ROCKでもない奴。

  42歳音楽バカ。 通称たか兄。 ここは、洋邦、ジャンルを問わず音楽を語る場所。  

真実の愛と“公式海賊版”の意義。

             Real Love         THE BEATLES

               

                   Real Love
                   Baby's In Black
                   Yellow Submarine
                   Here, There And Everywhere

   世の“ビートルズ・リマスター祭り”もさながらに、前回に引き続き、
   ビートルズ・アンソロジーのついて、よろしくお付き合いを。 マイペースで参ります。

   “Free As A Bird”に続いて、もう1曲、残った3人は新曲のアレンジに着手。
   曲はジョンが79年に書いたとされる、やはりピアノと歌だけのデモ的なものに、
   前曲同様、残った3人が“テープのジョン”に、ダビングする手法で作られた。 

   まず、コンピュータで伴奏などのノイズを取り除いた後、キーを上げて、
   (Dメジャー → Eフラットへ)、間奏を一部カットし、ジョンのボーカルに合わせて、
   ポールが一緒に歌っている。 冒頭の電子チェンバロは、“Because”で使った
   もので、このパートはポールが演奏した。 (ジョンの原曲にもこのパートはある)。
   そしてこの曲でも、ジョージが得意のスライド・ギターを披露している。 
   ドラムはリンゴ、ベースはポール。 演奏も、ジョンの原曲を支えることに専念。 
  
   原曲は割とゆったりした感じだったが、テープ操作でミドルテンポにセットされ、
   それによって、ジョンの声が少しサイケな感じになっているのが賛否両論。
   ビートルズっぽくなったと思う反面、加工品ぽくなりすぎて不自然さも気になるが、
   これは仕方ない。  よくここまで“造り上げた”と褒めるべき。
     (これを、“テープいじりだ”って批判する人も多いんだけど、極論すれば、
     ビートルズの録音の歴史は、“テープいじり”の歴史だといってもいい。
     逆回転にテープループ、切り貼りにエフェクト。 全部“テープいじり”だ。
     ジョンの誉れ高き“Strawberry Fields Forever”なんて、マーティンの
     テープいじりの傑作に他ならない。 もっと寛容にとらえるべきですよ。)

   マイナーコードの不穏なメロディから、ジョンの歌が浮かび上がり、
   同時に曲がゆったりとポップになる。  非常にシンプルで美しいメロディだ。
   空に舞い上がったまま、幸福感に包まれるような気持ちにさせる感じ。
   ここではジョン以外の歌は控えめで、残った3人はコーラスに徹している。

   この曲はジョンのソロ・バージョンも発表されているんで、聴き比べてもいいかと。
   (映画「イマジン」のサントラ盤やジョンの「ANTHOLOGY」にも収録されている)
   最後のタイトルのリフレインがいつまでも耳に残る。

   最後にPV。こっちはレコーディング風景と過去の映像を交えながら、
   色々なものが空へ帰っていくという、 なんか感傷的なもの。
   ピアノ、「SGT.PEPPER'S〜」の服、楽器達、勲章、ビートルズのアルバム・・。
   監督は、元10ccのケヴィン・ゴドレイ。 (優れた映像技術で名クリップも多い)
   歳を取って残った3人の笑顔や、それに挿入される生前のジョンの映像、
   そして、ビートルズの頃の映像が所々でフラッシュバックされるといった内容。

   ジョンだけ、歳取ってないんだよなぁ・・。 前曲より作り込んではないんだけど、
   ビートルズをバンドヒストリーも込みで理解してから観るとやたら感動する。
   ズルいんだよ作りが。 マニアだけ喜ばせてどうするよ、全く。
   「僕たちにそこまで没入してくれてありがとう。 愛しているよ」ってか。

        

   この「ビートルズ・アンソロジー」だが、この“新曲”2曲は、裏ワザ(禁じ手かも)を
   使ってしまうも、目玉企画として、大いに評価したいし、いろんな意味で、
   「夢と可能性」を“現実”に示してくれた事実に感謝している。

