだわり、そして、生きていく勇気を与えてきた。  
 それは、単なるアメリカン・ロックの雄としてではなく、
 その事実が、別格な存在にまで高めた最大の要因であり、
 いつまでも、人の心や魂を打ち続ける原動力となっているのだ。

 だから、再結成は意味があったと思う。  が・・。

 イーグルスは、「THE LONG RUN」で、
 終ったことを忘れてはいけない。


 追悼哀悼追記
 2016年の初頭のグレン・フライの旅立ちは、
 勇敢な鷲の翔び立ちだったのだろうか。

 正直、私は嫌な奴の印象のまま。
 高いプロ意識は素晴らしいが、欲しいままの独占欲と
 リーダー欲をはき違えたまま、
 逝ってしまったかなと。

 ただイーグルスなど、
 私の心の中では、遥前に終わっていたが。

2011/01/19 Wed. 14:03 [edit]

Category: アメリカン・ロック

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