   が。 「ビートルズ・アンソロジー」という“公式海賊盤”は、いまだに「?」にまま。
   果たして、「これって、何だったの?」という意義を考えてしまう。

   率直に言って、マニアが喜んだだけのモノだったんじゃないの、コレって感じ。
   貴重な歴史的資料、遺産には違いないが、“学者”レベルでの話。

   発表当時は、ほんとに凄かった。 今のリマスター騒ぎどころじゃなかった。
   ましてや、再結成するという超ビッグなオマケつき。 私も狂喜しましたよ。
   ビデオにして8巻(現在DVDにて5枚組)、時間にして、約11時間以上。
   サウンドトラック盤の意味で1〜3のCDセット。 これも、売れに売れた。
   
   確かに何度も観た。繰り返し聴いた。新しい発見ばかりで興味深いものばかり。
   彼らにしか、知り得ない事実が明らかになった部分は重要だし、それ以上に、
   あの3人が仲良く当時を語り合う姿が、なんとも嬉しかった。
   ただ、これを1曲1曲書いていくつもりもないし、その必要もないと思う。
   (私のブログ更新ペースなら1年以上かかってしまうでしょうし・・。)

   考えてみれば、これは、すべてボツにしたもの。 NG。 ゴミなんです。
   熱心なマニアが、発掘され続ける未発表音源や映像を研究した結果、
   ビートルズの真実の何%かが解明されたのは認めるんだけど、あくまで、
   舞台裏の話なわけで。 当時、この「アンソロジー」で初めてビートルズを
   体験した人が、かなりいたはず。 入り方に順番はないんだけどねぇ・・。

   「ANTHOLOGY」って、「名詩選」って意味でしょ。  これは、間違ってる。
   これは、「NG集」であり、バラエティ番組でいったら、「〜の裏側見せます」だ。
   確かに貴重な歴史の裏側ではあるけど、番組企画でいえば安直すぎるし、
   けっして胸張れるものじゃない。 しかし、興味と満足度に限りはないんですよ。
   ビートルズって。 知れば知るほどに。 4半世紀以上前に終わっているバンド
   なのに、いまだに十分に“商品”として、これほど魅力あるバンドはいない。
   私も、ビートルズのブートレグは好んで聴いているんで、100%批判できる
   立場じゃないんだけど、これを、“公式”で大々的に発表するのはいかがなものか。
   (その「ANTHOLOGY」のブートレグもあるくらいだ。 バカバカしい・・。)

   ビートルズ・リマスターに盛り上がる今、改めて考えてしまうわけで・・。
   ただ、このことは、間違ってはいない。

   今回のリマスターされた213曲こそ、真の「ANTHOLOGY」だということを。

“4次元ビートルズ”を覚えてる?

           Free As A Bird       THE BEATLES 

               

                 Free As A Bird
                 I Saw Her Standing There
                 This Boy
                 Christmas Time (Is Here Again)

   ついに来ました、Xデー。   09.09.09.   ビートルズ・リマスター。

   各マスコミ、プレスはもちろん、各ブログ、巷でも、この話題で持ちきりです。
   大変喜ばしいんだけど、 どっこい、この私。
   構えております。  ドシっと。  ドンとこい、とばかりに。
   浮かれてはなりませんぞ。 あのビートルズのオフィシャル音源が変わるんです。
   これは、大変なことなんです。  あなどってはダメですよ。

   ゆえに、みんなこぞって、リマスター音源について書かれることでしょう。
   
   しか〜し。 小生、みんなと同じこと書いてたんじゃ、面白くない。
   私なりのリマスター音源レビューは、じっくり掘り下げたうえでアップしたく思うんで、
   ここは、変化球投げます。 

   今では、もう誰も語らなくなった、「ビートルズ・アンソロジー」。
   リマスター騒ぎで盛り上がる中、私なりに、あの“出来事”は何だったのか、
   14年の時を経て、改めて考えてみようと思う。

  

   まずは、覚えてますか?  ビートルズが再結成をしたことがあった事実を。

   1995年、ビートルズ解散25周年を記念(?)しての、大型プロジェクトであった
   「ビートルズ・アンソロジー」。 ビートルズの歴史を各メンバーが振り返った
   総括的プロジェクトで、来たる世紀末を目前に、彼ら当事者からビートルズの
   “事実”を、きっちり記録しておく必要性から、このプロジェクトは発展していく。

   膨大なフィルムから、ドキュメンタリー制作が進んでいく際に、
   残った3人で、映像に付随する音楽を作ろうとのアイデアが出た。
   しかし、ジョンがいない。 これには、どうしても納得がいかなかった。

   そこで、ポールは、ヨーコに連絡。 「ジョンの残したデモテープから、作品を
   仕上げたらどうだろう?」  ヨーコも同意。 ジョージとリンゴも、
   「ジョンがいるなら、問題ないよ」   これで、決まり。

   94年、ヨーコは、ジョンの残したデモテープの何曲かをポールに渡した。
   当初その中から3曲が選ばれ(“Free As A Bird”、“Real Love”の2曲は採用
   されたけど、後に最後の1曲がポールとジョージが意見が合わないことからか
   ボツになる。 それは、あの“Now And Then”と“Grow Old With Me”だった)、
   アレンジし直して新曲としてリリースされることになった。 その記念すべき、
   最初の曲が、この“Free As A Bird”だ。

   渡されたデモテープの中で、ポールが一番気に入った曲が、この曲。
   ただジョンがピアノで鼻歌まじりに弾き語ってるモノラル録音のテープ。
   ヴォーカルもピアノも分離されておらず、テンポもバラバラで、ノイズもひどい。

   こいつを、どう料理しようか・・。

   そこで、招かれたのが、ジョージいち押しの紹介で、元ELOのジェフ・リンと、
   エンジニアのジェフ・エメリック。 (低迷してたジョージ復活の立役者だ)
   彼らは、最新の技術でノイズの除去し、モノラル録音から、ヴォーカルのみを
   抜き出してテンポを調整。 これで、テープに合わせて歌うことが可能に。
   テクノロジーは、不可能を可能にするんです。

         

   まず、ポールのベース・トラックから。 おとなしいラインだ。 でも、堅いプレイ。
   中後期ビートルズのポールのベースは躍動感と創造性あふれるラインと
   リリシズムあふれるテクニックで、まさに“歌うベース・ライン”そのものだった。
   しかし、今回はシンプルなルート・プレイに徹して、曲の基礎を固めた。
   (後期やウィングスでよく使用したリッケンバッカーじゃ太すぎるのか、
    あの当時から、再び握り出したヘフナーの音だと思う。 線はやや軽め。)
   
   次に、リンゴのドラムを重ねる。  これも、堅いプレイ。 実に堅い。
   曲のオープニングは、スネアの連打から始まるが、この音の処理(歪ませ方)は、
   ジェフ・リンの専売特許。(音が抜けず、箱庭的音像にパッケージさせる感じに)

   これに、ポールとジョージが、ジョンのテープに合わせて、ハモってみる。
   「おお、ビートルズっぽいじゃん」とリンゴ。 

   そして、ジョージのギター・パートに取り掛かる。 ジェフは、スライドを提案するが、
   ポールは、待ったをかける。 あまりに、ジョージの個性が強くなってしまい、
   ビートルズとしてのカラーが弱まってしまうことを懸念してのことだ。 そこで、
   「メロディに走らず、シンプルでブルージーに弾いてくれ」とアドバイスを送る。
   これにジョージは、ポールも大絶賛する最高のスライドで、見事に答える。
   これが、激シブ。 凄過ぎるプレイ。 ジョージしか弾けない。
   “むせび泣く”というよりは、“よれてなお、枯れてなお”。 成熟の極みだ。
   (「LET IT BE」での、あの因縁に、25年越しで、ようやくケリをつけたね。)

   問題は歌詞。 ジョンも完成できずじまいだった、サビの部分をどうするか。
   まずポールが、言葉を考えて歌ってみたが、イマイチしっくりこない。
   ジョージやジェフもダメ出し。 そこで、ジョージがポールの書いた詩をバラバラに
   し始めた。 ポールは面白くなかったそう。 あの当時じゃ、考えられないことです。
   しかし、「ジョージは正しいんだ」と言い聞かせ、ジョージが組み立てた歌詞は
   シンプルで、美しく力強い歌詞に改造。 “初の3人での共作”が誕生した。
  
   構成としては、Aメロがジョンで、サビをポールとジョージがそれぞれ歌うという形に。
   はかなげなジョンの歌声と淡白な美しさを持ったメロディが実に印象的。
   それを繊細に包みこむ“FAB 3”の声と演奏がジョンを引き立てる。
   浮遊感あふれるサウンドは自由に空を飛ぶ鳥のようで、曲のタイトルにふさわしい。
   リンゴのヘヴィなドラム、甘く厚みを持ったコーラスは時代を越えて響き渡る。

   ただサウンド的にはオーバー・プロデュース気味とか、元々、この再結成を認めない
   一部のファンからは、いまだに批判が出るのも分かる仕上がりではある。

   もし、ジョージ・マーティンがこの曲を手掛けていたら、こんな音にはならなかった。
   (もっとジョンのピアノを生かして、アコースティックとストリングスで味付けしたはず)
   それでも、今の時代(といっても10年以上前だが)に、ビートルズを甦らせるとしたら、
   こんな感じが妥当ではないかと、私は思う。  大いに、“有り”な音だ。
   少なくとも彼らの名を汚すクオリティではないし、再結成の目玉企画としては上々だ。
   天国のジョンも、「最高だ」とは言わないまでも、(絶対に言うはずないよ)
   「悪くはないね」と、ほくそ笑んでいるのではないだろうか。 (そう思いたい)

   最後にプロモーション・ビデオ。 これは物凄い。 何度、繰り返し観たことか。
   これまでの曲名とか歌の内容とかに引っ掛けまくった映像がずっと流され続ける。
   驚異の編集技術。 ここでいちいち解説することなど到底出来ない程の情報量。
   何か「REVOLVER」、「SGT.PEPPER〜」とかみたいな、“謎解きセンス”も良い。
   ビートルズをある程度網羅してから観ると、何度もニヤリとさせる仕組み。
   これは見事としか言いようが無い。 本当に、よくこんなの作ったもんだ。

    (このビデオの謎解きを解説したサイトを発見したんで、英文ですが、
     興味のある方は、こちらをどうぞ。 恐るべしマニア魂、参りました。)

   今回は、ここまで。
   “Real Love”と、アンソロジー総括は次回にします。  (続く)

仁義なき兄弟ゲンカの末には・・。

                Whatever         oasis

                

                    (JAPANESE EP)
                  Whatever
                  (It's Good)to Be Free
                  Fade Away
                  Listen Up
                  Half The World Away
                  I Am The Walrus 
                   (Live at the Glasgow Cathouse)
    
   ついに、ノエルが辞めちまった・・。  ん〜・・。  でも仕方ないか。
   いい音してたのになぁ、こいつら。   これは、致命的だよ・・。
   
   「 今夜オアシスを脱退する。  悲しいことだが、気持ちがとても楽になった。
     世間の人は好き勝手なことを言ったり書いたりするだろうが、
     僕はもうこれ以上リアムと一緒に活動はできない。  それだけだ。 」

          

   「 細かいことは重要ではないし、(脱退した理由は)あまりに多すぎて、
     全部挙げていたらきりがないほどだ。でも皆には知る権利があると思う。
     僕や家族、友人、仲間に対する言葉や暴力による脅しが耐えられないほど
     ひどくなっていたし、マネージメント側やバンドのメンバーからのサポートも
     なかった。 だから、ここを離れて新しい活動の場を見つける以外に
     選択肢がなかった。  」

    8月29日発表された、ノエル・ギャラガーのオアシス脱退の正式コメントだ。

    こいつら兄弟は、昔からほんとに仲が悪かったからなぁ・・。
    そのエピソードをひとつひとつ挙げていくと、ほんとにキリがない。 
    兄ノエルが一時的でも離脱したり、弟リアムが抜けたり、また戻ったり・・。
    過去にヤバい時期が何度もあったし、解散寸前までいったこともあったんで、
    また今回も、気が変わって、また戻ってくるんじゃないのとも思ったんだけど、
    今度こそは、その可能性はゼロだ。 との認識でいいらしい。

    結論づけてしまうけど、終わったね。  オアシスは。

    もともと前身のバンドは、既に脱退してるボーンヘッドとギグジーらで構成してた
    「ザ・レイン」ってバンドに、クビにしたヴォーカリストの後任にリアムが加入して、
    「オアシス」ってバンド名に変えさせる。 そして、初ライブを観た、当時、
    インスパイラル・カーペットのギター・テクニシャンだったノエルが彼らを酷評。
    「そんなにヘタクソって言うんなら、ここに加わって、マシなバンドにしてみろ」と、
    キレたリアム。 最初は渋ったが、「俺の凄さはこんなもの」とばかりに、
    オリジナルを数曲披露。 ド肝を抜かれたオアシスの面々に加入を懇願され、
    事実上のリーダーとして、オアシスに加入することになる。

      

    ノエルが加入したオアシスは、デモ作りに没頭。 メキメキと頭角を現す。
    そして、クリエーション・レコードの社長アラン・マッギーとの出会いによって契約。
    94年11月“Supersonic”でデビュー。 90年代初めの英国でのブリット・ポップ
    ムーブメントの波に(これはマスコミが作りあげたもんだけど)うまく乗り、
    怒涛のシングル攻勢で勢いづき、(憎っくきあのブラーとの確執にもケリをつけ)
    1stアルバム「DEFINITELY MAYBE」は、最も売れたデビュー・アルバムとして、
    全英1位を獲得するに至る。 以降の活躍、飛躍ぶりは知っての通り。
    
    ノエルがいなかったら、オアシスはここまでのバンドにはならなかったワケだ。

    ただ今回は、5枚目のシングルで、ノエル自身、とても大事にしてるこの曲を書く。
    オアシスを知らない人、洋楽を知らない人でも知ってる、あの素晴らしい曲だ。

    実はデビュー前からノエルが書いていた曲だったが、1st制作時にレコーディング
    しようとの提案にも、金銭的理由から思い描くストリングス・アレンジが出来ない
    とのことでボツに。 その後、1stアルバムのメガ・ヒットで再度レコーディングされ、
    94年末にリリース。 初の全英3位を記録した。

    この“Whatever”は、アルバムどころか、ベスト盤にも収録されてはいない。

    ( ちなみに、この曲はビートルズのパロディ・バンドのTHE RUTLESで有名な
     ニール・イネスから、彼の曲である“How Sweet To Be An Idiot”に
     「♪I'm Free〜」の部分のメロディが似ていると指摘され、裁判に持ち越さず、
     示談によって、クレジットはノエルとニール・イネスの共作の形で収まってる )

    現存するバンドで、ビートルズの遺伝子が最もピュアな形で伝承してるバンドは
    こいつら「オアシス」だと思ってるけど、メロディの洗練さ、歌詞の想像性、
    鼻にかかるんだけど、リアムの毒があっても伸びやかなヴォーカル、
    そして、あのストリングスの調べに、長さを感じさせない曲構成。
    名曲っていうよりは、“素晴らしい曲”と言った方が的を得てると思う。

    この曲の、一番スゴいところは、「完璧なる融合」そのもの。
    ビートルズもクラシック(特にバロック音楽)との類似点を指摘されてきたけど、
    この“Whatever”はそのビートルズとバロック音楽が完璧に融合してる。
    90年代の“All You Need Is Love”と言われている所以もここにある。
    このストリングスの調べは、近代ロック史の中で最も美しい曲だと言っていい。
    (ただ高音のミックスがイマイチなんで、少々耳障りに聴こえるとこが難点。
     ノエル、早くリマスターしてくれ!)

    ライブでは、このアレンジは再現が困難なんで、最近はセットから外されてるが、
    日本のステージでは、ノエルがよく弾き語って唄ってくれる。 (サービスかな)
    その心意気、嬉しいじゃないの。  コレが、また泣けるんだ。

    この日本盤シングルは、英国での4thシングル“Cigarettes And Alcohol”の
    カップリング2曲を特別収録した、いいとこ取り仕様。
    どの曲もクオリティが高く、アルバムから外したなんて、“余裕”すら感じさせる。
    やっぱ特筆すべきは、“I Am The Walrus”のほぼ完コピのライブ・カバー。
    (初期のオアシスは、ライブのアンコールは一切なし。 時間も約1時間。
     ラストはこれで締めるのが定番。 でも、これがクールで決まってんだ、コレ)
    でも、よくよく考えると、コレ、67年のジョンの曲なんだよね。
    あの時代に、こんな斬新でぶっ飛んだ曲を書いてたなんて・・。 恐るべし才能。

    彼らの名曲として誉れ高い“Don't Look Back In Anger”。
    この曲は、ヴォーカルをどちらが取るかで、大喧嘩となった曰く付きの曲。
    しかし結局、この曲だけは、ノエルはリアムに譲ることはなかった。

    ノエルよ、“怒れる者は、振り返らず”か・・。
 

我、いまだにやられっぱなしで・・。

              LIKE A VIRGIN        MADONNA

                 

                   Material Girl
                   Angel
                   Like A Virgin
                   Over & Over
                   Love Don't Live Here Anymore
                   Dress You Up
                   Shoo-Bee-Doo
                   Pretender
                   Stay
                    
   この前の週末に、“また”やってました。
   80年代ベストPV TOP20・・。   見ちゃうんだよなぁ〜、こういうの。
   他事やってても、見ちゃう。  ダメですよ。  私にゃ毒です・・。

   8月29日が、マイケルの51回目の誕生日ということでの企画だったんで、
   1位は、当然マイケルだったんだけど、(そういうのナシでも、1位は当然)
   大体予想はついてたけど、2位は、やっぱこの方でした。

   マドンナ。  泣く子も黙るじゃないけど、文句ありません。

   以前、彼女のこと書いた時に、「やられっぱなし」って書きましたが、
   現在に至っても、“いまだに、やられっぱなし”のまんまっすわ・・。
   失礼ですが、御歳51歳についこないだ、なったばっか。 マイケルとタメです。
   なのに、“熟女”のカケラも感じさせない、あのバイタリティ、カリスマ的オーラ。
   何なんでしょ、全く。

   まず、現役ってこと。  バリバリ。  25年間コンスタントに作品を出し続けて、
   これといったスランプもなく、トップのまんまで、ず〜といる。  いやはや・・。
   シングルやダンス・チャートで、もうついていけない名前がズラ〜と並ぶ中でも、
   しっかりランキングして上昇してるもん。 これは、エライ。 いや、”偉い。”
 
   女性アーチストでは、なんだかんだ言っても、彼女が世界で一番だろう。
   
   今でも、彼女の最高傑作は89年の「LIKE A PRAYER」だと思ってますが、
   デビューから、ずっと見てきた中でも、インパクト、男性的初期衝動の観点から
   すると、やっぱコレ。  高校2年の私にゃ、刺激が強すぎました・・。
   
   いけませんです、このジャケ。 コレで世界中の何人の男が落とされたことか。
   もろ真ピンクというか、 妄想をかきたてるような、清潔なエロさというか・・、
   下手なAVのパッケージより、こっちの方が、はるかに刺激的だ。
   もう中味以前のこの時点で、やられてますから・・。 (裏ジャケも、やばい)

          

   じゃ中身はというと、今聴くとスカスカに抜けてるんだけど、もろ“あの時代の音。”
   プロデュースは、当時1番売れっ子だった元CHICのナイル・ロジャース。
   彼の音作りの特徴は、リズムよりもビート重視で、ギタリストってこともあるが、
   カッテイングの音をオン気味にして、ベースをボトムに固めるやり方。
   ファンク出身なんだけど、どちらかというと、ロック寄りの音作りが上手い人。
   (彼が手掛けたボウイの「LET'S DANCE」やデュラン・デュランの「The Refrex」
    や、ミックの「SHE'S THE BOSS」、ベックの「FLASH」なんか、全部この音。)

   この“Like A Virgin”は、トム・ケリー&ビリー・スタインバーグのソングライター
   二人が書いた曲。(後にシンディ・ローパーの“True Colors”やハートの“Alone”、
   バングルスの“Eternal Flame”を書いて大ヒット。 一躍ヒットメイカーになる)
   なんか東洋的メロディなんだけど、抜けのいいビートと彼女のブリッコっぷりが
   見事にマッチした、完璧なプロダクト。 ビデオのウェディング・ドレスも眩しかった。

   個人的にはキュートで小悪魔的な“Angel”や、まだ歌唱力は未熟なものの、
   “Love Don't Live Here Anymore”での情感あふれる歌いっぷりなんか
   好きだったんだけど、 “Dress You Up”のような当時流行りのビート・ポップや
   80年代版モンローよろしく、“Material Girl”そのまんまに、世界の男どもを
   手玉にとり、ほんとに天下を獲ってしまったもんなぁ。

   この後の紆余曲折を経て、スターダムへのサクセス・ストーリーは、説明不要。

   そんな彼女の25年間のオールタイム・ベスト・アルバム「CELEBRATION」が
   9月末にリリースされる。 収録曲もキャリアを総括した内容で、まさに究極。
   でもこのジャケ。 アンディ・ウォーホルっぽいポップアートなんだけど、
   もちょっと、何とかならなかったんかいなぁ・・。

             

   とはいえ、彼女の口元のホクロには、今でもメロメロな小生なのでした・・。

屋根裏部屋の名曲たちは眠らず。

           SONGS IN THE ATTIC       BILLY JOEL

              

           Miami 2017 (Seen The Lights Go Out On Broadway)
                  マイアミ2017
           Summer, Highland Falls  夏、ハイランドフォールにて
           Streetlife Serenader  街の吟遊詩人は...
           Los Angelenos  ロスアンジェルス紀行
           She's Got A Way  シーズ・ガット・ア・ウェイ
           Everybody Loves You Now  エブリバディ・ラブズ・ユー・ナウ
           Say Goodgye To Hollywood  さよならハリウッド
           Captain Jack  キャプテン・ジャック
           You're My Home  僕の故郷
           The Ballad Of Billy The Kid  さすらいのビリー・ザ・キッド
           I've Loved These Days  楽しかった日々

    最近、またよくライヴ盤を聴くようになった。
    これといってライブに行く機会もめっきり減って、無意識に体が“欲して”いるのか
    わかんないんだけど、なんか、あの“アツい”雰囲気が実に心地いいのだ。

    特にジャンルや特定のアーチストのヤツってのはないんだけど、片っぱしに。

    そこで、20年以上(いや、もっと前かな)聴いてなくて、久しぶりに耳にしたコレ。
    しかし今に至っても、当時の感動が甦ってくる。 名曲名演は、時代を超えるんだ。
    でも、“屋根裏”ほど奥にはしまってなかったけど、ちょっと埃かぶってました・・。
    ごめんね、ビリー・・。

    ガキの頃、TVで偶然見た、ビリーがライブハウスで歌う、“さよならハリウッド”。
    鮮烈だった。  瞬きするのが、嫌なくらいに見た。  真剣に見た。
    素晴らしい。  ブラボー。  実に素晴らかった。  TVに向かって拍手したっけ。

    そして、私が生まれて初めて手にしたライブ盤がコレだった。
    
    80年6〜7月の「GLASS HOUSE」の全米ツアーからのライブ・レコーディングで、
    ビリーにとって初の公式ライブ盤。  しかし、かなり異色の内容だった。
    当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのビリー。 ヒット曲満載の構成かと思いきや、
    「THE STRANGER」でビッグ・ヒットした以降の曲は、まるで無視して、
    メジャー・デビューして、初期の全く売れなかった時代の4作品からの選曲に。

    自身初のライブ盤としては、ある意味“無謀”な企画。
    皆が“素顔のままで”や、“マイ・ライフ”が聴きたいはずなのに。
     
    「SONGS IN THE ATTIC (屋根裏部屋にしまっておいた曲たち)」 

               

    ビリーは今まで、日の当たらなかった隠れた曲ばかりをあえて選んだ。
    思うに、自らの曲に対する愛情が我々の想像を超えるほど深いこと。
    そして、とても大事にしていること。  売れてる売れてないは関係ない。
    ヒット曲という“地位”、“称号”は、我々ファンが与えるもの。
    ビリー自身にとっては、ヒット曲。 イコール。 愛情が深いとはならないんだ。

    この80年くらいに、ビリーのバンドが、がっちり固定された。
    ドラムにリバティ・デヴィート。 ベースにダグ・スティグマイヤー。(95年に没)
    の土台に、ギタリストにデヴィッド・ブラウンとラッセル・ジャヴァーズ。
    花形サックスは、あのリッチー・カナータ。 そして、天才ピアノマンのビリー。

    このバンドの演奏力と安定感が“屋根裏の曲”に、新たな生命力と輝きを与える。

    影の大傑作「ニューヨーク物語(TURNSTILES)」から4曲セレクトされているが、
    聴き始めた当初は、“さよならハリウッド”の爽快で切れのあるアレンジに圧倒、
    (アルバムでは、スペクターの“音の壁”をオマージュした作りだったけど)
    “夏、ハイランドフォールにて”の切ないメロディと、“楽しかった日々”での美しい
    ピアノの旋律に涙がちょちょ切れ。 すぐにアルバムの虜になってしまうはめに。

    ただ、“マイアミ2017”の歌詞には、当時は非現実的な歌詞だなぁと思ってたけど、
    まさか、あの悲劇(9・11)を予言してたかの内容は、今でもショックを覚える。
      ( 「ブロードウェイの灯が消えてしまった・・。
         エンパイア・ステイト・ビルは倒されてしまい、人々は避難する。」 
        この曲を、2001年のMSGでのNY追悼チャリティ・ライブで歌うビリー。 
        怒ってた。 心底、怒ってた。 アツかった。 これぞ、ロックだ。 )
    
    また、隠れデビュー作の「COLD SPRING HARBOR」の存在を知ったことも。

     (才能の片鱗は見せたのもの、まだ原石のまま。 案の定、全く売れず。
      おまけにトラックダウンの際に、マスターテープのスピードを速く録音されて、
      ビリーの歌がやたらカン高くて、聴きづらい。 スタッフ何してんの?
      悪徳プロデューサーによる印税の呪縛から解放され、83年12月には、
      テープ回転が、きっちり修正され、一部アレンジも変えて再発された。)

    “She's Got A Way”は、この叙情的でしっとりした雰囲気と美しさは、
    この頃からすでに“オネスティ”のプロトタイプを書いていたといえるし、
    オリジナルでの、ビリーの超人的早弾きと、流暢なメロディラインが印象的な
    “Everybody Loves You Now”は、このバンドでは、ギター・カッテイングで
    アレンジされ、アコースティック・ロックに甦らせる。 このセンスには脱帽。 

    でもやっぱ日本じゃ、ビリーは、“素顔のまま”であり、“オネスティ”であり、
    “ストレンジャー”だ。  素晴らしい曲だし、当然、私も大好きな曲。 大事な曲。 

    しかし、このライブを聴き、なおかつ、ここ近年の精力的なライブ活動を知ると、
    ビリーの最大の魅力は、”静と動のコントラスト。”  これなんじゃないかなぁ。

             

    美しいメロディと情景が目に浮かぶような詩の世界。 そして、ピアノの調べ。
    これが、“静”の魅力。 (コレが日本人の心の琴線を触れさせるのだ。)
    このライブに見られるようなエネルギッシュで、汗がほとばしるようなアツさ。
    そして時に、社会的メッセージを掲げ、怒りや疑問を硬派に問うアツさ。
    鍵盤の上に立ち上がり、拳を突き上げるほど、湧き上がってくるエネルギー。
    これが、“動”の魅力。 (コレがあるから、永遠に我々を魅了させるんだ。)

    相反する魅力。 泣かせといて、盛り上げる。 やっぱこういうのには弱いのよ。
    
    このアルバムには、ビリー自身がライナーノーツを寄せている。
    よほどの愛情がこめられているんだろう。  その最後の一節にこうある。
       「 君の家にPAシステムがないことはわかってるけど、
         本物に近い音が聴きたいなら、うるさい隣の人を自宅に呼んで、
         出来るだけ大きな音で聴いてごらん。                 」

    ビリーがこんなアツい奴だなんて思わなかった人。
    それこそ、火傷しますよ。   
    今年の中途半端な夏よりも、こんなにもエネルギッシュで、断然にアツイ。
    最高の一枚だ。


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たか兄

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 正統派音楽ブログ営業中。
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